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食品安全委員会3年/独自性を持って評価を
[2006年07月19日付]
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0607/19.html
食品の安全性を科学的に評価する食品安全委員会が誕生して3年が過ぎた。この間、牛海綿状脳症(BSE)関連を中心に科学的で透明性の高いリスク評価を 行ってきたことは、一定程度、認められてよい。ただ、国民に食品の健康への影響を伝えるリスクコミュニケーションという委員会の大事な役割を十分果たせて いるかといえば、疑問が残る。BSE関連の意見交換会では、利害関係者の対立が一層深まっている印象さえある。リスクコミュニケーションは確かに難しい。 だが、委員会が独自性を持ち、難解な科学を分かりやすく説明していくことで、多くの国民の理解を得ることはできよう。 食品安全委員会はBSEの発生など、食の安全を脅かす問題が頻発したことを契機に設けられた。それまで食品の安全性評価は厚労省や農水省が行ってきた が、食品の規制をする官庁が安全性評価を行うことに批判があり、委員会として独立した経緯がある。委員会の事務局は55人体制。農薬、添加物、プリオン、 新開発食品など16の専門調査会があり、それぞれリスク評価を進めている。これまでに、リスク評価の要請は535件あり、253件の評価を終えている(6 月21日現在)。 委員会が手掛けた大きな仕事はBSE問題にかかわる全頭検査の緩和や、米国産牛肉の安全性評価であり、それにかかわるリスクコミュニケーションにも追われた。意見交換会は5月末までに全国で240回開かれているが、半分はBSE関連だ。 各地で開かれた意見交換会では「初めに結論ありき」「政治主導」などと委員会の主体性を問う声が多かった。それ以上に目立ったのは、消費者と食品事業者 の意見の対立だ。互いの意見を言い合うばかりで、委員会も「何度開催しても対立が深まる印象を与えるだけ」と認めている。 なぜか。一つは、科学者たちの言う「科学的な安全性」を、消費者の思う「安心」に変えられないからだろう。説明の言葉ひとつとっても、専門用語が多く、一般には分かりにくい。科学的な評価を分かりやすく伝えることに力を入れていくべきではないか。 もう一つは、委員会に独自性が不足しているためだ。これまでのリスク評価は、厚労省や農水省といったリスク管理官庁からの諮問に対する「答申」がほとん どだった。専門の研究機関も持っていないことから評価のためのデータも自前ではなかなか用意できず、多くはリスク管理官庁が集めたものにすぎない。これで は、国民の全幅の信頼を得ることは難しい。委員会には独自の判断でリスク評価できる、いわゆる「自ら評価」機能がある。人員などに制約があることは分かる が、リスク評価に積極的に臨むことで国民の信頼感を勝ち取ってほしい。食品安全委員会への期待が大きいだけに、意欲的な取り組みに期待したい。
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