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民主党 米国BSE調査団報告書
http://www.asyura2.com/0601/gm12/msg/110.html
投稿者 ウソ捏造工場 日時 2005 年 12 月 29 日 15:45:17: OszuLYfIhReeI
 

○調査団の目的

米国におけるBSE対策の現状に関する実態調査と関係政府機関・議会・関係団体・学識経験者・市民団体・マスコミ等との意見交換

○調査団の構成

団 長 山田 正彦 『次の内閣』農林水産総括副大臣
団 員 鮫島 宗明 衆議院議員
事務局 栂坂 英樹 政策調査会副部長

○調査内容

8月23日 (月)13:30〜 Lester Friedlander氏との面談

ランダー・フリードランダー氏は、元米国農務省検査官であり、1985年1月からペンシルベニア州にて、牛の検査を行ってきた人物である。

以前は、1頭ずつ牛が通るのを目で検査していたが、処理場が大きくなり、検査のための通路の拡張を米国農務省(USDA)が許可した結果、歩行状態を十分に検査することができなくなった。また、91年から92年にかけて、USDAが牛の脳を集めた(2500頭分)が、全て若い牛のものであり、問題のありそうな牛については調査が行われなかった。92年には、フリードランダー氏は子牛の工場に移され、その際には20〜25頭を食肉用に回さないようにしたとの話があった。
 フリードランダー氏との意見交換では、米国は異常プリオンに広範囲に冒されていると考えるかという質問に対して、フリードランダー氏は、(1)飼料規制(97年規制)が守られておらず、未だに牛の肉骨粉が牛の飼料に使われていること、(2)牛の血粉を子牛に飲ませることは規制されていないなどの理由から、明確に「Yes」と答えた。飼料規制については、米国食品医薬品庁(FDA)の検査官がUSDAの検査官に比べて非常に少ないため(FDA2000名程度、USDA6000〜7000名程度)、実態把握が十分ではなく、FDAの検査官を各飼料工場にはりつけるべきとの指摘がなされた。

8月23日(月)15:00〜 Janet Skerbekさんとの面談

ジャネット・スカーベックさんは、もともと会計士で、母親が問題となっているガーデンステート競馬場の経理をしていた。

ガーデンステート競馬場と関係ある人が2000年から3名、孤発型クロイツフェルトヤコブ病(CJD)で亡くなっていることが判明した。ガーデンステート競馬場は100人の従業員しかおらず、CJDは100万人にひとりの病気と言われている。CDC(疾病管理予防センター)に報告したら、偶然であると言われた。牛肉関係団体は米国では非常に強いため、CDCはまじめに調べようとしない。牛の肉骨粉を牛に食べさせていたことで、CJDが増加したのではないかとの話があった。

8月24日(火)9:00〜 市民団体との意見交換

参加団体:Public Citizen, Center for Food Safety, Center for Science Public Interest(CSPI), Consumers Union, Friend of the Earth, Consumer Federation of America(CFA), Government Accountability Project(GAP)

日本の政府がBSE予防の点で強い措置を採用していることについて評価し、米国市民団体も安全な牛肉の供給を望んでいた。
 米国政府は汚染された飼料について強制的なリコールシステムをもっていない。また、米国政府は少なくとも20か月齢以上の全ての牛についてBSE検査をすべきであり、検査の感度が上がれば、さらに低い牛も対象とすべきである。そのために牛肉の値段が多少上がっても許されると考えるが、USDAがそれを認めない。また、米国内で発生したBSE牛は、実際にはダウナー牛ではなく政府はウソの発表をしている。検査官のBSE発見のトレーニングも不十分である。ダウナー牛であるなど何らかの症状が認められる牛は脳を調べることになっているが、実査の現場では、政府の検査官がおかしいと気づく前に、レンダリングに送ることがUSDAにより奨励されている。輸出については、検査官は貿易協定に違反しても米国内法に違反しなければ介入しないように言われており、メキシコに対する輸出でも、貿易協定では30か月齢以上の牛肉は輸出できないことになっているが、実際には30か月齢以上の牛肉を積載することを検査官が止めなかった事例がある。米国では牛肉業界の利益を守るシステムをつくることに力が注がれており、消費者の食の安全を守ることが後回しにされている。97年の飼料規制も実際には余り守られていないし、97年規制には抜け道も多い。日本が(米国の牛肉輸出再開圧力に対して)強固な立場を維持することが重要で、米国政府にしっかりと検査させる対策をつくらせるべきである。等の意見が出され、今後、民主党と連携してこの問題に対して対応したいとのことであった。

8月24日(火)14:30〜 R-CALFとの意見交換

R-CALFは、中小の生産者を中心とする団体である。

中堅食肉会社のクリークストーン、ゲートウエイ、R-CALFの3団体で、自主的なBSE全頭検査を10月1日から開始できるよう求める書簡を連名で USDAに提出しており、返事がない場合には訴訟も検討しているとのことであった。また、このような自主的なBSE全頭検査を、USDAは1920年に制定されたVSTA法(当時はBSEも存在せず、法律はBSE検査を想定していない)をもとに拒否しているということが明らかとなった。

8月24日(火)16:30〜 USDA,FDAとの意見交換

ペンUSDA次官からは、BSEまん延防止措置について、科学的根拠に基づいて行っており、サーベイランスについても同様である。97年から飼料規制も行っており、まん延防止措置もとっている。BSEは新しいものであるが、多くの科学的知見はある。日本での21か月、23か月での発病例については、これがBSEであるという国際的な同意は未だ得られていない。BSEは30か月齢未満ではほとんど起こらず、30か月齢未満の検査はほとんど意味がない。全頭検査は1頭あたり30ドルかかることから、米国全体で10億ドルの負担増になる。これは日本への牛肉輸出額とほぼ同等であり、全頭検査を行うことは論理的ではない。全頭検査で消費者が守られるということは間違いである。中小業者が全頭検査をして日本に輸出したいということであるが、勝手に全頭検査をさせれば間違った安心感を与えるのでよくない。米国民は安心して米国の牛肉を食べている。等の話があった。
 ディヘイブンUSDA動植物検査局長からは、サーベイランスについて現在27万頭を対象に検査を行っており、BSEまん延の可能性について検査しており、このサーベイランスはOIEの基準に基づいた統計学的にも正しい方法である。危険な牛を検査させなかったのは、テキサスの誤った1例だけである。 OIEのサーベイランステストでは30か月齢未満については、中枢神経障害を除けば価値がないと言っており、30か月齢以上の検査で十分である。
米国はBSE暫定正常国であり、30か月齢以上の検査と特定危険部位の除去で十分である。個体識別(月齢管理)については、牛の歯による識別は可能である(ただし、山田団長の「歯では月齢管理できない」との指摘に対し、「歯では6か月の誤差がある」と認めた)。個体識別については、業界と考えながらゆっくりとやりたい。等の話があった。
 クロフォードFDA長官代表からは、牛の血粉からBSE感染する可能性はなく、血粉規制は、これと異なる情報があれば考える。97年の飼料規制については、現在改正することも検討している。等の話があった。
 これに対して、民主党側から、日本は米国がBSE汚染国であると考えており、日本では科学に基づいて全頭検査を行っている。BSEの歴史は浅く、検査対象の月齢を切ることは逆に科学的ではない。日本では内外無差別であり、同じ規制(全頭検査)であれば輸入再会は可能である。オーストラリアも個体識別を行っており、米国が個体識別に何年もかかるのは納得できない。97年以前にカナダの牛が100万頭輸入されレンダリングされており、米国がBSEに汚染されていることは明らかである。等の話がなされた。

8月24日(火)18:00〜 NCBA(牛生産者団体)との意見交換

NCBAは1800年代に創設された団体で、米国の牛生産者の団体である。

動物の健康・安全は重要な問題であり、それを第一に考え生産をしている。日本の市場が科学、事実に基づいて再会されることを望んでいる。米国では強固な健康プログラムによって生産から高品質を保っており、牛肉は安全である。米国内のBSE対策については、世論は好意的であり、消費者も信頼している。米国の牛生産者は政府から補助金を受け取っておらず、消費者の選択が全てである。世界一安全な牛肉をつくるインセンティブになっている。2004年6月から、米国内でサーベイランスプログラムを実施しているが、BSEは発見されていない。日本に安全でおいしい肉を輸出したい。等の話があった。
 民主党側からは、日本への輸出再開は全頭検査と特定危険部位の除去さえ行われれば難しいものではない。このような形での輸出再開が望まれる。との話がなされた。

8月25日(水)9:00〜 連邦下院議会政府改革委員会事務局との意見交換

Jennifer Safavianさん、Susie Schulteさん、Shalley Kimさん(委員会における共和党側のスタッフ)

過去に不適切な例はあったものの、現在のUSDAの措置(サーベイランスプログラム等)は適切なものと考えている等の話がなされた。
 これに対して、民主党側からは、検査は不十分であるとの指摘もあり、委員会として調査をして欲しいとの話がなされた。

8月25日(水)11:00〜 Steve Mitchell氏(UPI記者)との面談

スティーブ・ミッチェル氏はUPIの記者で、米国におけるBSEに関する米国政府の対応の問題点について指摘し続けている人物である。

ミッチェル氏からは、2004年6月から始まったサーベイランスプログラムにおいても従来と問題点は変わっておらず、ダウナー牛なのに左右を挟んで歩かせているという話も聞いている。USDAは30か月齢未満の牛の検査は意味がないといっているが、1990年5月にUSDAが作成した文書(Emergency Programs Alert)によれば、英国では22か月齢の牛がBSEに感染しており、同様のケースは米国内でも発生しうると指摘していた。USDAが30か月齢未満での発症をみとめないのはおかしい。英国では、米国よりも厳しく牛の肉骨粉を牛の飼料とすることを禁止してからも2頭のBSE感染が見つかっており、米国の 97年の飼料規制はそれよりも緩やかである。米国ではたとえ牛がおかしく見えても検査しないことになっており、おかしい場合には(牧場で)土に埋めたりレンダリングにまわしている。USDAのサーベイランスプログラムは自主的なものであり、どこの会社が参加しているかも不明であり、参加するインセンティブもない。米国ではBSEへの消費者の関心が低い(あくまでも動物の病気であるとの認識)ために、大手メディアも取り上げない。下院の政府改革委員会も公聴会を行ったが、公聴会前まではUSDA批判をしていたが、公聴会ではUSDAはよくやっているという話になってしまった。議員と食肉団体は資金的なつながりがあるからだと思われる。米国政府は米国内でBSEは発症しないという前提でやっていて、高いリスクの牛を見逃している。たとえば、狂犬病の検査に回った牛は、BSEの検査を行わないなどである。FDAの飼料規制も、飼料に「牛の一部が入っているので、牛の飼料にするな」と表示することが義務づけられているだけで不十分である。等の話があった。

8月25日(水)9:00〜 連邦下院議会政府改革委員会事務局との意見交換

AMIは、米国の食肉流通業者を中心とする団体である。全米の流通の90%がAMI加盟団体によりなされている。

米国の消費者が牛肉に寄せる信頼度は未だに高く、それは米国内におけるBSE予防措置がうまくいっている証拠である。また、2004年6月からは、20万等を超える牛を対象にサーベイランスを実施しており、予防機能が十分に働いているかもチェックしている。さらに、牛の個体識別を実施するプロセスにも入っている。牛肉の安全性はSRM(特定危険部位)の除去で十分であり、サーベイランステストは食の安全の問題ではない。BSE暫定正常国である米国では BSE発生の可能性は4〜7歳である。したがって、30か月齢以上の検査で十分である。等の話がなされた。
 これに対して民主党側からは、現在米国で行っているサーベイランスプログラムについては様々な疑義があり、30か月齢以上の牛のみを検査対象とするのは納得できない。輸入再開については内外無差別であり、全頭検査と特定危険部位の除去が不可欠である。少なくとも月齢管理システムの構築は必要である。等の話がなされた。

8月26日(木)9:30〜 ヤングレン農場(乳牛)視察

ヤングレン農場は、牛乳の生産を行っている。

ヤングレン氏からは、牛の個体識別は極めて重要であり、行うべきであるとの指摘がなされた。
※ なお、この日の本来の予定は、タイソン社のパスコ工場(牛の解体工場)の視察をタイソン社に申し込んでいたのであるが(USDAからもお願いしてもらった)、タイソン社が労使紛争を理由に視察の受け入れを拒否した。これは、パスコ工場がこの調査団に見られた場合、何か不都合なことがあるのではないかと言われても仕方がないのではないかと思われる。

8月27日(金)15:30〜 USCF Jiri Safar助教授との面談

ジリ・セーファー助教授は、プリオン研究の第一人者であるプルシュナー教授とプリオンについての共同研究を行っている。

最近、Scientific Americanにプルシュナー教授と論文を発表した。BSE予防のあり方、食品・医薬品の安全の改善について書いている。BSEに関して全頭検査をやめて20か月齢以上に切り替えようという動きは科学的根拠がない。単に、羊のスクレイピーから推測しているにすぎない。牛の場合、発症から6か月経過すると、異常プリオンがリンパや腸に出てくる。26か月が経過すると、脳に異常プリオンが出てくる。しかし、(21か月とか23か月で見つかる例もあるが) 20か月から26か月の間に異常プリオンがどこに行くのかが明らかではない。検査の感度が上がれば、若い牛でも異常プリオンが検出されることになる。そして、現在開発されたCDI法を用いれば、現在の方法よりも感度が高い。また、脳だけではなく、筋肉からも検出可能である。CDI法のコストは1頭あたり 12〜14ドルであり、時間的にも5時間程度でできる。また、人間のクロイツフェルトヤコブ病にも利用可能であり、遺伝的なものなのか後発的なものなのかも区別できる。日本が今のタイミングで全頭検査を見直すのは少し早く、しばらく続けるべきである。科学的分析を行うための情報収集として全頭検査は有用である。米国はBSEの高リスク国であり、データの蓄積も不十分である。私は米国産の牛肉は食べないし、子どもたちにも米国産牛肉を食べないように言いたい(ただし、東京では牛肉を食べる)。等の話がなされた。
 民主党側からは、ぜひ日本に来て今のような話をしてほしい旨の要請がなされ、快諾を得た。

○調査を終えて

米国におけるBSE対策は、現在行われているサーベイランスプログラムが公正に行われていない可能性が強く、97年飼料規制の順守状況についても疑義がある。さらに、歯による月齢識別には6か月の誤差があることを米国政府自身が認めるなど、月齢識別についても誠実な取り組みが行われているとは言い難い。個体識別についても、業界と一体となって実施を遅らせていると言われても仕方がないような状況である。さらに、新たなプリオン検査(CDI)によって、20 か月齢未満でのBSE感染牛の検知可能性が明らかとなった。このような状況下で、米国が全頭検査と特定危険部位の除去を行わないような形での米国産牛肉の輸入再開を行うべきではない。米国政府は米国をBSE汚染国であることを認め、米国消費者ならびに米国産牛肉輸出国消費者の全てに米国産牛肉の安全を確保する方策(全頭検査ならびに特定危険部位の除去、飼料規制の強化)を速やかにとるべきである。

http://www.dpj.or.jp/bse/#001

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