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私的所有と人口は必ずしも関係しないと思います。
http://www.asyura2.com/0601/dispute23/msg/382.html
投稿者 heart 日時 2006 年 6 月 11 日 17:23:35: QS3iy8SiOaheU
 

(回答先: 私的所有の廃止の為に人口削減を! 投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 6 月 10 日 22:31:38)

ワヤクチャさん、こんにちは。

>人口を減少させる事によって私的所有を廃止する事は可能です。
>人口減少によって地球の生産力を回復し、住居・食料・衣類・車・医療などを無料で提供する事が可能になります。

私的所有をなくすことが答え(いい社会システムを作る上での)であるかどうかについてはちょっと疑問ですが、それについては後で触れることにします。

「人口減少⇒地球の生産力が回復」、これはそうだろうと思います。

しかし、そこからすぐに

>住居・食料・衣類・車・医療などを無料で提供する事が可能

とはいかないでしょう。
財の量に比べて人口が少なくなれば、一人あたりにあてがうことのできる財は増えるかもしれません。しかし、一挙に無料で提供できるところまでいくとは思えません。
ここの因果関係をもう少し説明していただけたらと思います。

また、無料にするのが答えかどうかにも疑問をもちます。

「住居・食料・衣類・医療など」は公共財と言え、貧富の差によって入手量が異なるのは問題だと言えます。
したがって、政府がこれらの財を責任を持って国民に行き渡らせる、ということは確かに必要です。
車はちょっと別ですが(公共交通機関を整備させ、公共交通機関と徒歩だけで暮らせる生活空間を作れば、各自が車を持つことは必ずしも必要ではないからです)。

しかし、無料でこうした財を配るというのは、何か、旧ソ連みたいなものを思い浮かべてしまいます。
活気のない社会になってしまわないでしょうか?(資本主義の教科書で育ったので偏見があるかもしれませんが。)


>人口が増加し続けているから物が取り合いになり、この取り合いを管理する方法として私的所有(私有財産)制度が維持されているダケなのです。

私的所有制度というのは人口が少ない時代からあったのではないでしょうか。
狩猟民族や遊牧民族の場合、私的所有は特には必要なかったかもしれませんが、農耕民族の日本の場合は、田の所有などの面で、所有制度が必要であったのではないかと思います(ここらへんの知識はないので想像ですが)。

また、地形的にも気候的にも、人間が住める場所というのは限られています。アメリカみたいな広い平野のあるところは別にしても、一箇所に集中します。
ですから、人口がかなり減らなければ、取り合いというのはなくならないと思います。一人っ子政策をとったくらいではなくならないのではないかと思います。

また、ワヤクチャさんは私同様、「物と人の移動を最小限に抑える」ことが必要とのお考えだと思いますが(*)、そのためには、物と人が散在していてはダメだということになりますから、ある程度小規模の地域コミュニティの中に物と人が集中する状態を目指すことになります。
その場合、取り合いは生じないのでしょうか?

取り合いを生じさせないために、政府が上から物や土地を各国民にあてがうと、画一社会、管理社会につながると思います(まあ今も別の形の管理社会に向かっていっていますが)。

医療については、無料かどうかは別にしてもどの人にも同じサービスを提供できるようにすべきであるということに異論はありません。医療について取り合いを生じさせないことは政府の責務であるといっていいと思います。
しかし、衣服と食料と住宅についても、無料で、しかも私的所有権を与えることなく提供する、となると、どんな服を着たいとか、どんな食べ物を食べたいだとか、どんな家、土地に住みたいか、といった選択権が奪われることになりませんか?
皆同じような服を着て、同じような家に住んで(住宅街のどの部分に住みたいかという選択権もたぶん持たせてもらえないでしょう)、日々同じような食べ物を食べるのでしょうか?食べ物については日替わり弁当みたいにするとしても、食の楽しみが奪われてしまうのではないでしょうか。
衣食住の選択の自由は維持・確保されるべきだと思います。

私的所有の否定は経済活動の否定にもつながると思いますが、私的所有を否定すべきものとそうでないものがあるのだろうと思います。
これは公共財か私的財か、という問題とも捉えられると思うので、財の問題としてちょっと考えてみると、
医療については、公共財として、政府が責任を持って平等に供給する必要があると思いますが、食料、衣服、住居については、準公共財、公共財と私的財の中間、程度にとどめるべきではないかと思います。
つまり、食料、衣服、住居については、これを消費せよ、といって政府が上から押し付けるのではなく、補助金を出して、国民側が好きなものを選択して消費できるようにするのです。
今も生活保護などの制度によって実質的にはそうなっていると思いますが(足りないとか切り捨てられていっているとかいう批判はあるでしょうが)、あるラインまでは政府が責任をもって衣食住に関する供給を行う。しかし、そのライン以上の部分については、各自が努力する、それしかないのではないかと思います。もちろん、努力がきちんと報われるような制度設計を政府がする必要がありますけどね。


>1人の人間に必要な食料を作るだけの農地が確保できていたなら誰も他者の食べ物を取ろうとしないでしょう。

統計上だけでなく、確実に、地球上の誰もが、ある程度同じだけの農地(質・量で均す)または食料を、確保できるようにする必要があります。
格差の問題を解決しないことには始まらないと思います。


>暴力的に人を支配したいと思う人間以外は。

支配―隷属構造の解体が必要ですね。


>人口が減るに従って世の中は平和になるハズです。

そういう面もあるかもしれません。


>世界規模で1人っ子政策を採る必要があります。
>人口が増え続けている国に対して一人っ子政策を採るように要求を出しましょう。

基本的に、子供を何人生むかというのは個人の自由だと思います。
お国柄、文化の違いもあるでしょう。
また、子供を労働力として捉えているところでは、子供を多く産みます。
なぜ人口が増えているのか、という原因を分析する必要があると思います。

また、中国の一人っ子政策の結果、我侭な一人っ子がたくさんできた、というような話も聞いたことがあります。
先に一人っ子政策の功罪を分析する必要があると思います。

>日本の少子化はいい事です。
>何等問題ではありません。

日本の少子化は環境にはいいかもしれませんね。
しかし、その少子化がなぜ生じているかということを考えると、悪い原因が元で生じている現象ではあると思いますよ。
つまり、給料が低い、治安が心配、日本の将来が心配、といった理由から子供を持つことを躊躇する人が増え、その結果としての少子化ではないか、ということです。自殺にしてもそうですね。自殺対策基本法とかいうのが「今国会で成立の見通し」(http://www.asyura2.com/0601/social3/msg/189.html)だそうですが、自殺したくならないような社会を作ることの方が先だろうと思います。


(*)
物と人の移動を最低限に抑える為にhttp://www.asyura2.com/0601/dispute23/msg/251.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 4 月 08 日 22:12:00: YdRawkln5F9XQ

いや、少しづつやっていけばいいでしょう。http://www.asyura2.com/0601/dispute23/msg/255.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 4 月 09 日 11:38:54: YdRawkln5F9XQ

私の理想の社会像(キーワードは地域コミュニティと自給自足)http://www.asyura2.com/0601/dispute23/msg/185.html
投稿者 heart 日時 2006 年 3 月 28 日 11:42:38: QS3iy8SiOaheU


≪関連投稿≫
私的所有=悪、とも単純には言い切れないのだろうと思いますhttp://www.asyura2.com/0601/idletalk18/msg/278.html
投稿者 heart 日時 2006 年 6 月 09 日 23:02:36: QS3iy8SiOaheU

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