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副島隆彦氏の、オプス・デイに関する《無知・無研究・思い込み》には、絶望を感じた
http://www.asyura2.com/0601/cult3/msg/143.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2006 年 6 月 12 日 06:18:55: SO0fHq1bYvRzo
 

副島隆彦氏の、オプス・デイに関する《無知・無研究・思い込み》には、絶望を感じた


次の投稿で「愛国心を主張する者ほど売国奴」さんが、副島隆彦氏の書かれた「ダ・ヴィンチ・コード」に関する論文をご紹介です。

http://www.asyura2.com/0601/war80/msg/848.html
投稿者 愛国心を主張する者ほど売国奴 日時 2006 年 5 月 20 日 15:02:28
今話題の小説・映画『ダヴィンチ・コード』が描く欧米の秘密結社なるものの正体を副島隆彦が、徹底的に解明する


●実を言いますと私はこの記事を見落としてしまい、本日、パラパラと阿修羅を見渡していて気が付き、非常な興味を持って読んだのですが、もうビックリ、呆然、唖然、しばらくあきれ果てて開いた口が閉まらない状態となってしまいました。

副島氏とそのサイトに対する、ある種の特別な念が、いっぺんに崩れ落ちてしまいました。ここまでとは! あまりにもひどい話だ!


この副島氏の論文の、他の箇所については何も申しませんが、オプス・デイ(Opus Dei:副島氏は英語読みの発音で「オパス・デイ」「オウパス・デイ」と書いておられます)に関して、氏が何一つご存じなく、また自ら資料を当たって研究されたことも全く無く、バチカンについての研究もほとんどなされず、あの小説を読み映画を見ての、単なる強烈な思い込みだけで書いておられるからです。

以下に、副島氏の論文からの引用と、それへの私からの解説を列挙しますが、私が研究に使用した資料類については、ご紹介する(私の)過去の投稿の中でUrl(インターネットで調べられるものは)を挙げております。(オプス・デイに関する資料は、日本語では良質なものが少なく、スペイン語の資料が最も良いのですが、英語にも良質な資料は多くあります。)


最初にお断りしておきますが、これは副島隆彦氏に対する批判ではありません。批判にならないのです。私の愕然とした思いを綴ってみます。


●今までこの教団に関する私の阿修羅投稿とお読みになった方には明らかでしょうが、オプス・デイは1928年にマドリッドで創設された団体で、創立者はホセマリア・エスクリバー・デ・バラゲー(1902〜75年)です。1946年に本部をローマに移しました。確かに現在の活動はニューヨーク米国本部が最も活発なのですが(ロックフェラーもおりCIAやブッシュ家とのつながりも深く、何せウォール・ストリートのネオ・リベラル派と最も親しくしているカトリック集団だから)、しかし教団の本部はローマにあります。副島氏は次のようにお書きです。

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【副島氏の文章より、引用開始】

この団体は、1920年代から、ボストンのあたりの、アメリカの金持ち層の間で特異なカソリックの運動として広まったのですが、評判が悪かった。それでも金持ちのパトロンたちが付いていたので、小説にも書いてあったが、10億ドルですから1千億円くらいの寄付金をして、ローマ・カトリックの総本山のバチカンの財政の困難を助けたりしていた。そういう背景がある。

【引用終り】
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意図的に小説の作り話の解説をしておられるのでしょうか、それとも何一つ研究されずに上記の記述を事実を思い込まれたお書きなのでしょうか? 理解に苦しみます。オプス・デイに関する事実は以下に挙げる投稿で私が書いたとおりです。

(ただし、この『イベリア半島「百鬼昼行図」その3〜6』では、オプス・デイを「カトリック原理主義」のように書いてしまいました。しかしこれが重大な誤りであったことは、後の方で上げる諸投稿で展開しております。)

(参照)
http://www.asyura2.com/0311/war45/msg/585.html
イベリア半島「百鬼昼行図」 その3:「米西同盟の経緯=フランコの呪縛」
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/126.html
イベリア半島「百鬼昼行図」 その4:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ
(1)バチカンを牛耳り中南米を操る悪魔的カルト集団
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/556.html
イベリア半島「百鬼昼行図」 その5:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ
(2)米国中枢部に食い込む「バチカン=オプス・デイ」
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/1019.html
イベリア半島「百鬼昼行図」 その6:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ
(3)アスナール政権=オプス・デイ政権、「3馬鹿軍団」の裏には?


●次に、オプス・デイは「原理主義」「復古主義」どころか、カトリックの根本を破壊して作り変えた(その価値判断は別として)、守旧派のカトリックにいわせると紛れも無い「革命派」です。副島氏はこのシオニスト=ハリウッド作り話にまんまと引っかかっているようです。(同時に、オプス・デイ自体がそのように思わせておきたい策略にも。)

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【副島氏の文章より、引用開始】

オプス・デイという、主にアメリカ合衆国で大きくなった(欧州各国にも支部はある)このカトリック内のやや過激な信者団体は、わざと苦行を自らに科して、鞭(むち)でたたいて体を痛めたりするような、厳しい肉体的修行を奨励する教団である。金属のとげがたくさん付いたバンドをしめて血だらけのまま過ごすとかが、今もスキャンダルとして騒がれている。カトリックの中でも、復古主義的で、一種の原理主義運動をやっている団体です。

【引用終り】
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『主にアメリカ合衆国で大きくなった(欧州各国にも支部はある)』とは、単なる空想でおっしゃっているのでしょうか。

(参照:今まで挙げたものにプラスして)
http://www.asyura2.com/0502/bd39/msg/378.html
ありがとうございます。少しずつ「ミッシング・リング」がつながり始めました

参考までに、オプス・デイは1946年まではマドリッドに本部を置いていたのですが、第2次大戦直後からスペイン以外の国々に急速に進出していきました。1945年にはポルトガルに、46年にはイタリアとイングランド、47年にフランスとアイルランド、49年にメキシコ、50年には米国、チリとアルゼンチン、51年にコロンビアとベネズエラ、52年にドイツ、53年にペルーとグアテマラ、56年にウルグアイとスイス、57年にブラジル、オーストリアとカナダ、58年にエルサルバドル、ケニアと日本、59年にコスタリカ、60年にオランダ、62年にパラグアイ、63年にオーストラリア、64年にフィリピン、65年にベルギー、69年にプエルトリコに、といった具合です。

以上が事実です。


●また『カトリックの中でも、復古主義的で、一種の原理主義運動をやっている団体』と副島氏が断言なされておいでの事柄に関しては、オプス・デイ自身が世間に「そうと思い込ませておこう」とする策略に実に見事に引っかかって、それを思いっきり強調して表現しておいでのようですね。

(参照)
http://www.asyura2.com/0401/war48/msg/134.html
イベリア半島「百鬼昼行図」 その7:オプス・デイはカトリック内の「ユダヤ勢力」の代理人か?
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/214.html
コンクラーベ:超巨大カルトの首領=教皇選出の鍵【第1部:「ミスター冷戦」の後】
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/215.html
【第2部:オプス・デイの正体】
http://www.asyura2.com/0502/war68/msg/1006.html
「使命」を終えたヨハネ・パウロ2世;『バチカン=オプス・デイ=CIA』軸への考察

また副島氏は血みどろの修行を行う薄気味の悪い教団として描いているあの作り話をそのままお書きのようです。

(参照)
http://www.asyura2.com/0502/war66/msg/775.html
Guardianはずいぶんオプス・デイ追求に熱心なようですが、『神話』に乗っては本当の研究と批判はできない

鞭で自分を傷つけるような血みどろの修行は、昔からカトリックで一般的に行われてきたことで、もちろんオプス・デイでも初期のころの熱心な会員では使っていたかもしれません。しかしその大部分は反オプス・デイのプロテスタントたちがいくぶん誇大に広めたものでしょう。副島氏はものの見事に『神話』に乗っかっての研究と批判をやっておいでのようです。


●さて、氏はオプス・デイを「ロッジ」とおっしゃっておいでです。たしかに「在家信徒集団」の性格は強いのですが、純然たる「在家信徒集団」とは言えません。

オプス・デイ(ラテン語で『神の御業』)の本名は日本語では「属人区聖十字オプス・デイ」です。問題はこの『属人区』という訳の分からない日本語なのですが、オプス・デイが作られたスペインの言葉ではPrelatura Personal、英語ではPersonal Prelatureです。Prelaturaというスペイン語は「高位聖職者、司教区」の意味があり、personalは「個人の、人間の、人格を持った」などですから、「俗世間の人間によって形作られる司教区」とでもなるのでしょう。

確かにこの命名には「在家信徒集団」のイメージが強く出されています。何の調査もせずに、表面だけをさすっておれば、次のような理解になるでしょう。

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【副島氏の文章より、引用開始】

秘密結社というものは、在家のひとたち、平信徒(ひらしんと)のひとたち。日本の神道(神社)の団体でいえば、氏子(うじこ)の集まりのことだ。僧侶、神官といった職業的聖職者たちの集まりではなくて信者の団体ということである。そうした平信徒の団体のことを「ロッジ」 lodgeというのだ。ニューヨークに本部があるオプス・デイもロッジ、一千年前から在るシオン修道会=テンプル騎士団も実はロッジだ。このことははっきりしている。ここが日本の歴史学者、宗教学者、聖書学者でも分からなかった、大きな事実だ。副島隆彦に日本の思想家a Japanese thinker としての業績です。私のこの理解に、どうせ、時間をかけて、すべての知識人、学者、宗教家たちが、いづれ従わなくてはならなくなります。私のこの大きな理解以外にはあり得ないからだ。
【中略】

だから、新興宗教団体のようになってしまう、ロッジ団体のオプス・デイのような信者団体は、さすがに、大司教( だいしきょう、archbishop アーチビショップ)という高僧までは存在しない。だから、最高位でもビショップ(司教)であるから、オプス・デイの総長もアリンガローサ司教なのである。

【引用終り】
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副島氏は、この教団の創始者であるホセマリア・エスクリバー・デ・バラゲーが、2002年にヨハネ・パウロ2世によって聖人に祭り上げられたことなど、きっとご存じないのでしょう。もちろんこのカロル・ヴォイティーワがエスクリバー・デ・バラゲーの精神的な弟子、というより、オプス・デイの操り人形であったことも。

『ロッジ団体のオプス・デイのような信者団体は、さすがに、大司教( だいしきょう、archbishop アーチビショップ)という高僧までは存在しない。』などと書いておいでですが、これはあの作り話の作者になり代わって解説をしておられる箇所なのでしょうか。

オプス・デイの会員であることが公的に明らかにされている枢機卿(当然、大司教)には、スペインのフリアン・エランス、ペルーのフアン・ルイス・シプリアニがいます。そのほかに「隠れ」として評判の枢機卿にはスペインのリカール・マリア・カルラス、イタリアのアンジェロ・ソダノなどがいます。

(参照)
http://www.asyura2.com/0502/war69/msg/578.html
やはり決めたのはオプス・デイだった(LAタイムズ、エル・ムンド)

またオプス・デイは創価学会とは根本的に成り立ちが異なります。その初めから徹底的な『エリート集団』なのです。私のような貧乏人の下々には、最初から縁の無い集団なのです。(無念!)

(参照:これ以外の私の投稿で随所に書かれている)
http://www.asyura2.com/0502/war66/msg/711.html
感謝。徹底したエリートに対するリクルートが彼らの特徴。


●次の箇所に至っては、副島氏は単なる冗談をおっしゃっている、としか思えません。

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【副島氏の文章より、引用開始】

 枢機卿(すうききょう、カーディナルcardinal)という職は、これら司教、大司教の中から選ばれる。日本には現在、白柳誠一(しらいしせいいち)枢機卿と濱尾文郎(はまおふみお)枢機卿の2人がいるが世界基準の枢機卿ではないだろう。ヴァチカンに枢機卿の全員が、700余名集まって、コンクラーベという宗教会議を開いて自分たちの中から、次の法王(Pope ポープ、パパ)を決める。

【引用終り】
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『ヴァチカンに枢機卿の全員が、700余名集まって、コンクラーベという宗教会議』とは、これはまた! 何を言う気も起こらないのですが、2005年に行われベネディクト16世を選出したコンクラーベは115名で実施されました。


●と、まあ、以上のようなことですので、副島氏の文章にあるその他の箇所で、少なくとも、オプス・デイに関連する部分は、すべてが氏の思い込み空間に浮かぶ幻影に過ぎなくなってしまうのです。

もちろん人間には「得手不得手」があり、詳しく知らない分野があるのが当然なのですが、あまりにもそれを自信にあふれてお書きになるのは、いかがなものでしょうか?

次に挙げる私の過去の投稿にあるようなことなど、ご存じないでしょうね。


(参照)
http://www.asyura2.com/0505/cult2/msg/365.html
オプス・デイ創始者はユダヤ系か?(フランコも?カストロも?)
http://asyura2.com/0505/cult2/msg/654.html
ヨハネ・パウロ2世はやはりユダヤ系だった!?(英国メトロ紙)

http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/282.html
超巨大カルト、バチカン研究:(1)第2バチカン公会議「カトリックの米国憲法化」
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/299.html
超巨大カルト、バチカン:(2)第2バチカン公会議「カトリックのユダヤ化」
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/351.html
超巨大カルト、バチカン研究:(3)ユダヤ人教皇ヨハネ・パウロ2世?
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/377.html
超巨大カルト、バチカン:(4)「ユダヤ教カトリック支部」?
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/444.html
超巨大カルト、バチカン研究:(5)「米国・バチカン同盟」の軌跡とオプス・デイ
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/789.html
超巨大カルト、バチカン研究:(6)「世界統一神権国家」への道のり(A)シヨン運動について
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/819.html
超巨大カルト、バチカン研究(7)「世界統一神権国家」への道のり(B)シヨンからオプス・デイへ
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/829.html
超巨大カルト、バチカン研究:(8)「世界統一神権国家」への道のり(C)シヨンから第2公会議へ
http://www.asyura2.com/0505/cult2/msg/133.html
超巨大カルト、バチカン研究:(9)「世界統一神権国家」への道のり(D)ユダヤ主導による宗教の統一
http://www.asyura2.com/0505/cult2/msg/157.html
超巨大カルト、バチカン研究:(10)オプス・デイの正体とネオコン

http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/389.html
米国指導部にとって、カトリック、プロテスタント、ユダヤ教はすでに「一つ」ではないのか?
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/822.html
1958年のバチカン・クーデター:簒奪された「グレゴリオ17世」の教皇位
http://www.asyura2.com/0505/cult2/msg/327.html
異端審問官ジョセフ・ラツィンガー(現ローマ教皇)の罪業


以上です。

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