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http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20050928us41.htm
24時間開館する公立図書館がある。
「高原レタス生産日本一」を誇る長野県・川上村。午後8時すぎ、1台の車が同村文化センター図書館の駐車場に滑り込んだ。車の主は、レタスの出荷を終え、夕食を済ませた油井和枝さん(38)。中学2年の長女美咲さん(13)も一緒だ。
2人は夜間専用の玄関に図書館が発行した登録カードを差し込み、暗証番号を打ち込んで図書館に入る。図書館の一部を区切った約23平方メートルの夜間専用のスペースには、文庫本6000冊、ビデオ300本、それに自動貸出機がある。
人口約4900人の約7割を農業関係者が占める川上村では、夏場は農作業に追われる。日中は図書館を利用しづらいため、1995年10月の開館に当たり、午後5時の閉館後も蔵書の約7分の1を24時間借りられるようにした。
借り方は簡単。自動貸出機に入館の時に使った登録カードを差し込み、本の裏表紙に記録された磁気データを読みとらせるだけだ。
村議会は当初、「本が盗まれる」「子供のたまり場になる」と、24時間開館という村の構想に難色を示した。村は、借り出し手続きが済んでいない本を玄関近くで感知する警報装置と監視カメラを導入することで、これに対応した。
藤原忠彦村長(66)が語る。
「いまでは都市でも過疎地でもテレビやインターネットで様々な情報を得られるようになったが、活字文化だけは依然、大きな差がある。だからこそ、いつでも本を手に取れる環境が重要なんです」
油井さんも「書店もレンタルビデオ店も村にはないし、無くてはならない施設です」と話し、西村京太郎さんの作品など計9冊を借りて行った。
◎
山口県須佐町(現・萩市)に「24時間開館」をうたう町立図書館「まなぼう館」が開館したのは98年2月。蔵書約4万冊のうち約3万冊を午後6時の閉館後も、自動貸出機で24時間利用できる。
同町は1年を通じてイカ漁が盛んで、夏は夜、冬場は昼が漁の時間だ。萩や島根県益田市へ勤めに出る人も多い。24時間開館を実現した吉田満・萩市須佐総合事務所経済課長補佐(50)は「日中だけでは住民の生活スタイルに対応しきれないと考えた」と振り返る。
昨年度は夜間や休館日など閉館中の利用が貸し出しの約21%を占めた。人口1人当たりの貸出数は17・1冊と県内トップ級だ。
図書館は「供給が需要を作る施設」と言われる。サービスの中身次第で住民の利用は増えるという意味だ。図書館の閉館時間は全国的に午後5、6時がまだ圧倒的だが、二つの図書館の例は自治体にやる気さえあれば、図書館も変われることを示している。
(山田博文)
【増える夜間延長】
24時間開館は例外的な存在だが、開館時間を延ばす図書館は増えている。住民からの要望があったという岐阜県高山市図書館は昨年4月の新館建設を機に、それまでの午後8時から9時30分まで延長。東京都目黒区の中目黒駅前図書館は駅利用者の便宜を図って午後9時45分まで。山梨県北杜市の大泉金田一春彦記念図書館は、甲府市への通勤者が平日も利用できるように午後10時まで開けている。
(2005年9月28日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/photo/20050928us41-8-A20050928094856063M.jpg
シャッターが閉まった24時間図書館の書棚から本を取りだす油井さん母子(川上村文化センター図書館で)
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