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□刑務所内で「人種戦争」企てる 同砲団の大ボスに有罪評決 [ベリタ通信]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2265671/detail
刑務所内で「人種戦争」企てる 同砲団の大ボスに有罪評決
米国の刑務所内に秘密の連絡ネットワーク網を打ち立て、人種の異なるグループの受刑者らを所内で殺害していた「アーリア同砲団」の首領にこのほど、有罪の陪審員評決が下った。同組織のメンバーは多くが白人の受刑者で、ナチのヒトラーを信奉する白人優位主義を標榜していた。このため捜査当局は4年前に刑務所内に根を張った同砲団の壊滅作戦に乗り出していた。この首領には、8月の量刑公判で死刑が宣告される見通しだが、関係者は、仮にリーダーを処分しても、また新たに別の指導者が誕生する可能性があると指摘している。(ベリタ通信=江口惇)
米メディアによると、米カリフォルニア州サンタアナの裁判所で3月から審理が開始されていた裁判で、陪審員団は7月28日、「人種戦争」などと宣言し、黒人受刑者らを多数計画的に殺害していた同砲団の首領、バリー・ミルズ被告(57)やその側近のタイラー・ビングハム被告(59)ら4人に、いずれも有罪の評決を下した。
ミルズ、ブングハム両被告は死刑は宣告される見通しだが、残る二人の被告は、終身刑になるとみられる。
「アーリア同砲団」は1960年代にカリフォルニア州の刑務所内で結成された。受刑者の白人らを黒人、メキシコ系受刑者から保護するのが目的だった。連邦、州刑務所内に勢力を伸ばし、一時は100人にメンバーを抱えていた。
同胞団への加入は、時として加入しなければ、命がないといった脅迫的なものだった。距離が離れた刑務所にいる受刑者の連絡には、紙に小水を使って字を書き、当局に見破られないようにした。受刑者は、命令文は、火にあぶって解読した。
1997年に、コロラド州フローレンスにある超厳戒態勢下の連邦刑務所にいたミルズ被告は、約2700キロ離れたカリフォルニア州の刑務所にいた仲間に、黒人グループへの攻撃を指示する紙を送ることに成功している。
同年8月、ナイフで武装した同砲団の受刑者が、黒人グループを襲い、2人を死亡させ、8人に怪我を負わせた。ミルズ被告らは、1979年以来、同種の殺人、殺人未遂事件を繰り返していたとみられる。
捜査当局は2002年に、同胞団の摘発に乗り出し、30人以上の受刑者の殺人、殺人未遂の容疑で、40人を逮捕している。ミルズ被告ら4人も、この際逮捕された。40人のうち、12人以上に死刑が宣告される見通しだが、一つの事件で、これだけ大量の死刑判決者が出るのは、米国の裁判史上でも、前例がないという。
同胞団の結束は強く、受刑者は「犯罪集団の最高のメンバー」になるよう精進することを要求される。ニーチェやマキャベリの本などを読むことも薦めていた。
受刑者が出所しても、仲間の支援にため、金を送金したりした。また麻薬取引をめぐっても、外部から協力を得たとされる。
捜査当局は、刑務所内から同砲団を一掃するため、摘発に乗り出したが、多くの関係者は、これによって刑務所内から暴力的な一派がいなくなるとの見方には懐疑的だ。
2006年08月01日00時07分
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