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米学者が調べた千秋楽7勝7敗(世界一小さい新聞)
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投稿者 gataro 日時 2006 年 7 月 23 日 14:05:18: KbIx4LOvH6Ccw

http://blog.nikkansports.com/general/yoshida/2006/07/post_108.html から転載。

2006年07月22日

米学者が調べた千秋楽7勝7敗「ある危険な調査」(5月4日付)で、犯罪率と中絶の相関関係という
やばい記事を書いたけれど、そのときの参考資料が、
レヴィットとドナヒューという二人の学者の論文だった。

このレヴィットという人は、2年に1度40歳未満で
最もすぐれたアメリカの経済学者に贈られる、
「ジョン・ベイツ・クラーク・メダル」を2003年に受賞している
シカゴ大学で経済学の教鞭をとる気鋭の学者だ。

「ある危険な調査」の資料に使ったような論文を、
レヴィット博士は公開してくれているので、
いくつか興味を持って読んできた。で、その中に、

   勝ちがすべてではない:大相撲の八百長
   (Winning Isn’t Everything: Corruption in Sumo Wrestling)

というタイトルの論文を見つけた。

要するに、日本の大相撲に八百長があるかどうかを、
数字のデータを使い、経済分析の手法で、
明らかにしている。

   キーワード:ヤバい経済学、格闘技、露鵬、
          千代大海、力士、千秋楽


今、発売中の・・・

   ヤバい経済学(東洋経済新報社・1890円)
       スティーヴン・D・レヴィット
       スティーヴン・J・ダブナー
       訳・望月衛

の中でも、コンパクトに紹介されている。

この本は全米で大ベストセラーになった翻訳版だが、
レヴィット博士が、とにかく意表をつくアプローチで、
日常生活から裏社会まで、
通念をひっくり返してくれて非常に面白い。

少し目次から見出しを拾うと・・・

・新車の値段が車屋さんを出たとたんに暴落するのはなぜか
・出会い系サイトに出入りする連中がつく嘘とは
・建築家より売春婦が儲かっているのはなぜ?
・警察は本当に犯罪率を減らせるか?
・銃とプール、危ないのはどっち?

・・・などなど、けっこう興味を引く問いがある。

さて、大相撲に戻ってみよう。

大相撲は、日本の伝統的な格闘技で、世界に知られている。
天覧相撲という表現でお墨付きも得ている。
相撲での儀式は神聖であるから、
およそ「八百長」という単語はふさわしくない。

しかし一方で昔から、この部分で噂が耐えない。
週刊誌などが時々あつかう素材である。
元力士の告発記事がかつて話題になったこともあるし、
そういうことが話題になったことは否定できない。

証言などではなく、科学的データを使うと、
大相撲で八百長が行われているかどうかが
どの程度わかるのだろうか。

レヴィット博士は、7勝7敗で千秋楽を迎えた
幕内力士が勝ち越す率を調べた。

   本場所ではいつも8つ目の勝ち星がとても重要で、
   番付の上がり下がりがそれにかかっている。
   8つ目の勝ち星は普通の勝ち星のたいだい4倍の価値がある

だから、千秋楽に7勝7敗の力士が勝って得るものは、
8勝6敗の力士が負けて失うものよりずっと大きい、という。

先日の露鵬と千代大海との「がちんこ」では、ちょっと想像できないが、
仮に8勝6敗の力士が7勝7敗の力士にわざと負けることはあるのか。

レヴィット博士は、手順を踏んで、次のように説明する。

まず、本場所千秋楽に、7勝7敗の力士が
8勝6敗の力士に当たった取組数100番の統計をとった。

   7勝7敗の力士の8勝6敗力士に対する期待勝率  48.7%
   7勝7敗の力士の8勝6敗力士に対する実際の勝率 79.6%

   7勝7敗の力士の9勝5敗力士に対する期待勝率  47.2%
   7勝7敗の力士の9勝5敗力士に対する実際の勝率 73.4%

7勝7敗の力士は、なんと8勝6敗力士に対して、
10番中ほとんど8番も勝っていることがわかる。
また7勝7敗の力士の9勝5敗力士に、驚くほどの善戦をしている。

むろん、千秋楽を五分五分の成績で臨んだ力士は、
大変大事な一番で、底力を発揮することは考えられる。

ここでレヴィット博士が着眼するのは、力士の部屋関係や
力士同士の親密さなどである。
いわゆる「星の貸し借り」のことを言っているのだろうが、
では、7勝7敗の力士と8勝6敗の力士が、
次の場所で、どちらも7勝7敗でないときに当たると、
いったいどうなるのか・・・と博士は問う。

まあ、前回の対戦ほどにインセンティブがないから、
だいたい5割くらいの勝率だろうと、普通は考える。

で、データから実際に計算すると、
前回7勝7敗の力士は、実際には、わずか40%しか勝っていない。
前回80%近い勝率の力士が同じ対戦相手に40%の勝率に落ちる。

なぜなのか? 博士は「星の貸し借り」だと言う。
さらに、二人の力士が2回目に対戦するときは、
勝率は、約50%に戻っているというのだ。
貸し借りは次の対戦までという推論が成り立つ。

レヴィット博士はさらに調査を深めていく・・・。

八百長がマスコミに取り上げられた後の機会を利用するのだ。
八百長騒ぎが起きると、力士同士や部屋同士の間で、
「自重」が生じるはずだというのである。

データによると、八百長報道のすぐ後に開かれた本場所では、

   7勝7敗で千秋楽を迎えた力士の、
   8勝6敗の力士に対する勝率は
   いつもの80%ではなくただの50%だ。
   データをどういじってみても
   出てくる答えはいつも同じだ:
   相撲に八百長がないとはとても言い張れない

レヴィット博士はそんな風な結論を下す。

明日は千秋楽、7勝7敗の成績で臨む力士たちが
どんな取組を私たちに見せてくれるのか、

   楽しみだ

先日の露鵬が千代大海に切った「メンチ」は礼儀に反したが、
彼ほどの気迫で、8勝6敗、9勝5敗の力士が、
がちんこ相撲を見せてくれることを期待したい。

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