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(回答先: 映画「グラン・ブルー」を思い出した 投稿者 Sun Shine 日時 2006 年 7 月 13 日 18:55:22)
Sun Shineさん、お久しぶりです。
「The Big Blue」のことは懐かしいかぎりです。観終えた後も心地良さを伴ったblueな気分で幾日かを過ごすことになり、しばらく忘れていた感覚を想起させてくれた映画でした。
それはさて置き、今回の事件からは私にはもう少し入り組んだ、そして様々な想像が浮かびました。明け方近くまでTVに見入っていたときに起きた事件の衝撃は想いの外大きかったのです。
個人的に比較的長く勤しんだスポーツはラグビーなのですが、サッカーも好きで余技としてよく嗜んでいました。私にとっては高校の体育の授業で理論的かつ体系的な指導を受けたことがサッカーを好きになった一因になっていると想います。西欧と比べればまだまだ日本のサッカーの歴史は浅いものですが、サッカーを導入し日本における基礎を築いたのは何と謂っても大学サッカー(界)であることは衆目が一致するところではないでしょうか。その中でも早大と東京教育大(現・筑波大)が双璧であり、多くの人材をサッカー界に輩出して来てもいます。60年代中頃体育の指導方針がどう改革され斬新なものになっていたのか経緯は知りませんが、教育大出身の若き体育教師による指導を非常に新鮮なものに感じたことを今でもよく憶えています。
FIFA加盟国の代表選手の平均学歴を比べれば、おそらく上から一位二位を日本または韓国が占め、三位以下との間には隔絶の差があることは想像するに難しくはありません。それがプロ化の後も日本においてサッカーがアカデミックなアマチュアリズムから完全に脱皮できない遠因にもなっているのではないでしょうか。この様な日本の事情と比べれば、南米やアフリカの人達が自身や家族の栄達をサッカーに見出そうという気持ちには切実で並々ならぬものがあり、今回の事件はそうした背景を抜きにして捉えることはできないのではないかと思っています。
さて、これより先は私の妄想あるいは憶測の類のものですが、おそらくマテラッツィはジダンの“母親と姉のことを売春婦呼ばわり”したのではないでしょうか。もし、母親と姉のことでジダンにとって思い当たる過去の事実があるとしたら、マテラッツィの無神経な行為にたいし激昂するのは人間の心理として当然のことですし、母親と姉の名誉のためにもフレーズの中身を白日のもとにすることは到底でき得ないことです。戦後間もなくの日本でも男手がなく生計を建てるために母娘が街に出て立ち春を鬻(ひさ)いだという話は私の身近にもありましたし、移住して間もない移民の人達の中には街頭に立ちながら家族の星に一家の成功の夢を託して支えたという裏話は強ちフィクションばかりとは云えないでしょう。しかし、殊更にそのことを挙げて人を辱しめることは断じてしてはならない、下品で恥ずべき行為だと思います。また、逆に全くの事実無根であるならば、受け流すだけで済むことですし、巷間伝えられるジダンの今日までの信条に基づく行動はそうした誹謗や中傷を撥ね返すのに十分なはずです。
もう一つの背景には、スポーツとしてのサッカーは元来欧州の旧勢力が優位であったものの、中南米は固より昨今ではアフリカを中心とする新勢力の台頭を歓迎しない、特に移民の制限政策をとって来た国々の危機感があり、それが差別意識や排斥意識に繋がっているのではないかと想われますが、この点に関してはどの程度翳を落としているのかを含めて詳しい方の分析にお任せしたいと思います。
また、会いましょう。
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