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(回答先: マテラッツィがジダンに吐いた暴言とは [スポーツナビ] 【ジダンを“テロリスト”呼ばわり】 投稿者 white 日時 2006 年 7 月 10 日 22:40:42)
□人生の不条理と「戦った」ジダン/二宮清純 [ワールドサッカープラス]
http://www.sponichi.co.jp/wsplus/column_j/08881.html
[唯我独論] 人生の不条理と「戦った」ジダン
[06.07.12]
果たして人格まで否定されるような行為だったのか。ファイナルの舞台でイタリアのDFマルコ・マテラッツィに頭突きをくらわせ、一発退場になったフランス代表主将ジネディーヌ・ジダンに非難が集中している。「世界中の何千万人の子供たちにどう説明するのか」(仏紙レキップ)。欧州のメディアのほとんどが「世紀の愚行」と断じている。赤い紙を突きつけられ、ピッチを去ることで彼は十分すぎるほどの代償を払ったのだが、それだけでは足りないと見なしているだ。
推測だが、マテラッツィは口にできないような言葉を吐いたのだろう。姉を娼婦と呼ばれたという説もあれば、自身をテロリスト呼ばわりされたという説もある。真相は藪(やぶ)の中だが、水に落ちた犬は叩けとばかりに“正義の鉄槌(つい)”を振り下ろす欧州メディアよりも、私はダビド・トレゼゲが口にした「アイツ(マテラッツィ)はカップを勝ち取ったかもしれないが、胸を張ることはできない。サッカーよりも大切なものが人生にはある」とのひと言のほうが胸に重く響く。ジダンは「キレた」のではない。不条理と「戦った」のだ。こんな不器用な男がスポーツの世界にいることを、逆に私は誇りに思う。
ジダンはあまりにも多くのものを背負いすぎた。自身がアルジェリア系移民の子ということもあり、98年の戴冠を機に“輝ける移民の星”としての振る舞いを求められた。以前にもコラムで書いたが、ジダンが発する言葉は時として大統領の発言以上に重みを持った。多民族の集合体であるレ・ブルーを目の敵にする極右政党・国民戦線が台頭した際には「この党はフランスの価値観に合わない」と切り捨て、同党のルペン党首を大統領選決選投票(02年5月)で敗北に追いやった。
ジダンは好むと好まざるとにかかわらず、存在自体が“生ける伝説”と化し、物語はいよいよ最終章に突入していた。
だが主役は唐突に舞台を降りた。何のメッセージも発せずに。英雄の頂に手をかけていた34歳がすべてを犠牲にしても守り抜きたかったものとは何か。きっとその真実は明らかにならないほうがいいのだろう。マテラッツィにとっても、もちろんジダンにとっても…。(二宮清純=スポーツライター)
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