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2千万円文学賞、新人育つ?
2006年06月30日22時45分
大賞2000万円という文芸作品への賞金で日本最高額の公募新人賞、ポプラ社小説大賞の第1回受賞者が30日、発表された。「売れる」エンターテインメント作家を発掘するため、大手出版社も既存の賞の賞金をじわじわと上げている。出版界は突出したベストセラーと、重版のかからない大多数の本という「一強多弱」状態が続く。高額賞金はベストセラー作家を生み育てることができるだろうか。
発表会には記者が120人ほど集まった=30日、東京都新宿区のポプラ社で
10歳から95歳まで2746点に及ぶ応募作から大賞に選ばれたのは、千葉県船橋市の方波見大志(かたばみ・だいし)さん(26)の「3分26秒の削除ボーイズ―ぼくと春とコウモリと―」。記者会見で方波見さんは「賞金が応募の動機です。貯金します」と話した。
優秀賞2作への各500万円の賞金も含め、総予算は5000万円以上になる。1500円の単行本なら15万部のヒット作でないと回収できない額だ。同賞を担当するポプラコミュニケーションズの佐久間憲一さんは「大賞を2000万円にしたのは作家を育てるための援助と、児童書に強いポプラ社が大人の小説の世界に本格参入するPRの二つの意味があった」と話す。
同賞のあおりで、同時期に募集をしていた新人賞の応募は減っている。人気作家が輩出している日本ファンタジーノベル大賞(賞金500万円)は、例年500点近い応募が、2割以上減った。
既存の賞も手をこまぬいてはいられない。20日に第1回の受賞者が決まった講談社の小説現代長編新人賞は、「小説誌の新人賞としては最高」の300万円をうたう。以前の小説現代新人賞は賞金50万円だった。集英社の小説すばる新人賞は、07年の募集から100万円が200万円になった。
ベストセラー作家を生む鍵は、むしろ受賞後の作家育成にあるという意見が文芸関係者の間には多い。大手出版社の小説誌編集長は「新人賞が即戦力を求めるだけの場になっている。作家の原稿と向き合って手を入れる編集者が減り、出版社による作家の囲い込みも進む。うまくいけばいいが、使い捨てになっている例が増えている」と話す。
多くの小説新人賞の予選委員を担当する文芸評論家・池上冬樹さんによると、大きな新人賞を受けて単行本デビューした作家が伸び悩み、公募の新人賞に再応募する例が目につくという。「すでに賞を取った作家は、心機一転して別の路線を目指すのでなければ、新人賞に応募するべきではないと思う」と話す。
ポプラ社では大賞創設に合わせ、小説を中心にしたPR誌を作り、文庫も刊行する予定。「多くの作家を抱える大手にはできないきめ細かい育成態勢をとる」(佐久間さん)という。大賞作品は10月に、優秀賞の真田コジマさん(35)=愛知県三好町=の「鉄塔の上から、さようなら」や、長谷川安宅(あたか)さん(38)=東京都三鷹市=の「見つめていたい娘」とともに、同社から刊行される。3作品で計50万部が目標だ。
http://www.asahi.com/culture/update/0630/030.html
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