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□「オシム監督就任」は、JFAのカウンター攻撃 [日経ビジネス]
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20060627/105153/
「オシム監督就任」は、JFAのカウンター攻撃
手玉にとられたスポーツメディア
「ハプニング会見」の形をとって、イビチャ・オシム氏への代表監督就任要請が明らかになった日本サッカー協会(JFA)。今後の日本代表チームについてのビジョンが、ファンからも注目されています。
私はミュンヘンのスタジアムへ向かうバスの中で、このニュースを耳にしました。取材する記者にとっては、記者発表の時間帯がちょうど列車で移動しているタイミングだったため、プレスルームでもこの「オシムジャパン」のニュースは驚きを持って受け止められました。
ただ、これまでもオシム待望論がサポーターやメディアの底流に流れていたのは事実。ジーコジャパンの残した結果への批判が高まり、その矛先がJFAおよびそのトップへと向かいつつあった矢先、この発表が戦略的に行われたとすれば、危機管理のPR対応として非常に効果的なものだったと言えるでしょう。
サッカー記者が日本にいないタイミングで発表
この会見は、当初設定されていないものでした。しかし、ブラジル戦の敗戦直後、まず「急遽」川淵キャプテンによる会見が日本で行われることをJFAは発表。そして会見当日の朝、スポーツ紙2紙に対してオシム氏との交渉内容をリークしています。メディアと読者に「オシム」の名前を十分に刷り込んだところで、川淵キャプテンはその名前を口にしました。
この時点で、日本代表とJFAの動きを長年にわたって追っていた記者のうち、かなりの数がドイツでの取材を続けている状態でした。この新しい状況を、より深く分析できる記者の数が少ないタイミングで行われたのが、この「ハプニング」会見だったのです。
当初、この件に関する記事に初歩的なミスが多く、また発表内容を右から左へと受け流すだけの報道が目に付きました。川淵キャプテンが「読んで感銘を受けた」と発言した書籍(※)を、“オシム氏の著書”と記述した記事が複数あったことからも、通常はサッカーの報道に携わっていない記者が初期の報道に携わっていた事を端的にあらわしています(※『オシムの言葉』は、木村元彦氏の著書。刊行は集英社インターナショナル)。
ただし、前述しましたがこの一連の動きは、JFAにおける危機管理広報として、きわめて効果的でした。日本代表は、目標ともいえた予選リーグ突破はおろか、1勝もあげることができずに敗退。「世界を驚かせる」と語ったジーコ監督の言葉は、彼の想定とは逆の意味で世界を「驚かせる」結果に……。
予選リーグ突破の可能性がほんのわずかに残っていたブラジル戦の敗戦により、ジーコ監督のみならず、JFAと川淵キャプテンへの責任追及がまさに始まろうとしていました。特に、ジーコ監督をトップダウンで指名し、4年間擁護し続けた川淵氏への批判が急速に高まることは明白でした。
その炎が上がる寸前を狙い、まさにカウンター攻撃のように行われた「オシム」発言。主要記者の日本とドイツの間での分散という状況も見極めることで、一気に世間の耳目を「ジーコ」から「オシム」へと移行させることに成功したのです。
組織防衛広報の「見事な」実例になるか
これまでJFAは、一部メディアへの意図しない情報流出などで、広報的ダメージを受けることがたびたびありました。しかし、今回の発表については組織防衛上、大成功だったといえます。
今後最大の問題は、当然の事ながらオシム氏との交渉が成功し、晴れて新しい日本代表監督へと彼を迎えることが出来るかどうかでしょう。今回の発表が「戦略的」であるならば、交渉の進捗、そして契約の成否を担保した上での発表でしょうから、その結果を見守りたいところです。
さて、ファンの間では当然の事ながら「川淵辞任論」が噴出しています。ジーコ監督の指導法や監督としての資質には、就任初期から疑問符がついていました。にもかかわらず、その能力を信頼し、結果として「惨敗」の2文字しか得られなかった今回の大会について、ジーコ監督の実質的な任命者である川淵氏の結果責任は問われてしかるべきです。
この状況を、一般の企業で例えてみると、どうなるでしょう。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20060627/105153/?P=2
トップダウンが信条のCEOが、収益の大半を占める主要部門の事業部長をヘッドハンティングで任命。周囲の反対や批判をかわしながらも、新しい事業部長は第3四半期までの目標(この場合はW杯出場)を達成しました。
この時点で、CEOはこの事業部長の資質を見極めることが出来ましたが、彼は数字の上では十分な実績を上げていたため、人事の刷新を行うことは難しい状況でした。しかし、この部門の最終損益は大幅な赤字へ転落。その上、決算発表を前にして事業部長は自らの退任と、黒字決算を公言していたのです。
公開企業でこのような状況ならば、当然CEOの責任は問われ、当の事業部長は虚偽の情報を事前に流したということで批判を受けるでしょう。告訴されていた可能性もあります。
それでも「CEO」は辞任すべきではない
もちろん、サッカーファンが川淵キャプテンに「辞任」を求めるのは、このような比喩に頼らなくても当然の感情でしょう。しかし、私は今回の件で川淵キャプテンが「辞任」の形で責任を取る必要はない、と考えています。
川淵氏は、Jリーグ発足以来、強力な指導力で一貫してサッカーの振興とファン拡大に努力してきました。JFAキャプテンに就任してからも、その収入を大幅に拡大し、それを若年層や女子などこれまで日の当たりにくかったさまざまなカテゴリーのサッカー選手へと還元しています。これらの取り組みは未だ緒についたばかりであり、同氏にはこの仕事を続けてもらわないといけません。
さらに重要な事は、同氏も口にしている通り「代表監督が辞めたら会長も辞任という前例を作ってはならない」からです。
日本代表チームは、未だ世界レベルで常に勝てる、というには程遠い状況にあります。次回の南アフリカW杯からは、アジア予選にオーストラリアが参加することもあり、出場そのものが難関になるでしょう。
先ほどの企業の比喩でいえば、主要部門の国内売り上げは絶好調にもかかわらず、海外市場においては大赤字を計上している、といったところ。今後はまたいつ「惨敗」の2文字を見なければならない状況に陥いるか、わからないのです。
そのような現在、「代表敗退→会長辞任」の前例を作れば、今後代表の敗退が即会長人事に結びつき、JFAは不必要に頻繁なトップ交代を続ける団体になりかねません。
サッカーを天下り先にさせないために
日本においてのサッカーは、野球などに比べれば、未だ新興スポーツです。そこでは長期的な視野に立った施策を必要としています。さらに、頻繁な人事による人材枯渇は、監督官庁である文科省や政治家からの介入を招き、天下り先として格好の餌食となるでしょう。
年間予算150億円以上のスポーツ団体が、外部からの介入を最小限に抑えながら運営されている事は、官僚国家・日本では「奇跡的」なことなのです。
天下りの役人や政治家が跋扈する協会を選ぶのか、それとも、あくまでプレーヤーやファンに支えられた、自立したJFAを維持するのか。この問題はそのような側面もはらんでいるのです。
もちろん、川淵氏の結果責任は問われるべきす。しかし、それは辞任という究極のものではなく、他の面で行われるべきではないでしょうか。期間を区切った報酬の一部、もしくは全部の返上など、他の選択肢があるはずです。川淵氏はJFA発足以来、始めての「報酬を得た」専任の会長です。その報酬は選手からの登録費収入や、スポンサーからの収入、つまりファンからの間接的な投資を基にしているのですから、こういった考えもあながち的外れだとは思わないのです。
次回は、今回のワールドカップにいたる4年間を、“Side B”ならではの切り口で考えてみます。
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