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□死刑を3度も免れたレイプ犯 知的障害者かをめぐり審理続く [ベリタ通信]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2107393/detail?rd
死刑を3度も免れたレイプ犯 知的障害者かをめぐり審理続く
今から26年前、米テキサス州東部で、22歳の人妻が、レイプされた上、はさみで刺されて殺害される事件が起きた。犯行はレイプの前歴のある男の仕業で、自ら殺害を自供した。男は3回にわたって死刑を宣告されたが、その都度、上級審が死刑を取り消してきた。上級審がなぜ死刑判決を3回も取り消したのか。それは男が知的障害者で、事の善悪を判断する能力がない認定されたためだ。男は50歳になり、人生の半分以上を獄中で過ごしてきた。テキサス州では死刑事件としては最長の審理の一つになっている。(ベリタ通信=苅田保)
1979年10月、パメラ・カーペンターさん(当時22)は、同州ヒューストンから約130キロ離れたリビングストンの自宅で、ハロウィーン用の飾り物を作っていた。そこへ当時23歳だったジョニー・ペンリーが侵入した。カーペンターさんを殴りつけ、レイプした後、彼女が飾り物を作るのに使っていたはさみで、胸の深くまで突き刺した。
男が立ち去った後、カーペンターさんは必死の思いで立ち上がり、胸に刺さっていたはさみを自らの力で引き抜いた。その後病院で危篤状態の中で、死亡する数時間前に医師に、犯人の人相を伝えた。ペンリーは、事件の二週間前に荷物の配達でカーパンターさん宅を訪れていた。
ペンリーは知的障害者とされ、知能指数も50から60台で、精神年齢は6歳という。学校は小学校1年で中退している。米ニューヨーク・タイムズによると、本人は塗り絵が好きで、サンタクロースが実在していると信じている。また1日は24時間ではなく、6時間と思っているという。
子供の頃から母親の虐待を受け、食べ物もろくに与えられなかった。母親はペンリーに彼の糞を食べさせようとしたこともあった。
このため裁判では、ペンリーが知的障害者がどうかが有罪の大きな決め手になった。検察側は、ペンリーには、善悪の判断をする能力が一般より劣っているものの、備わっていると主張。その上でペンリーは、人格異常の社会病質者だと決め付けた。
ペンリーには、これまで3回死刑が宣告された。しかし、1989年と2001年に、米最高裁は死刑判決を取り消した。これにもめげず、検察側は再び裁判を求め、02年7月に3度目の死刑判決が出た。これは、控訴審で覆され、最高裁もことし6月、死刑判決を取り消した控訴審を支持した。
この間、最高裁は02年に知的障害者への死刑適用は違憲との判断を下している。02年の3度目の死刑判決は、この最高裁判断の後に出たが、当時の陪審団は、ペンリーは知的障害者ではないとして、死刑の評決を下していた。
検察側は今、4回目の裁判も視野に入れている。テキサス州法では、刑務所で20年間過ごした者は、仮釈放される可能性がある。検察側は、カーペンターさんの遺族の心情を察し、ペンリーが釈放されるような事態だけは避けたい考えだ。
カーペンターさんの父親はことし3月他界した。生前、娘のことを話すたびに、泣き声を挙げ、娘を助けてやれなかったことを悔やんだという。
ペンリーは自らのウェブサイトを持っている。その中で、子供の頃、母親に虐待されたことや、死刑囚房から早く出たいことなどを書き綴っている。
2006年06月21日00時05分
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