★阿修羅♪ > Ψ空耳の丘Ψ44 > 348.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□日本代表、初戦大敗/糸山英太郎
http://www.itoyama.org/contents/jp/days/2006/0614.html
2006.06.14
日本代表、初戦大敗
私は現在ヨーロッパ出張の最中だ。最初の目的地はドイツ・カイザースラウテルンだった。FIFAワールドカップドイツ大会の主催者であるベッケンバウアー氏直々の招待で、日本代表チームの初戦を観戦するためだ。
私の滞在したホテルにはジーコ監督をはじめとする日本選手団も宿泊していた。後から駆けつけた糸山政経塾生のために若干数の観戦チケットを、(財)日本サッカー協会副会長である釜本邦茂氏に依頼した。氏はその場で快く応諾し、カテゴリー1のチケットを130ユーロという現地定価で用意してくれた。あらためて釜本氏に感謝の意を表したい。
聞くところによるとこのチケットには、日本で30万円もの値段が付けられているそうだ。中間業者が相当な中抜きをしているのは自明だ。自国の代表を応援したいという国民の愛国心を食い物にする卑劣な行為は国賊も同じだ。次回大会での改善を期待したい。
また試合前日のFIFA主催レセプションには、私の友人である地元カイザースラウテルン市長やカイザースラウテルン工科大学学長をはじめとする地元有力者やFIFA関係者が数多くつめかけた。その中に外務省の面々の姿もあった。
驚かされたのは彼等の堕落振りだ。ドイツ国公使や対戦国オーストラリア大使らが、自らの職務を果たすべく好意的かつすすんでコミュニケーションして来たのと対照的に、外務省関係者は私の姿を目にするも入り口で高野紀元大使が挨拶に来た以外、誰一人挨拶にも説明にも来ない。私は政治家時代、外務委員長を務めた外交の先輩であるにもかかわらずだ。特命全権大使である高野氏は広い会場の最前列席にふんぞり返り何ら外交的貢献を果たさず、他の若手書記官たちは大使に気を使うあまり大使婦人への通訳と接待に終始し、職務などあったものではない。外交官への特別な待遇は即刻見直されるべきだろう。礼儀という自国固有の文化もわきまえない人間に、外交や国家を語る資格などない。こんな役人が運営する国家では、勝てるものも勝てないのだ。日本は戦わずして既に負けていた。
試合結果は、私が前日に現地マスコミに語った通り、お粗末なものだった。前半は相手ペースで押されながらも何とか中村選手のラッキーな1点を守りきったが、体格でも技術でも優位な相手に対し、精神力なくして試合になるはずがない。後半は何をしたいのかが全くわからない中途半端なプレーで、限りあるチャンスを逸し続けた。私は次なる目的地モンテカルロへ向かうため、後半途中で会場を後にしたが、間近で観戦して気になったのが、相手チームの反則の多さだ。しかし一向に笛は吹かれない、こんな馬鹿な話があろうか。各選手の演技力が試合の大きな要素だというのか。では何のためのルールなのか。
「大敗」との試合結果を聞いたのは空港への車中だった。内包する甘さと弱さがもろに露呈した結果だろう。ジーコ監督、そして選手諸君よ、この現実をしっかり見極め、次からの戦いに「日の丸」を背負って向かって欲しい。そして「ジーコ・ジャパンが優勝だ」などと、わけのわからんこと言って有頂天になっているめでたい日本国民よ、目を覚ますのだ。世界はそんなに甘くない。
モンテカルロのホテルに着くと既に時計は深夜12時を回っていた。あくる日、全仏オープンテニスが終わったばかりの伊達公子夫妻がパリから駆けつけてくれた。彼らもサッカー日本代表の結果には悔しさをにじませていた。試合前に(財)日本サッカー協会の川渕キャプテン(Jリーグ・チェアマン)が私を訪ねて来て「サッカーにもご興味がおありなのですか?」と聞くので、「私はゴルフとテニスだけだ」と正直に返答したのを思い出した。我々はコートダジュールの暑い日ざしのもと、旅の疲れも忘れてともにテニスを楽しんだ。
旅の空から、日本代表チームの健闘を祈っている。
2006年6月14日 モンテカルロにて 糸山 英太郎
▲このページのTOPへ HOME > Ψ空耳の丘Ψ44掲示板