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大詰め 盗作疑惑 和田氏「プロなら違い分かる」/スギ氏「裏切りだ」
5日に芸術選奨 臨時選考審査会
今春、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した東京都在住の洋画家、和田義彦氏(66)の作品が、イタリア人画家、アルベルト・スギ氏(77)の絵と多数酷似している問題は、文化庁が芸術選奨の臨時選考審査会を5日に開くことを決め、大詰めを迎えている。和田氏は一貫して盗作を否定、スギ氏は「裏切られた。明らかに盗作」と主張し、両者の言い分に大きな隔たりがある。小坂憲次文科相は「受賞取り消しもあり得る」としており、盗作疑惑の黒白の行方が注目される。
≪両者の主張≫
これまでにスギ氏の作品との類似が指摘されている和田氏の作品は、1980年代から現在にかけて制作されたもので10点以上にのぼっている。例えば、東郷青児美術館大賞(2002年)を受賞した作品「想」は、スギ氏の「交差点のバー」と酷似。絵の中の舞台である酒場、登場人物やその配置、テーブルに置かれているグラスまで同一で、やや色の階調や筆のタッチに差があるだけなのだ。
和田氏は東京芸術大学大学院(油絵科)修了後、1971年からイタリア政府給費留学生としてローマに6年間滞在している。その際に、スギ氏と知り合いになり、以来40年近い交流を続けているという。
和田氏は作品の酷似は認めているが、「同じモチーフで制作しただけで、プロが見れば作品の違いはわかるはず」と盗作を否定。
しかし、スギ氏は自身のホームページ上などで「和田氏の仕事の大部分は私の絵の正確なコピーで、和田氏は法律を犯した。2人の共同作業は一切ない。和田氏は私のアトリエでいつも写真を撮って日本に帰っていった。裏切られた思いだ」と述べている。
文化庁は今年5月上旬、盗作疑惑を指摘する匿名の投書を受けて、イタリアのスギ氏のもとに職員を派遣し、事情聴取を行った。
同庁は和田氏とスギ氏にそれぞれ言い分を文書で提出するよう求めており、両者の主張を文書で照らし合わせた上で最終判断したいとしているが、小坂文科相が「早急に結論を出したい」と語っていることから、5日の臨時選考審査会で急展開する可能性もある。
≪賞の行方≫
和田氏の所属する美術団体「国画会」は5月31日、和田氏に対して退会勧告を行った。
15日を返答期限としており、従わない場合は除名処分にするという。国画会のある幹部は「スギ氏へのオマージュ(敬意を込めた作品)だと言っているが、明らかに盗作。釈明の余地もない」としている。
一般的にオマージュとして描かれる場合は、その旨が作品に明記されることが多い。和田氏本人の作品として発表している以上、もちろん「模写」にも相当しない。
盗作や贋作について多数の著書のある美術評論家の瀬木慎一さんは「ゴッホが広重の浮世絵やミレーの作品を模写したりするなど、多くの巨匠もほかの作家の作品を使う行為をしているが、これは全然違う次元の問題だ」と話す。また斉藤博・専修大教授(著作権法)は「和田氏が共同著作物と言うなら、双方の同意を証明しなければならない」と指摘する。
芸術選奨文部大臣賞の歴代の受賞画家は、小倉遊亀(日本画)、加山又造(日本画)、池田満寿夫(版画家)各氏らキラ星のごとく活躍した画家たちばかり。前代未聞の受賞取り消しとなれば、賞の歴史に泥を塗るばかりでなく、世界的にも日本の芸術の未成熟ぶりを露呈することになりかねない。
http://www.sankei.co.jp/news/evening/04iti002.htm
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