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JMM [Japan Mail Media]  「国境の越え方さまざま」 冷泉彰彦  
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 14 日 03:18:09: ogcGl0q1DMbpk
 

                              2006年5月13日発行
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JMM [Japan Mail Media]                No.374 Saturday Edition
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                        http://ryumurakami.jmm.co.jp/
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▼INDEX▼

  ■ 『from 911/USAレポート』第250回
    「国境の越え方さまざま」

 ■ 冷泉彰彦   :作家(米国ニュージャージー州在住)


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 ■ 『from 911/USAレポート』第250回
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「国境の越え方さまざま」

 一つの国が、何らかの理由で他国に入ってゆくとき、その入り方には様々な種類が
あります。古典的なものは、自分の国でのやり方を全く変えずに、相手の国に持ち込
むというスタイルです。昔から他国を植民地化する際によく取られた方法で、ハノイ
に欧風の町並みを持ち込んだフランスや、韓国や台湾に神社を持ち込んだ日本など、
見てくれは良くないのですが、ある種の人々はどうしてもやってしまうやり方と言え
るでしょう。

 アメリカの場合は少し違います。例えば、ディズニーやマクドナルドは「文化侵略」
などと言って非難されることが多いのですが、日本の場合で見てみると、ディズニー
を紹介したのは初期には出版社や放送局であり、テーマパークに関しては京成電鉄や
三井でした。また、マクドナルドの場合は藤田田という人物であった、ということを
見ても分かる通り、強引に乗り込んでいったのではなくて、相手先から求められて出
ていったというケースが多いのです。昨今の「外資系」金融機関の進出も、日本にそ
れを必要とする事情があり、それが大きな要素になっているのでしょう。

 アメリカの軍の場合はどうでしょう。確かに基地を高い塀で囲んで、中にはアメリ
カ風の学校や住宅、スーパーマーケットにボウリング場などを建設しています。です
が、これは在外基地に人的なプレゼンスを持ち込む以上は仕方がないところがあって、
むしろ塀の外側に対しては余り「植民地」的な押し付けはやらないことが多いようで
す。例えば、占領中の沖縄や70年代の韓国の場合などでは、塀の外への「民主主義
の紹介」といったことは、「おや」というほど不熱心でした。

 その代わりといっては何ですが、アメリカが軍事的・外交的に他国に出てゆく際に
は、「植民地化」でも「相手から求められて」でもない、三つの方法を取ることが多
いのです。まず、最初のパターンは、海軍が制海権を奪い、空軍が制空権を奪ってか
ら、海兵隊で急襲して相手を無力化し、陸軍を繰り出して相手国を完全制圧するとい
う方法です。とにかく、軍事力で圧倒して相手を全く抵抗できないところまで追いつ
めるのです。そうしておいて、相手国に他に選択がないようにして、自然に親米政権
を作らせるという手順です。第二次大戦の戦略が正にそうでした。

 次が「スパイ作戦」です。相手国の文化や言語に習熟したスパイを訓練して、その
国に送り込み、表面的には民間人を装いながら実際は情報収集活動や、特殊な工作活
動を行うのです。スパイというと、旧ソ連のKGBや北朝鮮の工作員などのように、
後ろ暗いものを秘めたキャラクターで、超能力的な技能を持ち、秘密が漏れそうにな
ると自爆したりする恐ろしい存在と思われがちです。

 ですが、アメリカのスパイは少し違うようです。まず、自国の「自由と民主主義」
を至上の価値と信じ込んでいるために、自国の国益を追及することを利己的とも後ろ
暗いとも思っていないという点があります。ですからスパイといっても、余り陰のあ
るキャラクターではないケースが多いようなのです。また、相手国に駐在して工作活
動を行ううちに、相手国の文化に惚れ込んでしまうというようなお人よしな面も持ち
合わせています。

 例えば、第二次大戦中にアメリカの諜報機関は、傍受した日本軍の通信を解析する
ために日本語の「省略語法」例えば、「例の件でありますが、本官としては、ここだ
けの話ですが……」とか「ああ、お前か、分かっとる、分かっとる」というような会
話の「解読」を必死で研究していました。その「成果」は今でも日本語を言語学から
研究する際に役に立っているのです。また、占領政策をスムースにするために日本語
のエキスパートを養成するというようなことも、熱心に行い、その「秘密の日本語養
成機関」からは沢山の親日派知識人を輩出しています。

 勿論、スパイですから、身の危険を冒して敵地に潜入するというような「ハード」
なスパイもありますが、多くのアメリカのスパイは身分は隠していても、それを後ろ
暗く思うことはなく、また相手国の文化と社会に相当にのめり込んでしまう、そんな
「ソフト」な存在だということは言えるでしょう。日本の戦後処理における工作がそ
の最大の成功例だったと言えるのではないでしょうか。他でもありません、こうした
活動を統括しているのがCIA(中央情報局)というわけです。

 ところが、最近はもう一つ別の「国境の越え方」が出てきました。それはシギント
(電子諜報)という手法です。全世界の電話、ファックス、Eメールを「傍受」して、
その内容を解析することから、アメリカに居ながらにして「敵」の実情を把握するこ
とができる、そうした思想に他なりません。こうした電子諜報を担当する巨大組織が
NSA(国家安全保障局)で、そのNSAが世界中に張り巡らした盗聴装置から得た
情報を管理するデーターベースが「エシュロン」というシステムです。

 このNSAとエシュロンに関しては、ヨーロッパでは関心が高く「反米運動」のタ
ーゲットとして批判されることが多いのですが、日本やアメリカ本国では「関心を持
つこと自体が左派的な陰謀説」に見られてしまうからでしょうか、どうしても「敬し
て遠ざける」ようなムードがあります。ですが、使っている予算が巨額であることと、
アメリカの軍事外交政策に深く関与していること、そして何よりも世界中の通信を傍
受しているという巨大な無法性に関しては、もっともっと関心が持たれても良いよう
に思います。

 先週の週末に電撃的に起きた、CIAのポーター・ゴス長官の辞任と、その後継候
補としてマイケル・ハイデン空軍大将(元NSA長官)が指名されたという事件、そ
してこのハイデン大将に対して「CIA長官としては不適格」という非難の大合唱が
起きている背景には、こうした「国境の越え方」の思想の問題が横たわっていると
言って良いでしょう。

 まず、ゴス長官の辞任ですが、この背景にはCIAの独立性の問題があります。9
11以降の政局の中で、特に「9/11委員会」の活動を通してアメリカの諜報機関
は厳しい批判に晒されました。航空学校に通いながら「オレは着陸方法は学ばなくて
良いんだ」などという奇妙な言動のためにFBIににらまれて逮捕されたムサウィの
存在を、いくつかの他の諜報と結びつけることができれば911は事前に予知できた
はずだ、それを妨げたのはFBI、CIA、NSAの連携が悪いせいだ、というので
す。

 その結果として、全ての諜報機関の上位に「情報長官」の役職が設けられることに
なりました。当初はCIAもNSAもそして軍部も頑強に抵抗し続けたのですが、大
統領選前後の戦局の中で「設置して諜報の一元化を実現しないと、選挙に勝てない」
という大統領周辺の意向もあって(勿論、再びテロが起きては大変という意味合いも
ありますが)最終的に2005年の2月に(議会承認は4月)設置されたのです。

 初代の情報長官には、国連大使を務めたジョン・ネグロポンテ氏、そして副統括官
には問題のマイケル・ハイデン大将が就任しました。当初は「飾り物」になるのでは
と思われた、このネグロポンテ=ハイデン体制は、しかしブッシュ大統領の直属の組
織として回り始めたようです。

 結果的に、CIAの権限は大幅に限定されるようになったようです。少なくとも、
従来はCIA長官が直接大統領との秘密のホットラインで具申ができたのを、現在は
ネグロポンテ、ハイデンの2人を通さなくてはならなくなりました。ゴス長官の電撃
辞任の背景には、こうした問題が色濃くあるようです。

 その後継として他でもないハイデン氏その人が候補に指名されたのですから、これ
は大事件です。NSAの中興の祖であり、電子盗聴を知り尽くした人物、そして空軍
では軍の諜報というテーマに深く関与してきた人物がCIAのトップに座るというの
ですから。発表と同時に軍、CIA関係の議会筋からは反対の大合唱が巻き起こって
います。特に、11日の木曜日からはNSAがアメリカ市民が電話を使った「通話先
と通話時間の履歴」をNSAが収集していたというスキャンダルが、何故かこのタイ
ミングで一斉に報道され、NSAとハイデン氏、そしてブッシュ大統領は包囲された
感があります。

 では、どうしてCIAと軍、NSAはそんな風に仲が悪いのでしょう。まず、CI
Aは敵国の言語と文化に習熟した人間を敵地に潜入、いや多くの場合は敵地の社会に
同化させています。そこで有効な情報を収集するためには、細かな問題ではアメリカ
の国益を売って信用させるようなことも皆無ではないでしょう。また、信用を得るた
めに相手国の社会の奥底に潜入し、本国との連絡は最小限というケースもあるかもし
れません。

 そうしたスパイ達は、まず自分が行っている工作内容などの交信が、NSAのエ
シュロン経由で本国の機関に知られては困るのです。遠距離から盗聴して、その場の
「文脈」を何も知らない分析官に「お前のやっているのは、利敵行為」などと勝手に
判断されては商売にならないからですし、それ以上に自分の命が脅かされるように感
ずるからでしょう。

 また、軍から見ると、CIAの工作員は、半分は相手社会に属して怪しい行動をし
ているので、万が一軍の秘密の計画をCIAが知ると、情報集めの一環として敵を信
用させるためにと称して、敵に漏らすかも知れない、そんな不信があるのです。

 問題が意思決定に関わってくると、対立がもっと先鋭化することがあります。良い
例が、戦前のイラクにおける大量破壊兵器の問題でした。フセイン政権がウランの密
輸を行っているというNSAの「シギント」に基づいて、国務省にはアフリカの輸入
元の側の調査が命ぜられました。その結果が「シロ」であったために、チェイニー副
大統領のオフィスが、調査を担当した外交官の妻がCIA工作員であるという身分を
暴露して、政治的に抹殺しようとしたらしいのです。

 こういうスキャンダルは、一見すると「戦争を決意していて口実が欲しいだけ」の
政権の勇み足、という風にも見えますし、民主党系の外交官夫妻への政治報復だとも
言えるでしょう。ですが、その背景にあるのはNSAとCIAの暗闘だと言うことも
言えます。とにかく人によって「現場から情報を得る」CIAと、電子盗聴で「離れ
たところから相手を覗く」NSAとは、犬猿の仲ということが言えるようです。

 さて、そうした問題を踏まえての、今回の人事ですが、タイミングとしてはイラン
の核疑惑の問題が背景にあると見るべきでしょう。表面的に言えるのは、民主化工作
のために潜入しているスパイについて、結果的には「若い世代が右傾化してしまった」
という形で工作に失敗したことによるCIAへの不信があるように思います。これに
加えて、CIAからは「イラン攻撃の政治的コスト」が大変だというレポートなども
上がってきているはずで、強硬な人々に取ってはそれが煙たい、そんな推測も可能で
す。

 それ以上に問題なのが、問題の核施設に関する情報でしょう。開発がどの程度まで
進んでいるのか、攻撃した場合にどんな作戦が可能で、その場合の民間人犠牲はどう
なのか、こうした問題で、恐らくNSAが盗聴によって収集したデータと、CIAが
地上から収集したデータに違いがあるのではないかと思われます。

 では、ハイデンCIA長官が誕生したら、アメリカはCIAの現場からの声を押さ
えつけてイラン攻撃に踏み切るのでしょうか。必ずしもそうではないと思います。国
際政治の上でも、国内政治の上でも、先制攻撃は不可能だからです。政治的に失うも
のが大きすぎます。ですが、イランに対して宥和姿勢を見せることは、同じように国
内的にも国際的にも失点になります。

 イランの核開発の主たる動機はアメリカを挑発し、アメリカに抵抗することが国内
政治上の求心力になるというバカバカしい空虚な理由だからですが、アメリカは、そ
の挑発に乗ってしまって下りられないのです。攻撃はできない、だからといって舌戦
に負けるわけにはいかず、強硬な姿勢は崩せない、そんな袋小路に追いつめられてい
ます。

 ホンネを言えば攻撃はできないのだけれども、いつでも備えておくことはしておき
たい。そうでなくて、スキを見せれば舌戦にも負けてしまう。そんな焦りから「人間
のスパイ」から上がる情報と、「電子盗聴」で得た情報を一本化しておきたい、ホワ
イトハウスはそんな思い詰め方をしているのではないでしょうか。

 私個人としては、とにかく最近伝えられた、イランでは「W杯を前にして、女性の
サッカー観戦が認められた」というニュースを耳にするにつけ、民主化は着実に進行
しているのは間違いないと思います。ただイランの人々は「民主化=欧米化」とはな
らない「何かユニークなもの」を打ち立てて「自分たちの誇り」を見つけたいので
しょう。アナクロニズムとしか言いようのない神権政治はイヤだが、だからといって
欧米には屈したくないという心理です。

 アメリカの場合は、交渉するにしても敵対するにしても、そんなイランの人々の心
理の綾は理解できないに違いありません。自国の文化が至上だと自惚れている人間に
は、世界は見えないのです。この欄で何度かお話したように、CIAのスパイにして
も、NSAの盗聴設備にしても、とにかく「自国の価値観に縛られてしまったために、
外国のことが分からない焦り」が生んだ怪物だと言うしかありません。

 その意味で、戦後の日本という国は外交は国連中心の「全方位」で徹底し、一方で
商社を先頭に各メーカーが全世界の主要国に駐在員を派遣し、商品を売り込んだり、
原材料や部品を買い付けたり、あるいは製造拠点を作ったり、市場を開拓したり、正
に「民間ベース」で、「非軍事の経済活動」によって世界と関わってきたのです。

 アメリカが軍、スパイ、盗聴活動を中心に「遠くの危険を敬して遠ざける」姿勢を
中心に世界と関わってきたのだとすれば、日本が経済活動を軸に、各国の社会に「平
時の関わり」を深く結んできたことは誇りに思わなくてはなりません。

 ですが、日本の海外進出にも問題がないわけではありません。その一つは、自分た
ちのやり方を変えずに、相手の国に持ち込んでしまうことです。例えば経営のシステ
ムがそうです。私の近所の住む債券のディーラーは、たまたま日系の銀行に勤めてい
るのですが、「上司がクルクル変わるし、そもそも債券のことが分かる上司がきたた
めしがない」といつもボヤいています。

 彼は私の顔を見るたびに「日本文化はミステリアスだ。一から教えてくれ」と愚痴
の相手を求めてくるのですが、内容を聞くと「一日中会議に出させられるんだが、そ
の内容がオレの職務に関係ないし、そもそも低レベルのセレモニー的な報告会ばかり」
とか「運用方法に関してテクニカルに詰めた意見を持っていっても、リスクは取れな
いの一点張りでいつも却下される」というような「いかにも」といった話なのです。

 私はひたすらに聞き役に徹しながら「それは日本の金融が保守的だからなんだ。製
造業はそんなことはないゾ」と言って、日本のメーカーの持っている合理性と革新性
を力説することにしていました。ところが、今回はそのメーカーの、しかも最大の成
功例のはずである北米トヨタで、こともあろうに現地法人の社長がセクシャル・ハラ
スメント訴訟を受けて辞任に追い込まれたと聞いて、何ともガッカリさせられたもの
です。

 賠償金の要求額が高額であることなどから「GMの刺客では」とか「訴訟社会の悪
弊」というような印象を持つ人もあるかもしれません。あるいは「アメリカの文化を
甘く見た」という「危機管理」の問題という捉え方をしている人もあるでしょう。で
すが、私には原告の女性が在米期間の長い日本人女性だということから考えて、この
前社長には「日本的な上司と秘書の関係」という特殊なものをアメリカに持ち込んで、
安楽に仕事をしようという姿勢があった、そこに原因があるような印象を受けました。

 トヨタの場合は、在外の生産現場にも日本流の生産管理を持ち込んで、低コスト、
高品質の製品を追及し続けた、そこには国境を越えた経済合理性があると思います。
仕事の進め方が合理的で、適法であり、人間の常識に反していなければ、そうした点
はドンドンと外国に持ち込んでも良いと思います。

 ですが、そこに相手国を見下すような姿勢があったり、明らかに現在では人間の常
識に反することまで持ち込んで、そのくせ「自分たちのやり方は変えたくない」とい
う姿勢を貫いてしまっては、19世紀から20世紀の植民地主義と変わらないことに
なります。

 国境の越え方に問題があるのは、日米だけではありません。どの国にも特有の文化
がある以上、国境の外に出ていっても、その国の人間は自分の親しんだ文化の束縛か
ら100%は逃れられないからです。ですが、本当に顔の見える個人の誠意というよ
うなものは必ず国境を越えてゆく、そんなことも言えるのではないでしょうか。

 今週末は、ヤンキースの松井秀喜選手の左手首骨折というショッキングなニュース
が、NYの街を駆け巡りました。事故から一夜明けた12日の金曜日は、各新聞が大
きく取り上げたばかりか、NYローカルのTVやラジオも、このニュースで持ちきり
でした。

「WBCを辞退し、日本野球の栄光ある日に参加することを我慢してまで、ヤンキー
スの全国優勝に賭けていたマツイを襲ったなんという悲劇」(NYタイムス)

「ファンの皆さん、とにかくパニックにならないでください」(WFANラジオ)

「今夜、ヤンキースはマツイ抜きで、アスレチックスを迎え撃たねばならない」(ヤ
ンキースのHPより)

と各メディアともに、松井選手の存在感の大きさを示すような反応です。それは、単
に戦力としての松井選手の存在が大きかっただけではありません。この大都市の気難
しく短気な人々にも、その誠実な人柄が伝わっているからだと思います。12日の金
曜日、松井選手は午前中に手術を受けたのですが、その間もWFANやWCBSなど
のラジオは、ひっきりなしに「松井懸念報道」を続けていました。

 そして午後になって手術成功、完治は可能で、全治3ヶ月という報道が流れると、
キャスター達は一様にほっとした気分になっていました。ここでは国境はどこかへ消
えてしまったようです。少なくとも「高給取りの外国人助っ人が戦線離脱」というよ
うな皮肉なニュアンスはどこにもありません。松井秀喜という人格が見事に国境を消
して見せている、そう言って良いのでしょう。一日も早い回復を祈らずにはいられま
せん。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家。米ラトガース大学講師。1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学
大学院(修士)卒。著書に『9・11(セプテンバー・イレブンス) あの日からア
メリカ人の心はどう変わったか』(小学館)『メジャーリーグの愛され方』(NHK出
版)<http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140881496/jmm05-22> 最新訳に
『チャター 〜全世界盗聴網が監視するテロと日常』(NHK出版)がある。
<http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140810769/jmm05-22>
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                   まぐまぐ: 15,221部
                   melma! : 8,677部
                   発行部数:128,653部(8月1日現在)
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【発行】 有限会社 村上龍事務所
【編集】 村上龍
【WEB】   http://ryumurakami.jmm.co.jp/
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