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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu117.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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肥大した欲望に結局ソ連のシステムが対応できなくなって
壊れていった。中国も同じ理由で崩壊してゆくのだろう。
2006年4月13日 木曜日
◆「国家の崩壊」佐藤優X宮崎学対談
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=998046948X
◆4月2日 『国家の崩壊(にんげん出版)』刊行記念講演会 三省堂本店
http://www.miyazakimanabu.com/lecture/000172.php
(前略)
佐藤
結論からいうと、同質のものを持っている。しかし私が見る限り小泉さんは新自由主義的と新保守主義的の二つの軸足がある。図式的に整理すると新自由主義的な流れというのは、竹中平蔵さんや堀江貴文さん。新保守主義的なものというのは靖国参拝になどの伝統的なものにこだわる要素。ゴルバチョフもその両方の要素があった。
例えば人類共通の価値、グローバルスタンダードそれから欧州共通の家というような発想、 新思考外交はこういう新自由主義と同じような普遍主義的な傾向である。それと同時に復古主義的というか保守的な伝統を使うということではゴルバチョフは教会の復権をしてる。そこのところは小泉さんの靖国へのこだわりに似ているかもしれない。
ただ、ゴルバチョフは新自由主義や資本主義にしようとは考えてはいなかった。彼は明らかに世界革命を考えていた。実は世界革命という考え方はプロレタリアートによって全世界で社会主義、共産主義の体制を作って行こうということであるから、一つの普遍主義的な考え方になる。ロシアというのはその普遍主義と、私はユーラシア主義と言っていますが、ユーラシアとアジアに関わるところにあるロシアという内向きの自己完結した大東亜共栄圏にも似た共栄圏の中にいるという発想。これが交代で出てくる。
最初レーニン、トロツキーがロシア革命をやったとき「全世界でプロレタリアート革命が出来るんだ、 遅れたロシアから始まってもそれは必ずヨーロッパに波及して全世界の社会主義革命になる」と思った。 あのスターリンも初期はレーニンやトロツキーと同じ考えですがマルクスレーニン主義を表では使ってるんですが、実際にはユーラシア主義の地勢学論者で大東亜共栄圏に近いようなユーラシア共栄圏の思想を持っていた。その共栄圏の思想によってナチスドイツに打ち勝つわけですよね。
その後スターリンの時代が終わってフルシチョフが出たときに、フルシチョフはソ連の科学技術をもってすれば、やはり世界革命は出来ると思った。平和的共存という形であれば必ずソ連陣営が勝つと。しかし結論に走りますが、ブレジネフという非常に頭のいい奴がいたんです。
ブレジネフは気づいたんですね「西側と共通の価値観を持って、西側の市場原理みたいなものがソ連に入ってしまうと、 人間の欲望というのは無限に膨れてしまう。欲望が膨れだしたらそれは止めることはできない。だから欲望を抑えないといけない。 そのためには外界と遮断しなくてはいけないんだ」ということで、またユーラシア共栄圏を作った。
ロシア人の共産党幹部が「欲望」を説明してくれたんです。 「フルシチョフというのは世界革命を考えたんだけど、ブレジネフは本当に頭が良かったんだ」と。「アイスクリームを見てごらん、今モスクワで人気の31アイスがあるよな、アイスクリームを31種類も食いたいか?そもそも我々の国はアイスクリームはチョコレートでコーティングしたエスキモーとスタカンチクというカップに入ったアイスだった。十分うまい‐(確かにうまいんです)‐それにチョコレートが載っていればいいんだ。
それで欲望が満足されてたんだけども人為的な欲望というものがコマーシャルによって作られて、みんな31種類のアイスが欲しくなってしまった。今まで我々はラジカセを持っていればそれ以上欲しいものはなかった。ところがミュージックコンポが欲しくなる。あるいは映画館に行けばいいのにビデオが欲しくなる。 欲望というのは無限に拡がって来る。それには絶対に追いつかない。
ブレジネフはむしろ国境は閉鎖してしまったほうが良いと考え、それで円環をなすような社会を作ればよいと考えた。佐藤さん、エコロジーという観点から考えれば、あのソ連のシステムというは結構良かったんじゃないか。人間の欲望というは思想によってしか抑えられないといううイデオロギーを考えた。ブレジネフは反体制派を銃殺にしたか?」
(中略)
そこでゴルバチョフに戻すと、こんなオイルマネーが入ってきて国民が仕事をするふりをする。実際は全然仕事しない。国家は給料を払ったふりをするんだけど実際にはそれでは全然物が買えない。そういうような情況ではまずいと。なぜまずいかと「そんなことだったら我々の国家は競争に負けてしまって、革命で勝てない」から。ゴルバチョフは真剣に革命を考えたと私は見ています。
その時彼は一つの方法を考えたわけですね。共産主義革命でコミンテルンみたいな形で各共産党をモスクワから操って革命しようとしても失敗したと。失敗したことは繰り返しても意味はない。そこで何を考えたかというと、共産主義と社会民主主義は一緒であると。欧州共通の家というのは基本的には社会民主主義者と共産主義者というのは一緒なんだという形にして、西欧社会主義革命を考えたと私は見ているんです。
ここは普遍主義的な原理なんです。ところが西欧社会主義革命をしようとして国境を開いてこの競争であれば我々は勝つと、このまま核軍拡競争をしているならば人類は偶発戦争で滅びるかもしれないという理屈は正しいんです。
その理屈でいけば必ず西側はソ連になびいて、社会民主主義は勝利し、社会主義社会ができると思ったら、それと同時に市場経済が入ってきちゃった。それによって、ソ連国民の欲望が無限に肥大しちゃったんですね。それで肥大した欲望に結局ソ連のシステムが対応できなくなって壊れていったと。大きな図式だとそういう風に見てます。 (中略)
宮崎
余談になるが日本のシステムの問題について少し話すと、実はこの間ヒューザーの耐震構造偽造事件の取材をし、そうした時に国交省の役人の問題に突き当るわけなんです。国交省の役人が2-3年前に法改正を行って民間検査機関というものを作る。これが「民営化」で、建築確認の申請書類のいわゆる検査済書をそこが提出するようになっていくわけで大半は今回のヒューザーの問題でのERIという民間の検査機関があるんですが50%を超える人たちが天下りである。
つまり天下りが良いか悪いかという問題は別にして、「日本に建っている建物というのは地震が来れば倒れる可能性がある。壊れた場合に許可を与えていた役所が当然責任を問われる可能性がある。その責任を問われないようにするため、尚且つ自分達の天下り先を確保しておくためには民間にしたほうがいい」ということで、つまりは民営化というのは支配体制の再構築に過ぎないわけである。
尚且つ再構築するにあたって役人に責任が来ないようにしていき、最終的に民間の検査機関が許可を下ろした建物が壊れた場合「民間の検査機関がけしからん。厳罰に処すべきである」ということで今国会で法律が改正されると。しかしながらその根本にあった国交省の役人達は絶対にその責任を問われることのないようなシステムをつくる。尚且つ民営化という形によって生まれてくる新たな利権的なものは全部自分達が頂く。
「おいしいところは全部食べる。ただしお金は払わない」というような形は非常に似ているし、 むしろ日本のほうがソ連共産党官僚とソ連の政府の関係などより、より一元的な官僚支配みたいなところがあるように思われるんですね。
(私のコメント)
ソ連の崩壊については研究されているようで意外とあまり研究されていない。ソ連の崩壊過程を研究すれば、中国がこれからどのように崩壊して行くかの資料になるだろう。東欧とソ連の共産主義が崩壊したのだから、アジアの共産主義も続いて崩壊するのかと思ったら、中国はとりあえず改革開放政策で崩壊を食い止めた。
しかし、沿岸部の大都市はビルが立ち並び経済発展して欲望の不満の爆発は防ぎましたが、取り残された大陸奥地の農村は暴動が頻発するようになった。中国政府は大陸奥地の開発も進めようとしていますが、交通などのインフラ整備が思うように進まず、経済発展から取り残されてしまった。
共産主義体制をそのままにして、経済は資本主義を大胆に取り入れましたが、強大な共産主義官僚組織と新自由主義的な資本主義が両立できるものだろうか。まったく両極端の対立するイデオロギーが並立した状態は、都市部の支配階級と農村部の被支配階級が出来た社会はいずれ対立が激化して、第二次文化大革命が起きるのではないかと思う。
ソ連のブレジネフはユーラシア共栄圏を作って、外界と遮断した国家を作って国民の欲望の肥大化を防いで、国家を維持しようと努めた。現在の北朝鮮がそれに一番近い体制国家ですが、ビデオやDVDや携帯電話などが入り込んで、外界との遮断は難しくなってきている。結局はソ連は西側の価値観が入り込んできて鉄のカーテンは崩れ去った。
共産主義では肥大化する人間の欲望は満たせないと分かったからですが、中国では改革開放で開発独裁体制で欲望を満たさせる事をしていますが、共産主義のエリートたちが外資と組んで大金持ちになり、新自由主義的な金銭万能主義と独裁体制とが融合している。東南アジアでもよく見られた光景ですが一部の特権階級だけが豊かな生活を謳歌している。
このような体制は共産主義や社会主義とは矛盾する体制なのですが、独裁体制がそれを可能にしている。だから中国が崩壊する時とは独裁体制が緩んだ時ですが、独裁体制を守るためには巨大な警察組織や軍事組織が必要だから、巨大な官僚国家になる。一人の国民を監視するために一人の警察官が必要となる管理国家だ。
中国ではインターネットを監視するためにも数万人もの監視官がおり、有害なサイトを閉鎖して監視していますが、こんな非効率な国家はない。個人の欲望と言う個人的な問題をブレジネフのように外界と遮断して欲望を持たないようにしたり、有害なサイトを見ないように国家がネットを監視するような無駄な事をしていては国家が持つはずがない。
佐藤氏が指摘するように共産主義と社会民主主義とは似ているようでいてまったく異なるものだ。共産主義とは結局のところ独裁体制の事であり、発展途上国には向いた体制である。しかし社会民主主義は西欧に見られるような、民主主義と社会主義とが合わさったもので、成熟した資本主義国家のものだ。
その意味では日本は一番進んだ社会主義国であり民主主義国家ですが、アメリカ仕込の竹中平蔵が市場原理主義を持ち込んで日本の社会主義を壊そうとしている。アメリカは明治大正の頃の野蛮な遅れた資本主義国であり、会社は資本家のものであるとする資本原理主義国家だ。しかし会社が資本家よりも従業員のものでもあるとするのが日本の資本主義だ。会社が資本家のものとするとホリエモンのような反社会主義的な人間が出来てくる。
資本家は会社を商品のように売ったり買ったりしてマネーゲームにうつつをぬかして、これではアメリカのように会社は疲弊して海外に移転するか潰れるかして、国家的には巨額な貿易赤字を出すようになる。やはり会社は従業員のものと言う民主主義的な運営でないと従業員も働かなくなる。中国はアメリカの悪いところを真似て市場原理主義を採りりれているが、労働争議が頻発するようになるだろう。
しかし社会民主主義もある程度は競争原理を働かせないと非効率になり、特に終身雇用や年功序列も行過ぎれば日本のお役所のようになり、無能な経営者が会社を経営するようになる。そうなると社会にも活気がなくなり経済も停滞してくるようになる。それを打開するには規制緩和したり外資を導入する事も一つの手ですが、手加減が難しい。
規制緩和したり規制したりは官僚の仕事ですが、公平無私な倫理観が必要であり、共産主義国家のような特権官僚になってしまうと官僚独裁国家になってしまう。それを防ぐには国民の監視が必要であり、そのために民主主義で選ばれた政治家がいるのですが、独裁国家はそれがないから官僚の腐敗は止められない。だから中国のような国は腐敗が激しく先はないのだ。
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