★阿修羅♪ > アジア5 > 797.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.rian-japan.com/news/details.php?p=360&more=1
19:12
今日の話題
R.プラジャンとS.コツバ記者発
「ロシア・ノーボスチ通信社」の記者センターで1時間半継続した記者会見で、ロシア連邦資源有効利用監視局(ロスプリロドナドゾール)副局長オレグ・ミトヴォーリ(40才)は、本日、「ロシア連邦天然資源相ユーリー・トルトネフは、「サハリン-2」プロジェクトの開発第2段階の遂行に対し肯定的な環境上の結論を出していた2003年付けの同省の古い指令を取り消した」と発表した。
取り消しの根拠となったのは、イギリス・オランダ合弁会社Royal Dutch Shell(55%)と日本の三井物産(25%)と三菱商事(20%)が参加する共同プロジェクトの技術経済根拠資料の国家環境鑑定結果に対して疑義を抱いたロシア総検察庁からの抗議であった。
ミトヴォーリは、感情を込めてこの決定へのコメントと、決定の真の理由を挙げながら、「サハリン・エネルギー」社は我々の政府から石油とガスの採掘に対する許可を得たもので、ロシアの自然を破壊する許可は誰からも得ていない」とした。
彼は、このような重大な決定の隠された真相の裏にはロシアが生産分与協定にもとづき獲得する利益の指数を増大させるかあるいは共同投資家の一角にロシアの企業も含める方向で見直そうとするロシア側の思惑が見え隠れするとの非難を排斥した。
自然保護を求めての闘いでは誰とも妥協しない点で有名なロシアの役人は、現在の姿で「サハリン-2」プロジェクトの遂行者である「サハリン・エネルギー」の活動は、島の自然環境に取り返しのつかない損害を与え、「他項目にわたるロシア法の直接的な違反者になっている」ことの証明事実を数多く引用した。
振り返れば、ロスプリロドナドゾ―ルの検査は建設作業地区の木材破壊の事実の発見から始まった。確認された損害総額は1100万ドルに達し、しかも、ロシアの法律では、木材破壊額が50万ルーブルを超えると刑事責任が問われることになっている。
さらにもう1つ引用すべき例がある。パイプ敷設の際にアニワ湾の底から持ち上げられた土壌の投棄が、環境学者が要求する70km南ではなく、まさにこの浅瀬の湾で行なわれた。その結果、「この湾は事実上死んでしまった」としている。自然が破壊されたことは明らかで、2つの地元の漁労会社が建設者から、裁判所の決定が出る前に、法廷外の手順で保障を受取っていた。
枯渇しているのは、ミンタイ魚、マス、建設中のパイプラインが交差する多くの河川を産卵に向かう魚だけではない。国際自然保護同盟のレッドブックに記載される希少価値の高い数百のコククジラの群れも大きな危険にさらされている。彼らは自分の遊泳の地を失い、建設作業の際発生する120デシベル以上の騒音で根絶している。
「我々は、サハリン-2を完全に停止することを目的にしているわけではない。サハリン2遂行の活動がロシアの法律と国際的な自然保護規準の枠内で行なわれることを願うのだ」とミトヴォーリ次長は語る。現在、このプロジェクトは近代的投資という口実で廃れた技術を輸入する典型的な例となっているので、如何なる批判に耳に入らない。現在導入されているパイプライン敷設方法は、その方法ではパイプは何らの保護もなく、土石河床に設置されるが、自然を破壊するだけでなく、将来不可避の事故を引き起こす脅威がある。
記者会見に出席した世界自然保護基金(WWF)のロシア部長のイーゴリ・チェスチンも、パイプラインは地震発生の可能性の高い19地域と30の河川を通過するので、このような条件でパイプラインが敷設すれば将来の事故は本当に避けられないと主張している。
記者会見の最後に、出席者はロシアの天然資源保護のためあらゆる努力を講ずる必要性があるとの結論に達した。自然、それは全地球、どの国にとっても共通のものだ。自然に対する犯罪はどの文明国でも刑法で罰せられる。
この日にノーボスチ通信社の記者で少し前に意見を述べた国際問題下院委員会議長のコンスタンチン・コサチェフもこの点を指摘していた。
彼は、「サハリン-2」プロジェクトに関するロスプリロドナドゾールの一連の活動の中には政治的思惑は全く見られず、「プロジェクトの環境的要素に対するクレームが実際にある存在する以上、この問題の解決はロスプリロドナドゾールの権限下にある。この政府機関の立場はプロジェクト参加会社全員が尊敬すべきなのである」としている。
コサチェフは、さらに、「ロシア自身、ロシアの国家及び政府機関に、ロシア領内で遂行されるあらゆるプロジェクトの環境の清潔を要求する権利が帰属する」ことを指摘した。
コサチェフは、日本の政治家とジャーナリストにこの問題で情緒的に昂揚せず、本私的な問題審議の枠内に留まるよう呼び掛けた。
先に、天然資源相ユーリー・トルトネフは、斉藤泰雄駐ロ大使との面談の際、日本側に、プロジェクト遂行の過程での自然保護法違反の証拠となる写真資料を提出した。トルトネフは、プロジェクト実現から参加者が得る資金はすべての作業を環境要求を遵守して行なうのに十分であるということに注意を向けさせた。