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中国、北朝鮮大使に初の米国通任命 中朝血盟にひび入れか
SEPTEMBER 09, 2006 06:15
中国が、北朝鮮はもちろん韓半島関連部署の経験が一度もない「米国通」外交官を、北朝鮮大使に任命し、注目を集めている。
胡錦涛・中国国家主席は、劉曉明(50)甘肅省省長条理(副省長のすぐ下)を新しい北朝鮮大使に任命したと、官営新華社通信など中国マスコミが7日、一斉に報じた。
▲韓半島と縁全くない「米国通」〓劉新大使は、その経歴からして韓半島と全く縁のない米国通だ。中国が米国専門家を北朝鮮大使で派遣するのは初めてのこと。
1983年に米国タフス大学フレッチャ法律外交学院で修士学位を受けた劉大使は、一貫して外務省本部の北米大洋州局で米国担当をしたり駐米大使館で勤務してきた。
米国と無関係な部門で勤めたのは甘肅省で勤務した2年7ヵ月と、外務省機関党校にいた4ヵ月、エジプト大使を務めた2年1ヵ月が全部だ。
それに劉大使は、韓国戦争以後に生まれた世代では初めての大使となる。武東和、王国章、万永祥、喬宗淮など1930、40年代に生まれ、中朝両国の密月を経験していた以前の大使たちとは北朝鮮に対する感覚が変わってくるはずだ。
▲対北朝鮮「ニンジン」外交に見切りか〓中国が、このように徹底的な米国通を北朝鮮大使に任命した背景については、中国外交の核心事案のひとつである北朝鮮の核とミサイル問題を新しい角度から取り組むための布石だ、という分析が一般的だ。
すなわち、米中関係と中朝関係を同時に重視していた中国が、今後は米国との関係を主軸にして、その延長線で北朝鮮問題に向き合うという意味が含まれているという分析だ。したがって、社会主義同盟国であると同時に「血盟関係」と言われた中朝関係に、今後は変化が現れるだろうという見方が出ている。
先進国入りまでは、あと数十年間の安定した高速成長が求められる中国としては、北朝鮮核問題の解決においても、世界最大の経済大国で軍事大国である米国の要求を無視したり拒否するのは難しい。結局、北朝鮮に「ニンジン」だけを与えてきた中国が、これからは「ニンジン」だけでなく、「ムチ」を取る可能性も次第に高まっているのだ。
香港の文匯報も劉大使の任命を伝えながら、「これから中国が対北朝鮮外交を全面的に変えることを意味する」と解釈した。
▲金総書記の訪中はどうなる?〓最初、劉大使は今週内に平壌に赴任すると見られていたが、中国マスコミは同日、任命事実を伝えながら赴任時期については明らかにしなかった。
劉大使の赴任時期に関心が集まるのは、中国指導部が劉大使を通じて北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の中国訪問を招待する親書を持たせる可能性があるからだ。
秦剛外務省報道官も7日の定例ブリーフィングで、以前とは違って中国と北朝鮮の相互訪問の伝統を強調し、その可能性を裏付けた。
しかし北京の外交街では、相対国の信任状も受けていない大使が最高指導者の招請親書を持参するのは、外交慣例上当たらないという指摘も出ている。
中国は最近、北朝鮮との関係修復と6者協議再開のためのメッセージを、北朝鮮に引き続き送っており、劉大使がどんな形ででも一定の役割を果たすだろう、との見方が支配的だ。