★阿修羅♪ > アジア5 > 596.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□【社説】いまだ左派・民族理念から抜け出せない韓国の歴史教科書 [朝鮮日報]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2403782/detail?rd
【社説】いまだ左派・民族理念から抜け出せない韓国の歴史教科書
上海市が秋の新学期から使われる中学校・高校の歴史教科書の改訂版から毛沢東と社会主義革命を大幅に減らす代わりにビル・ゲイツやIT革命を詳細に紹介する方向に内容を変えたという。
高校の教科書では、中国で社会主義革命の父とたたえられてきた毛沢東ですらたった1回出てくるだけで、社会主義革命についての解説は、52単元のうちの1単元にとどまった。
フランス革命やボルシェビキ革命、大長征といった歴史的事件は中学校の教科書で簡略に扱うにとどまり、JPモルガンやニューヨーク証券取引所、宇宙往復船、新幹線(高速列車)、産業革命や情報革命など資本主義色の濃い内容を新たに追加した。
西洋の帝国主義国による侵略や反帝国主義闘争を強調した民族主義色もさほど目立たないものとなった。イデオロギーや民族の代わりに、グローバリズムや現実主義を強調する方向で、歴史教科書を再編したことになる。
今回の措置は、古い理念にとらわれた歴史教科書では、生徒が歩むべき新しい時代に備えることができないと判断したためだという。
社会主義国である中国が、こうして左派イデオロギーや「わが民族同士」の神話と距離を置き始めているのにもかかわらず、韓国の歴史教科書は相変わらず「理念」のくびきから逃れられないでいる。
高校の近現代史教科書の内容を見ると、「親米右派が勢力を伸ばしたために民族自主勢力は行き詰まり、李承晩(イ・スンマン)の韓国単独政権が樹立されたことが分断の固定化を招いた」という1980年代の学生運動の歴史観がそのまま受け継がれている。
そして「南側だけの政府が成立したことは、統一民族国家の樹立が失敗に終わったことを意味した」とし、大韓民国建国の意味を矮小(わいしょう)化した教科書が最もよく売れているのが現状だ。
歴史学者の重鎮、崔文衡(チェ・ムンヒョン)漢陽大名誉教授はあるセミナーで「韓国の高校の近現代史教科書は民族統一指向の民衆主義・民族主義に陥っている。感傷的な民族主義と民衆至上主義に陶酔するあまり、国益までないがしろにされるのではないかと心配だ」と話した。
韓国の教科書が、韓半島(朝鮮半島)の運命に決定的な影響を及ぼした列強国の国際関係についての分析なしに、甲午農民戦争(東学党の乱)や義兵抗争(独立闘争)のような民衆運動だけを強調しているため、国が滅びた原因すらまともに教えられないでいるという。このままでは社会主義国の中国から中学校・高校の歴史教科書を輸入しなければならない事態に至るのではないかとすら考えさせられる。
いっそう目まぐるしく移り変わる今の世界の中で、大韓民国だけが過去をさまよっている。
2006年09月04日07時08分