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http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/07/07/20060707000003.html
【社説】韓国政府・国民の内面に生じた「安全保障の穴」(朝鮮日報)
北朝鮮が5日未明の3時32分に最初のミサイルを発射したという報告を、日本の首相が受けたのは午前4時だった。一方、韓国の大統領は午前5時に最初の報告を受けた。
日本では午前5時に関係閣僚による緊急対策会議が召集され、韓国で同様の会議が開かれたのは2時間後の午前7時だった。また、日本では首相主宰の国家安全保障会議が7時30分に開かれたが、韓国で大統領主催の安保関係長官会議が開かれたのは午前11時だった。
北朝鮮のミサイル発射に対する韓国政府の対応は、最初の段階から日本政府より1時間後れを取った。そしてその後れは後になるほど広がった。国家首脳が総合的な意志決定をした時点を比べると、韓国は日本より3時間半も遅れていた。
政府は大統領への報告が遅れた理由について「ノドンミサイルとスカッドミサイルの発射は大統領報告事項ではないので、テポドンミサイルが発射された直後に報告した」と説明した。
北朝鮮のミサイル発射の兆候は、先月末から米国大統領が各国首脳10人余りと直接通話して話し合いを持つほど、国際的に緊迫した懸案となっていた。
政府の話では、北朝鮮が実際にミサイルを発射したものの、それが大陸間弾道ミサイルのテポドンでなく、それより射程距離が短いノドン・スカッドだったため、大統領を起こさなかったということになる。なんとも理解し難い人々だ。
テポドンミサイルの射程距離は米国にまで達し、ノドンミサイルは日本まで達するものである一方、スカッドミサイルは韓国を標的とするものと考えられている。
それなのに韓国を標的とするミサイルが発射されたことは大統領に報告せず、米国を標的としたミサイルが発射されたときにだけ大統領に報告するとは、いったいどういう話だろうか。
北朝鮮はミサイル発射前に北朝鮮船舶に対してミサイル着弾海域への出入りを禁止した。政府が万一こうした情報を事前に入手していたにもかかわらず、国民に知らせなかったとすれば、これは深刻な職務放棄だ。
国家レベルの危機が発生した際、迅速な情報を提供して国民の生命や財産が守られるよう助けるべきであるテレビ局の対応も、やはり韓日両国で対照的な様相を見せた。
日本の公営放送NHKがミサイル発射のニュースを最初に報道したのは4時29分だった。韓国では民営放送のSBSが4時59分で最も早く、公営放送の MBCは5時6分、KBSは5時27分に報道した。最近になってその非常識ぶりが取りざたされているKBSとはいえ、国営放送の対応がここまでずさんだとはあきれかえるばかりだ。
もしもまったく事情を知らない外国人が韓国・日本の政府やテレビ局の北朝鮮ミサイル発射への対応を同時に目にしたとしたら、何を思っただろうか。おそらく北朝鮮と休戦ラインを挟んで100万の軍人が対立している当事国は日本で、海のかなたで高みの見物を決め込んでいる国が韓国だと錯覚したのではないか。
政府がこの調子なので、国民もそれに染まってしまうしかない。
日本国民は「ミサイルがいつ頭の上に落ちるか分からないので、冷や冷やしている」状況だが、韓国民は淡々としている。淡々としているというより、無関心というのが正確な表現かもしれない。
北朝鮮は絶対韓国にはミサイルを発射しないと固く信じているからだろうか。あるいは「わが民族同士」の協調を強調してきた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に洗脳されてしまったのだろうか。それでなければ、どうしようもできないという自暴自棄的な心情の表れなのか。
自国の危機に対してこれほど無関心な政府、無関心な国民は世界のどこにも見当たらないだろう。
大統領は、北朝鮮がミサイルを発射してから24時間が経つのに、まだ何のコメントも発表していない。大統領府の関係者は「大統領が直接乗り出せば、国民の不安感をあおってしまうことになるため」と説明する。
今、本当に心配すべきなのは、政府と国民が自らに迫った危機を人ごとのように見ている、その安保不感症であるにもかかわらずだ。まるで国のど真ん中に、ぽっかりと穴があいてしまったかのようだ。
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竹島問題では激しく日本に噛み付く韓国メディアだが、今回の北朝鮮ミサイル問題では客観報道が目立つ。朝鮮日報も、北の脅威をスルーして来た自国の状況を冷静に分析しているように思う。