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2006年7月5日(水)
各新聞一面下段のコラム、朝日新聞「天声人語」、読売新聞「編集手帳」、毎日新聞「余録」、日本経済新聞「春秋」、産経新聞「産経抄」、東京新聞「筆洗」に、中田英寿選手の事が書かれている。そして多くが中田選手の引退宣言の見出しにあった「人生とは旅であり、旅とは人生である」を引用している。それぞれの新聞がその趣旨をしっかり受け止め、心に響く記述になっている。全国紙が打ち合わせでもしたかの様に扱うだけでも、中田英寿選手の重みを感じるものだ。改めて中田選手の潔さ、サムライ精神に、寂しさの中に大きな光明を得た思いである。中田選手よ、感動と勇気をありがとう。あなたの勇姿を日本人はわすれないと、メッセージを送りたい。それに引き替え、日銀総裁はどうなっているのかと考えると、気分は複雑である。
北朝鮮ミサイル発射。朝6時、テレビのスイッチを入れると、ショッキングなニュースでいっぺんに目が覚める。私は今回のこのやり方を「弱者の恫喝」と思う。更に裏を返せば、「対話へのシグナル」とも取っていいのではと考える。麻生外相は記者会見で「平壌宣言違反だ」と言及したが、それならば平壌宣言の凍結、破棄も視野に入れるべきである。経済制裁をよく言うが、実効の実があがらなければ意味がない。北朝鮮にとって本当にダメージになるならいいが、逆に肩すかしにあってしまっては何にもならない。韓国、中国と北朝鮮との関係も十分踏まえた上で、よく検討する事である。
いずれにしろ、北朝鮮のこのやり方は国際社会の理解を得られるものでない。外務官僚の基礎体力が試される今回の出来事であり、これからどう打って出るのか、外務官僚の能力が試される。情報分析はどうなっているか。アメリカ頼みでいいのか。よりレベルの高いインテリジェンスが必要とされていると、危惧するものである。
7時50分羽田発で釧路へ。市内挨拶廻りをし、各種行事に出席。夕方は地元記者さんと懇談する。
2006年7月6日(木)
北朝鮮が7発のミサイルを発射したが、何を考えているのかと言いたい。昨日のムネオ日記に、私は今回の北朝鮮の行為は「弱者の恫喝」、更には「対話へのシグナル」と書いたが、私は既に昨年、月刊日本9月号に「平壌宣言破棄を視野に入れよ」と指摘している。その部分を紹介したい。
「現在、北朝鮮に対して経済制裁を行えと主張する政治家や有識者がいるが、日本から欧州、中国を迂回して北朝鮮に流れるカネやモノの流れを阻止することはできない。また、経済制裁の実効性を担保するためには、北朝鮮と陸続きの中国、ロシア、韓国も同時に経済制裁に加わる必要があるが、現実としてそれは不可能だ。そのような状況下で日本が経済制裁に踏み切っても、北朝鮮のプロパガンダと中国の近視眼的反日戦術がシンクロして、却って日本が孤立する状況をつくられてしまう危険性すらある。
過去3〜4年、特に昨年11月、サンチアゴAPEC首脳会議以後の日本外交は、外務官僚の不作為の集積により、日本が正しい主張をしても、それが国際社会から受け入れられないのみならず、逆に日本が包囲されるような状況が作り出されている。このような状況に陥らないように、政治家、マスメディア、国民が外務官僚の言動を厳しくウオッチし続ける必要がある。
経済制裁をしても北朝鮮が持ちこたえると、日本国内で『何をやっても無駄だ』という諦め感が強まる。このような心理戦で北朝鮮に敗れると、正当な主張をしている日本が追い込まれてしまう危険すらある。
外交の世界は、真実を主張していれば、それがそのまま理解されるというような甘い世界ではない。
それでは日本としては、どのようなカードを切ればよいのだろうか。いちばん大きなカードを切ることだ。
平壌宣言の破棄を宣言する。平壌宣言をわかりやすい言葉で言えば、『北朝鮮が拉致問題を解決し、大量破壊兵器(核兵器・ミサイルなど)の開発と拡散を放棄することを約束すれば、日本がカネを出す』という取り引き外交だ。
拉致問題解決の目処が立たず、また六カ国協議も頓挫し、北朝鮮が核兵器開発を継続する蓋然性が高まれば、経済支援の前提条件が崩れたという理由で日本が平壌宣言を破棄する。それで却って平壌宣言の歴史的意義は高まる。
平壌宣言までは北朝鮮は拉致カード、核カードを最大限に活用して、具体的には両問題については公式には否定しつつ、裏で可能性について示唆するというやり方で日本からできるだけ多くの成果を引き出そうとした。
しかし、一旦、拉致と核開発の事実を北朝鮮が認めてしまった以上、平壌宣言を廃棄することによって日本が追加的に失うものはない。この冷徹な認識から出発する。
平壌宣言破棄という激しい措置をとると日朝国交正常化交渉が決裂し、東北アジア地域情勢が不安定になることを心配する向きもあるが、北朝鮮は『弱者の恫喝』外交も潜在力を使い果たしつつあるので、これ以上北朝鮮が暴れても地域情勢に与える影響は限定的だ。
圧力をかけるときは、事前に国際的に通用する論理、つまり拉致問題と大量破壊兵器の拡散阻止という平壌宣言の条件が担保されないことが明白になれば、日本は平壌宣言の破棄も視野に入れるということを説明し、時限を切る。その先は外交交渉責任者の胆力だ。外務官僚がもっと胆力をつけるように政治、国民からも応援する必要があろう。」
(「月刊日本」平成17年9月号 49頁〜50頁)
私なりに先を見据えて外務官僚を叱咤激励したつもりだったが、全く生かされなかった事は残念である。これからも北朝鮮の動きをよくチェックして行かなくてはならない。
福岡ソフトバンクホークスの王貞治監督が胃の腫瘍摘出の為、入院手術すると記者会見されたが、私も胃ガンの手術をした者として、王監督の気持ちは痛いほどわかる。私は手術の為、平成15年11月の選挙出馬を断念したが、王監督もこの時期にグランドを離れるのは辛い事だろう。とにかく一日も早く回復して、元気な王監督のユニフォーム姿を見たいものである。ご全快を心から祈りたい。
14時45分女満別空港発で上京。議員会館に入り、お客さん対応。夜はマスコミ関係者と懇談。世界情勢、サミット、北朝鮮の問題等、多岐に渡りお話を承る。
http://www.muneo.gr.jp/html/diary200607.html