★阿修羅♪ > アジア5 > 238.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
フィリピンは戒厳令の一歩手前に来ているようです。ノルウェー政府の仲介で進んでいた和平交渉を放棄したアロヨ政権の選択は、米日比軍事一体化路線によるものではないか。日本にとっても他所事と見過ごせない事態です。
以下、ML“[wtongo][00780] 【フィリピン】ノルウェー政府「左派系活動家殺害がフィリピン和平を妨害」と比政府を人権侵害で批判”からの転載。
「対NPA(新人民軍)全面戦争」を宣言し「NPAを2年以内に壊滅させる」と表明したアロヨ政権。地元紙インクワイアラー紙(有力英字紙)は「全面戦争開戦前の現在でさえ、左派系活動家が毎週のように殺害され、軍・警察の事件関与が指摘されている。戦争が始まれば、殺害される活動家は今の数倍に達するだろう。」とこうした政府の戦争政策を人権侵害と結びつけながら強く批判しています。実際、後述するノルウェー政府の報告によれば、すでに今年に入ってからの殺害件数は、昨年を50%上回っているとのこと。
こうしたアロヨ政権に対して、比内戦の和平交渉仲介役のノルウェー政府が「左派系活動家殺害がフィリピン和平を妨害」と比政府を批判する声明を発表したというニュースです(日刊ベリタ紙による。リード部分のみ紹介。本文前文は購読してお読みください)。
日本政府は、フィリピンでの人権侵害に対して「沈黙」を守っていますが(「黙認」していると言うべきか)、7月23日の「日比友好50周年」記念式典参加のため小泉首相がフィリピンを訪問、「友好関係」を打ち固めるそうですが、こんな「内戦状態」に近い国に行き、人権侵害について国際NGOや米国務省からも批判されているアロヨ政権とどのような「友好関係」を強化しようというのでしょうか?
今回のノルウェー政府の公式な「人権侵害」に対する批判声明を見るにつけ、日本政府の援助・外交政策の中にいかに「人権」基準が欠落しているのか痛感させられますし、ビルマや東ティモールで繰り返されたことがまだ行われていると感じざるを得ません。
京都では23日に向けて、「日比友好50周年(マルコス疑惑20周年)」を問い直す緊急シンポジウムをNGO関係者の間で準備中ですが、日比関係を「人権」の観点から徹底検証していきたいと考えています。詳細はおってご紹介いたしますが、ご協力をお願いします。
なお、「対NPA全面戦争」について、日刊ベリタ紙(まにら新聞)の記事では、「アロヨ大統領は十六日にNPA掃討強化のため、軍・警察に二〇〇五年予算の余剰金計十億ペソを拠出すると発表し、その際、デフェンサー大統領首席補佐官は「二年間でNPAを壊滅する」と語っていた。」のに対して、「クルス国防長官は十九日、国軍本部で記者団に対し、「比全土での比共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)壊滅には六―十年を要する」と語った。」と16日に「2年間で壊滅」、19日に「5−10年で壊滅」と発言の修正がなされたことになっていますが、複数のNGO関係者から「順番が逆ではないか」と指摘されました。現地紙を追っている方、この間の経過と最新の発言などお教えいただけると助かります。
(以下、日刊ベリタ紙より抜粋)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200607010130316
2006年07月01日掲載
左派系活動家殺害など人権侵害がフィリピン和平を妨害 仲介のノルウェー政府が指摘
【マニラ新聞30日特約】フィリピン共産党(CPP)の統一戦線組織、民族民主戦線(NDF)と比政府の和平交渉の仲介役を務めるノルウェー政府はこのほど、比国内で多発する左派系活動家殺害など人権侵害が和平交渉再開の障害となっていると表明した。NDFは、2人の拉致が比政府による一連の左派系弾圧策の一環と断定し、厳しく非難した。NDFと比政府の和平交渉は2005年9月から中断している。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200606201509472
2006年06月20日掲載
比の新人民軍壊滅には6ー10年と国防長官
【マニラ新聞特約20日】フィリピンのクルス国防長官は十九日、国軍本部で記者団に対し、「比全土での比共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)壊滅には六―十年を要する」と語った。政府はこのほどNPAを「二年以内に壊滅させる」と宣言しており、同長官発言はこれを修正する形となった。