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上海協力機構 中国存在感強める エネルギー争奪戦、中央アジアで主導権
【上海=野口東秀】中国の胡錦濤国家主席は15日、上海で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で演説、加盟6カ国に加え、インド、モンゴルなど4カ国がオブザーバーとして加わったことを積極的に評価し、同機構の影響力を国際社会でさらに高める構えを示した。中央アジアが米中露によるエネルギー争奪戦の主戦場の色彩を強めるなか、胡主席は、中国が同機構をフルに利用し、主導権を握る姿勢を鮮明にした。
中央アジアの加盟国の中で最大の資源国カザフスタンへの中国の投資はすでにロシアを上回っており、今年5月下旬には両国間の新設の石油パイプラインが稼働。今月8日には固定電話最大手の中国電信がカザフに進出した。中央アジア各国との通信ネットワークを広げる狙いだ。
ロシア軍基地の拡充などロシアとの関係強化を明言するキルギスとは、9日、首脳会議を前に胡主席がバキエフ大統領と会談、経済協力の強化で合意した。
中国はイランなど中東の石油をパキスタンの港から中国西部に輸送するルートの開設構想ももっている。イランもパキスタンも上海協力機構のオブザーバーであり、中国のエネルギー戦略にとって同機構は重要な役割を果たすことになりそうだ。
中国は上海協力機構の枠組みの中で、ロシアとの関係も強化している。昨年8月には大規模な中露合同演習も実施した。同機構を米国に対する牽制(けんせい)に利用したいという点で中露の思惑は一致する。
しかし“呉越同舟”という側面も見逃すことはできない。ロシア側は、形骸(けいがい)化した独立国家共同体(CIS)に代わる新たな枠組みとして同機構を活用。グルジアなど親欧米派のCIS諸国ブロックへの「対抗軸」とする考えもあるようだ。
中国の関係者は「ロシアは中印にエネルギーを供給することに関して戦略を描いている」とロシアへの警戒感も示している。中国が中央アジア諸国への影響力を拡大すれば、中国に対するロシアの警戒感が高まるのも必至だ。
◇
【上海協力機構首脳会議参加国】
■加盟国
中国(胡錦濤国家主席)
ロシア(プーチン大統領)
カザフスタン(ナザルバエフ大統領)
キルギス(バキエフ大統領)
タジキスタン(ラフモノフ大統領)
ウズベキスタン(カリモフ大統領)
■オブザーバー国
モンゴル(エンフバヤル大統領)
イラン(アフマディネジャド大統領)
インド(デオラ石油天然ガス相)
パキスタン(ムシャラフ大統領)
■ゲスト国
アフガニスタン(カルザイ大統領)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/16int001.htm