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【国際面】2006年06月14日(水曜日)付
反米連携を狙うイラン 上海協力機構、あす首脳会議
【上海=安東建】イランのアフマディネジャド大統領が15日に上海で開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議にオブザーバーとして出席する。核開発問題で欧米から包括提案に対する回答を迫られるなか、中国の胡錦涛国家主席とも会談し、ウラン濃縮活動継続の支持を求めるとみられる。イランが望む正式加盟への道は不透明だが、ロシアを交えた「反米ブロック」の形成が長期的な視野にある。
上海協力機構の加盟国とオブザーバー
●中国などと関係強化
「イランの大統領出席で、首脳会議の重みは一段と増す」
創設5周年の節目の会議への参加の意義を、同国外務省のアセフィ報道官は11日、そう強調した。
アフマディネジャド大統領がイスラム圏以外の国を訪問するのは、就任直後の昨年9月に国連総会での演説のため、米国の土を踏んで以来だ。
核問題で米欧が経済制裁への圧力を強めるなか一貫して中国、ロシアの同機構主要国が抵抗している。特に、中国は、イランにとって原油輸出相手国として最大の日本と肩を並べるほどに急成長している。
04年からはヤダバラン油田の開発や、天然ガス供給など総額1千億ドルを超す大型プロジェクトの交渉が続く。テヘランの石油関係者は、投資額が大きすぎて中国側が採算を疑問視し、実際には交渉は進んでいないとするが、イラン側はメディアを通じて「契約締結は間近」と進展ぶりを強調している。アフマディネジャド大統領にとって、契約が成立すれば、核問題で中国を取り込み、同時に巨額の石油収入が転がり込む一石二鳥となる。
国営イラン通信は、上海協力機構の張徳広事務局長が7日、イランのオブザーバー参加に対する米国の批判に「イランはテロを支援していない」と反論したことを大々的に伝えた。
新華社通信、イタル・タス通信は4月に、モハンマディ外務次官の発言として、イランが今夏にも同機構への正式加盟を求める意向を表明したと伝えた。正式加盟が今回の首脳会議で議論となるかどうかは明確ではないが、原油確認埋蔵量で世界第2位で、中央アジアに隣り合う地政学的な位置を最大限に生かし、中国との関係強化に努めるのは間違いない。
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◆キーワード
〈上海協力機構〉 ソ連崩壊後の地域の信頼醸成などを目的に、中国が96年、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンに呼びかけて上海で首脳会議を開催した。以後、毎年会議を開き、「上海ファイブ」と呼ばれた。
会議は目的を対テロ協調などにも拡大。01年6月にはウズベキスタンが加盟して「機構」に格上げされた。
http://www.asahi.com/paper/international.html