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北朝鮮情勢異常あり  【行政調査新聞】
http://www.asyura2.com/0601/asia5/msg/117.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 6 月 08 日 19:32:05: ogcGl0q1DMbpk
 

http://www.gyouseinews.com/international/jun2006/001.html


変化の予兆
  米・中・露3国の微妙な動静 その狭間で日本はどう生きる?(6月7日)

北朝鮮情勢異常あり

 隣国・北朝鮮の情勢は絶えず「異常あり」状態で、真実は見えてこない。とくに日本の巨大マス・メディアからは何も見えてこないのが現状だ。その不透明な北朝鮮事情を中心に、いま世界がどう動いているのかを考えてみたい。

 5月の連休終了直後に米側から「北朝鮮がミサイル発射準備をしている」との情報が流れてきた。北朝鮮の東海岸、咸鏡北道舞水端里にあるミサイル基地に巨大ミサイルが登場したというものだ。新型テポドンと見られるこのミサイルは、一般には「テポドン2」という名で呼ばれている。

 以前に打ち上げられたテポドン(北朝鮮は宇宙ロケット光明1号と呼ぶ)は射程が1500キロ程度のもの。これは22メートルの発射台から打ち上げられた。今回、舞水端里のミサイル基地に登場した発射台は33メートルもあり、恐らく射程5〜6000キロの新型テポドンだと想像できる。

 この新型テポドンが「2号」なのか「3号」なのか、はたまたそれが「東大阪宇宙開発協同組合」が開発したSOHLA1号(通称まいど1号)の改良型なのかは議論の分かれるところだが、問題は何より、何のためにこの時期に北朝鮮が大型ミサイルを引きずり出してきたかである。

 新型テポドンが地上に姿を現したという情報で、日本の防衛庁・自衛隊には緊張が走り、海自のトレース艦が急遽日本海に派遣を予定するなど緊迫は続いた。だが北朝鮮側はミサイルに燃料を注入する作業には入らない。燃料注入には1週間程度が見込まれており、自衛隊側も艦艇を派遣するか否かでジリジリとした時を過ごしたと思われる。だが5月中旬になると米側から「在日米軍基地を中心としたテロ攻撃の可能性がある」との情報が流れ、またまた防衛庁は大騒ぎとなっていた。

 拉致被害者の横田めぐみさんの夫が、韓国から拉致された金英男さんではないかとの情報が流れ、多くのマスコミによるとDNA鑑定の結果99%の確率で金英男さんが横田めぐみさんの夫(キム・ヘギョンさんの父親)だと報道した。この情報に乗って、拉致問題に対する日韓連携の動きが表面化し、北朝鮮がこれを嫌って、威嚇のミサイル発射騒動が起きたのではないかとの観測も流れた。

 だがここで、一つお断りしておきたい。横田めぐみさんの夫が金英男さんであることがまるで真実のように語られているが、その可能性はゼロに近い。それは本紙だけが考えていることではなく、日本の諜報機関のほぼ全員が確信していることである。

 かつて日本のメディアの前に横田めぐみさんの娘キム・ヘギョンさんが姿を現しインタビューに答えている。そのときのキム・ヘギョンさんは、ブランド品で身を包み、言葉も態度も極めて余裕のある上流家庭のお嬢さんの姿だった。人間を観察する能力に長けたあらゆる諜報機関の者ならば誰にでも理解できることだが、あのキム・ヘギョンさんの態度は1カ月やそこらの訓練で身につくものではない。彼女は幼い頃からブランド品で身を固め、言葉、仕種、立ち振る舞い……すべてが超一流家庭で育った雰囲気を醸しだしていた。北朝鮮という国で、そのような家庭環境を有するということは、韓国人の亭主が作った家庭である筈がないのだ。

 だが、キム・ヘギョンさんと金英男さんのDNA鑑定は99%の確率で父子だと語っている。これは何なのか? 答えは2つしか考えられない。1つは鑑定が正しいこと。もう1つは鑑定に嘘があることだ。

 十数年前に北朝鮮の高官が日本政府関係者に興味深い情報を流しており、その内容は一部でも報道されている。その内容とは――。「共和国(北朝鮮)にやってきた日本人女性が恋をして結婚し、子供を1人生みました。だが子供を出産後間もなく、夫婦の間に問題が生じて彼女は離婚したのです。離婚した彼女は日本に帰りたがっています」――この話は十数年前のものだ。そしてキム・ヘギョンさんはいま十八歳になっている。

 話題は変わる。韓国と北朝鮮を結ぶ連結鉄道の計画が頓挫してしまった。

  京義線と東海線を結ぶ、道路と鉄道の連結構想は、南北間の非武装地帯での地雷撤去作業により正常化するものだが、5月初旬に地雷撤去作業が中断してしまった。これは北朝鮮側の発表によると、軍事境界線(MDL)を越える南北相互検証に関して、国連軍と北朝鮮軍との間に意見対立が起きたためと説明されている。

 そして5月24日、ついに北朝鮮は、南北鉄道・道路連結を無期限に延期すると公表したのだ。

 しかしこれは極めて重要なことである。南北連結鉄道の推進者は他ならぬ金正日将軍様である。どのような事情にしろ、将軍様が推進する計画を軍部が無期限延期を決定したのだ。金正日王朝の求心力が低下していると観測する情報通が多くなってきたのは、こうした事情による。

 さらに。中国が租借することを前提として、北朝鮮・豆満江流域の羅津港の改修工事が行われていた。もちろん費用は中国負担だ。ところが5月初旬に中国はこの改修工事から撤退を表明。中国から持ち込んだ重機を初めすべての工事機器、工作機械を引き上げてしまったのだ。

 これだけではない。昨年10月に中国の胡錦濤首席が訪朝した際に視察した大安友誼ガラス工場も、中国からの原材料配給が停止され完全ストップ。明らかに中国は北朝鮮に強力な圧力をかけている。いや北朝鮮からの撤退すら考えているのかもしれない。

 中国は基本的には北朝鮮を属国と見なしている。だからときに、お灸をすえることもあるのだが、今回の態度はお灸と言うには酷すぎる。金正日を見限ったとも見てとれる態度である。中国北京政府は金正日を引退させ、息子の金正男を後継者にしたいと考えているようだが、その時期が近づいている可能性も否定できない。

 金正日はもともと中国嫌いで通っている。米国の圧力で中国との取引に使用していたマカオのバンコデルタ・アジア銀行の北朝鮮口座が閉鎖されたうえ、中国北京政府から見限られたら、当然ながらロシアや米国に救いの手を求めるだろう。強大国の狭間にありながら堂々と生き延びてきた北朝鮮の外交駆け引きは、なお生きていると言ってよい。

 燃料不足のため数年間操業停止だった北朝鮮の勝利化学工場が5月から突如操業を開始している。ロシアが北朝鮮に石油の供給を開始したためと見られている。
 
  こうした状況のなか、最近、ロシア発の「横田めぐみさん情報」がしきりに流布されている。「横田めぐみさんは生きている」「彼女の姿を平壌で見かけた」「彼女は北朝鮮国家中枢に最も近いところにいる」等々。いったいこれは何を意味するのだろうか。

 5月末に40名の随員と共に来日したプリマコフの動向が気にかかるところだ。プリマコフは5月30日には小泉純一郎首相、森前首相、中川(秀)などと秘密会談を行ったことが判明しているが、その他、鈴木宗男や安倍、福田とも会談を行っている。そんな状況下、一部に「金正日が亡命する」との情報が流れ、アンダーグラウンドの情報通は右往左往していたようだ。ただし金正日亡命や金正日死亡の情報は毎月1回程度の割である話だから、今回が特別なものだとは言えない。

 さらに5月22日、AP通信の映像子会社の「APテレビジョン・ニュース(APTN)」が北朝鮮の平壌に常駐支局を持つと発表された。西側の報道機関として初めて、北朝鮮に支局が誕生したわけだ。これは何を意味するのだろうか――。単純に考えると、金正日が目論んできた「米朝秘密回路」が機能を開始したと読めるのだが……。

 こうしたあらゆる状況は、世界がいま大混乱を目前に、巨大国家がそれぞれの思惑で足掻き始めたということを意味している。ちなみに小泉純一郎首相は国会の会期延長に否定的だと発言しているが、それは残る任期期間中は外交問題に専念するという意思表示だと考えられる。

 6月から夏にかけて、米国、中国、ロシアは懸命な下工作を続けることだろう。激変の衝撃が日本を襲うのは、小泉純一郎退陣からどれほど先のことなのだろうか。

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