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よくわかる 韓国政治・社会情勢
平成１８年（２００６）５月１８日（木曜日） 第１１３号
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ハンナラ党圧勝ムード続く中で、鄭東泳ウリ党議長ヤケクソ発言
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盧武鉉政権下、最後の大型選挙である５・３１統一地方選挙まであと２週間を残すだけとなったが、ハンナラ党圧勝というトレンドは固まる一方だ。
エース・康錦実（カン・クムシル）元法務長官の出馬で圧勝ムードだったソウル市長選挙も、ハンナラ党の秘密兵器・呉世勲（オ・セフン）前議員の登場で、一挙にウリ党惨敗ムードに急変した。
注目の１６の広域地方自治体首長選挙でも、与党の敗色が濃厚だ。
大田市、全羅北道を除いて１４の選挙区で野党が席捲する勢いだ（ハンナラ党１２、民主党２）。
前回２００２年の統一地方選挙では、盧武鉉民主党次期大統領候補者が率いる与党が、やはり記録的な惨敗を喫したが、今回はそれを上回る与党の惨敗で終わりそうな雰囲気だ。
与党は、竹島（独島）問題で国民の目を日本に向けさせ、局面の打開を図る常套手段に出たが、まったく功を奏しなかった。
保守・進歩ががっぷり四つで対立する“反米”と違って、“反日”は韓国の国論だ。決して争点にはならない。
むしろ、ハンナラ党の支持層である慶尚南北道や、低学歴低所得層のほうが反日感情は激烈だ。
ウリ党万事休すといった状況の中で、鄭東泳（チョン・ドンヨン）ウリ党議長のヤケクソ発言が飛び出した。
ウリ党最高委員会議に出席した鄭東泳議長だが、「今回の選挙では、公認をめぐる金のやりとりなどが全国的に行われており、当選者のすべてが腐敗した人物である可能性が大きい。選挙後に特別監査を実施して、腐敗した当選者をすべて追放するつもりだ」と言ってのけた。
あたかも、５・３１選挙の当選者が、すべてハンナラ党であることを前提にしたようなヤケクソ発言だ。
ヤケクソ発言の翌日は、記者団を相手にしんみりと「どうして政治家なんかやっているのだろうか」と吐露するなど、敗戦を達観したかのような最近の鄭東泳議長だ。
心はすでに選挙後の一手に向いているといっても過言ではないようだ。
一方、ハンナラ党の李在五（イ・ジェオ）院内総務は「今の状況は、ハンナラ党が全面的に支持されている結果だと思ったら大間違い。つねに深い反省が必要だ」と記者団相手に自省の言葉だ。
呉世勲ソウル市長候補の身障者蔑視発言、安サンス仁川市長候補のセクハラ擁護発言など、圧勝ムードの中で、たがの緩みが見えてきた党内を引き締める意図もあろうが、本音は朴槿惠代表に対する牽制に違いない。
本来は党代表と一心同体でなければならない党院内総務だが、李在五院内総務は李明博ソウル市長派の大番頭格だ。もともと左翼政党である民衆党の出身だ。
朴槿惠代表の父親である朴正熙大統領の時代に受けた拷問で、今も顔の筋肉が麻痺する。
朴槿惠代表を「独裁者の娘」と罵倒したこともある。
予想通り５・３１選挙でハンナラ党が圧勝した場合は、朴槿惠代表が次期大統領候補の座に大きく近づく。
「あんたが支持されたわけではないよ」と、布石を打ったのが今回の発言とみたほうがよい。
政局はすでに与党ウリ党惨敗、野党ハンナラ党圧勝を前提に動き出しているようだ。
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