★阿修羅♪ > アジア4 > 606.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
以下 http://ch.kitaguni.tv/u/1411/%a5%a2%a5%b8%a5%a2%b1%c7%b2%e8/%c6%fc%cb%dc%b1%c7%b2%e8/0000355405.html から転載。
「伝えられなかった戦争 第4部」の上映会があることを知り、見に行った。
鋭い視点の作品だった。
日本は戦後「第二の侵略」をしているというのだ。
--------------------------------------------------------------------------------
1985年の「プラザ合意」で円高が容認され、日本の企業は海外に生産の拠点を移し始めた。
安い労働力を求めて。
アジア各国は、日本の企業に来てもらいたい。そこで、税金を安くした。また、日本国内の環境基準よりもずっと甘くしたのだ。
ODA(政府開発援助)で日本は、海外に道路や港湾などを作った。
ところが、現地に住む人たちに何をもたらしたのか。
「現地の人たちの雇用を創出した」だから、日本はいいことをした。
実はこれは、物事の部分しかとらえていない考え方なのだ。
実際には、強制退去を命じられた先住民が数多くいたのだ。退去に応じなければ、軍隊を使って、集落を破壊されたり、殺されたりした。
よく、日本の「護憲派」が「日本は、第二次世界大戦後、戦争によって誰一人として海外の人たちを殺してはいない。これは憲法9条の成果だ」といった主張をしているのを耳にする。
しかし、実際には「戦争によって」は殺していないけれど、間接的に殺しているのだ。
日本の企業がアジアの国々に進出しやすいように、現地の国々では軍隊を使って、先住民を殺している。
日本の企業は、アジアの国々が設定した、緩い環境基準の下、公害を引き起こしている。そして、公害のとばっちりを受けた、現地の人たちに対しては、補償をあまり行わない。
そして、現地の人たちを安い賃金で使う。現地の人たちが労働組合を作ることを禁じようとする。労組を作ろうとすると、幹部が殺されることがかなりある。訴訟を起こせば、当事者や、訴状を受理した裁判官は身の危険にさらされるのだ。
ある訴訟では、原告(現地の住民)が何人も殺された。環境の基準値をもっと厳しくするように求めた訴訟だった。受理した裁判官も、身柄を拘束された。これでは、公正な裁判はできない。そこで、民衆たちは大規模なデモを続け、勝訴をしたのだ。
ところが、環境の基準がきつくなったら、日本企業にとっては、コストがかかる。そこで、企業は現地から撤退したのだ。後に残った、公害のとばっちりを受けた人たちはほったらかしである。
以上は、フィリピンのミンダナオ島で起こっていることである。
イスラム教とキリスト教の勢力の紛争が数百年間にわたって断続的に続いている。
しかし、その本質は、宗教紛争ではないのだ。
資本家が、先住民たちを攻撃して追い出して、富を手に入れようとする。
それが戦後になっても続いている。ミンダナオ島の70%の土地は、海外の企業がおさえているのだ。
ところが、このドキュメンタリー映画で描かれているようなことは、日本のメディアは一切報道しない。それは、日本の企業を批判することにつながり、また、ODA(政府開発援助)を否定する見解が述べられているからである。
この映画の監督は、第2作でフィリピンを取材し、ODAに対する批判を行ったために、映画撮影機材を持って入国できなくなってしまったのだ。ビザを発給しないのだ。だから、家庭用ビデオカメラで第4作を撮ったと言われていた。
日本は、自らの手を汚さずに、アジア各国の人たちを殺しているのだ。
これが、もし、憲法が改正されて、軍隊を持てるようになり、海外派兵を積極的にできるようになったら、自国の利益のためにもっと海外の人たちを殺す可能性が大きくなる。
投稿者:Jun Rajini at 03:51