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中央事件対策ニュース bQ9 2013年5月30日 日本国民救援会中央本部 |
■袴田事件
味噌漬実験の証人尋問
「5点の衣類」は捏造の疑い強まる
袴田事件では、事件発生から1年2カ月後に味噌タンクから血痕が付着した「5点の衣類」が見つかり、当初のパジャマからこの「5点の衣類」が犯行着衣と認定されています。弁護団は、第1次再審請求でも「5点の衣類」の発見経過などから捏造の疑いを指摘していました。これに対して、第1次再審請求で東京高裁は決定の中で、「(5点の)衣類が味噌タンクに1年余りも漬かっていたような状態は一朝一夕にはできるとは思われない」と、弁護団の主張を退けました。
この日の証人尋問で山崎さんは、「5点の衣類」と同種の衣類を味噌漬け、衣類や付着した血痕の変色具合を実験したが、結果は「証拠とされている『5点の衣類』と同じものは短時間でつくり出せる」と、証言しました。第2次再審請求審で裁判所の勧告によって開示された46年前のカラー写真でも白い衣類は白色で、緑色のブリーフは本当に味噌に漬かっていたのかと思うほどに鮮やかな緑色をしています。
弁護団は、審問後の記者会見で「犯行着衣に重大な疑問があることを明らかにできた」と、あらためて捜査機関による証拠の捏造の可能性を強調しました。
これに対して、検察官からは衣類の生地や味噌の成分の違いなどについて反対尋問が行われたようです。
村山裁判長、検察に証拠開示を示唆と事実調べを続行!
また、この日の事実調べ終了後に3者(裁判所、弁護団、検察)協議が行われ、今後の審理についても以下の点が決定されました。次回6月28日(金)には、検察が申請していた捜査段階で押収された袴田さんのベルトの証拠調べを行い、7月26日(金)には、弁護側が「5点の衣類」に関する新証拠として提出している「澤渡鑑定意見書」について、澤渡千枝静岡大学教授(繊維など研究)の証人尋問を行うことが決定されました。
証拠開示については、村山裁判長から検察官に対して、前回の3者協議で検察が提出した63通の未提出供述証拠リストにある証拠を提出するように準備を進めてほしいと、積極的な発言があったことを弁護団が記者会見で明らかにしました。
この日、静岡地裁、静岡地検に対して地元の支援団体と国民救援会、再審・えん罪事件全国連絡会が共同して要請行動を行いました。国民救援会は、全国から集めた署名3,252名分を提出し、累計で3万名を超えました。
袴田巌さんの再審開始にむけて、引き続きすべての証拠の開示と徹底した事実調べを行うように裁判所、検察への要請行動、署名を集中することが求められています。
東京家裁がお姉さんの袴田秀子さんの成人後見人申立を却下!
24日、弁護団は、東京家庭裁判所が袴田巌さんの成人後見人が姉の秀子さんになることに申立を却下したことを記者会見で明らかにしました。
現在、秀子さんは後見人より代理権が限定される保佐人となっています。秀子さんと弁護団は、袴田巌さんが認知症の疑いがあり、正常な判断ができないとして東京家庭裁判所に成人後見人を申立てていました。
弁護団によると、東京家裁は「袴田巌さんの精神鑑定をすることがでない」として却下。さらに弁護団が東京家裁に釈明を求めると鑑定人を2回東京拘置所に派遣したが、袴田さんから拒否されたそうです。弁護団は、DNA型鑑定の際には医務室で行った経緯もあるので、同様の鑑定方法を要請したが受け入れなかったとして、東京拘置所と東京家裁の不当な対応に強く抗議するとともに、東京高裁に即時抗告を行う方針を明らかにしました。
■名張事件
映画「約束」を見て、国民救援会へ相次ぐ入会
最高裁への緊急ハガキを集中しよう。
「組織強化期間ニュース」でも紹介されているように、映画「約束」見て各地で国民救援会への入会や署名の協力が広がっています。現在上映中の宮城県の仙台の映画館で鑑賞した方からのメールで入会の報告が届きました。「『約束』の映画を観ました。仲代達矢の命を賭けた演技に感動しました。それにしてもこれだけ証拠が揃っているのに、強要された自白のみで、再審の道が開けないことに強い憤りを感じます。この映画の成功と無実の奥西さんの救援活動を応援していきたいです。映画館で偶然であった友人も救援会に入ってくれました」
その他にも多くの感想文が寄せられています。いくつか紹介します。
はぁー、涙、涙、涙、そして怒りも(司法に対して)
どうして再審で戦わないのでしょうか?無罪判決がこわいのでしょう!!素人から見ても、えん罪だと思います。
本当に、奥西勝さんが拘置所から出られる事を願います。 56歳 女性 I・E
◆ 自分が生まれる前の事件で冤罪であることを初めて知りました。足利事件の無罪報道を知っていたので妥当な証拠があれば再審が行われるものと思っていました。映画にあったように裁判官の出世欲や保身のために再審が棄却される現状は間違っていると思います。(福島の事故の様に)裁判官も“人間は間違いを起こす”というスタンスで望むべきべきではないかと思いました。権力の前で一個人がどれほど無力かも知りました。樹木さんもおっしゃっていましたが、私達は(自白した)奥西さんの立場にも、犯罪者として差別をしてしまった村の人達の立場にしてもなる可能性があると感じました。権力のある人々が示した情報を鵜呑みにせず自身で情報を集める、そして世代を超えて間違いを正す信念を持つことが大事だと考えました。映画を作って頂きありがとうございます。その日のお昼まで、今日が自分の死ぬ日かも知れないと思いながら生きる。耐え続けている奥西さんに、言葉がみつかりません。 38歳 女性 A・Y
◆ドキュメンタリーと、名優の援護で、「真実とは何か」にせまるすばらしい作品です。奥西さんが自由の身になられることを、切に望みます。
映画を通じて奥西さんとの出会いに感謝します。 51歳 男性 K・K
埼玉=名張高校OBの方から協力したいとの電話
5月22日、埼玉在住で、埼玉・深谷シネマで映画「約束」を鑑賞した方から中央本部に電話ありました。電話の内容は以下のとおりです。
「三重県の名張高校の出身で、大変感銘を受けた。ちょうど高校の同級生たちと会う機会があったので、同級生に署名を届け、映画の話をした。みんな地元・名張の話なので関心が高く、『その映画は今も観れるのか。どこで観れるだろう』と話題になった」とお話をされ、首都圏の上映スケジュールを尋ねられました。公式サイトの公開劇場一覧と併せて首都圏のスケジュールをお知らせしました。ぜひ、奥西さんを助けたいので、頑張ってくださいと激励されました。
■東住吉冤罪事件
検察側の実験でも朴自白どおりの犯行は不可能!
5月29日、弁護団が記者会見で明らかにする
検察申請による燃焼実験は、5月27日(月)から三日間にわたって3回行われました。その結果を弁護団は、昨日5月29日(水)に記者会見で、詳細に報告しました。
報告によると、3回にわたる全ての実験において、7リットルのガソリンを撒き切るまでに、いずれもガソリン蒸気が風呂釜の種火に引火することが改めて明らかになりました。
弁護側実験の際には、約20秒前後で発火が認められましたが、今回の検察の実験においても1回目26秒、2回目21秒、3回目22秒といずれも広がった液体ガソリンの先端が車体の前方に及ぶ前に引火しました。検察が如何に弁明しようとも、検察自らの実験によっても、朴さんの自白どおりの放火行為は不可能であることが明確になりました。
この上は、検察に対しては「直ちに即時抗告を取り消すことが正義に叶うことである」同時に裁判所に対しては「ただちに即時抗告を棄却し、再審開始の扉を開け」との世論を大きく盛り上げることが求められています。
大阪地裁は東住吉冤罪事件の再審請求審において、弁護人が実施した再現実験(新)の結果により、朴自白(ガソリン7リットルを撒いてライターで着火)の信用性に疑問が生じたとして、昨年3月7日、再審開始を決定しました。
しかしながら、その決定を不服として検察は即時抗告しました。大阪高裁において抗告審が行われてきましたが、検察側は弁護側の実験が、実際の火災状況を必ずしも正確に反映しているとは言えないとして、独自の火災実験をおこなうことを主張してきました。
無実の再審請求人である青木さん朴さんの気持ちを考え、裁判所が市民的常識をもって真摯に地裁決定を判断するならば、検察の即時抗告を一日も早く棄却することは可能だとの思いで、支援する会や国民救援会大阪府本部は三者協議を見守ってきましたが、大阪高裁は検察の主張を認め、予備実験を経て検察の行う3回にわたる本実験が実施されました。
弁護団は、今回の本実験を待つまでもなく、必ず弁護側の再現実験と結果において違いはないとの確信を持ちつつも、裁判所が公平・公正な判断をするためにと標榜し許可した一連の実験に同意、しかしながら、条件などに大幅な変更等が加えられることの無いようにすべての過程に同席して意見述べるとともに、本事件にも立ち会いました。
福井女子中学生殺人事件、大崎事件など再審開始の流れを食い止めようとする検察・裁判所の巻き返しを許さないためにも、東住吉冤罪事件の再審開始決定を確定させることは再審えん罪事件のたたかいを前進させる上で、極めて重要になっています。
支援する会や国民救援会大阪府本部は、近々に弁護団との協議の上、まずは検察への声をあげることを支援する会では予定しています。この協議を踏まえて、検察の即時抗告を棄却するよう運動を全国に提起をしますので、引き続き全国からのご支援をよろしくお願いします。
■鹿児島・大崎事件
5月27日、即時抗告審の第1回3者協議が開かれ
7月11日に原口アヤ子さんの尋問を決定!
5月27日(月)、福岡高裁宮崎支部で大崎事件の第2次再審請求・即時抗告審の第1回3者協議が開かれて、7月11日(木)に原口アヤ子さんの本人尋問を行うことが決定されました。
この日の協議では、弁護団から裁判所に対して鹿児島地裁の再審請求棄却決定の問題点を指摘するとともに、高裁宮崎支部では公正で慎重な審理をもとめました。具体的には、弁護団が提出した新証拠の事実調べと検察の手持ち訴訟の全面開示を強く求めました。
裁判所側からは、検察官に対して「弁護側の即時抗告書について、いつごろまでに意見書がだすのか」、「弁護側が主張している証拠開示請求に対する意見も述べてほしい。1審いらい問題になっているのだから回答ぐらいはできるだろう」と、注文が付けられました。これに対して、検察官は、「7月11日までに証拠開示の要求に対する意向をはっきりする」回答したことが、弁護団から報告がありました。
その他、3者協議終了後の弁護団の報告では、この間の即時抗告審にむけた支援運動の機敏な活動に対しても感謝され、引き続き裁判所を激励して支援活動を強めてほしいとの要望が出されました。
現在、宮崎県本部は大崎事件の再審をめざす会とともに、毎週定例市内の繁華街と裁判所前で宣伝活動を展開しています。5月に、ジュネーブで開かれた拷問禁止条約第2回日本審査への堀田孝一県本部事務局長を代表派遣するなど活発に支援活動をすすめています。
7月11日(木)にむけて大崎事件の署名も宮崎県本部に集中してください。
■JR山科京都駅間痴漢冤罪事件
大阪高裁も事実を無視した不当判決
大阪高裁(米山正明裁判長)は5月24日(金)、JR山科京都駅間痴漢冤罪事件の柿木浩和さんの控訴を棄却する不当判決を言い渡しました。
事件はJR東海道本線の車内で、柿木さんが女性のお尻を撫で上げる痴漢行為をおこなったとして、迷惑防止条例違反の罪に問われていたものです。1審京都地裁は罰金40万円の有罪判決。
大阪高裁は、控訴審で弁護団が提出した(京都地裁が約2・8m四方の空間に45人程度と認定した)電車内の混雑状況を再現したDVD映像について、再現性に欠けると切り捨て、1審同様、柿木さんが痴漢をしたのを現認したという警察官の変遷する証言は、後になって「記憶喚起することはおこりえる」としました。一方、一貫して犯行を否認している柿木さんの証言は信用できないと退けました。
法廷では柿木さんが裁判長に向かって「私はやっていません」ときっぱりと述べ、傍聴席からは「不当判決だ」と怒りの声があがりました。3人の裁判官は逃げるように法廷を後にしました。
柿木さんは、「無罪を信じて今日までたたかってきました。上告してたたかいます。ご支援をよろしくお願いします」と訴えました。
<抗議先>〒530−8521 大阪市北区西天満2−1−10
大阪高裁 裁判長米山正明 殿
なくせえん罪! 救おう無実の人々
関西市民集会PartYを成功させよう!
国民救援会の関西の各府県本部と冤罪事件の当事者、支援団体=「たんぽぽの会」が共催して、冤罪事件の実態を告発し、各事件の裁判闘争を支援する集会が6月15日(土)に大阪市内のクレオ大阪で開催されます。
本集会は、冤罪事件の当事者・家族が主体となって、それを国民救援会が全面的にバックアップする集会として定着し、今回で6回目を迎えます。
この集会には、関西近県の会員さんはもちろん、全国の冤罪事件の関係者も関西の経験に学ぼうと、参加者も増えています。連帯して集会を成功させましょう。
今後の主な事件の日程
6月 1日(土) 布川国賠裁判を支援する会第2回総会(東京・文京区民センター3C会議室)
6月 7日(金) 中央事件対策委員会(8日正午まで)
6月8日〜9日 第5回中央常任委員会
6月 8日(土) 「なくせ冤罪!市民評議会」の結成総会
(渋谷区立勤労福祉会館 「第1洋室」 午後1時〜)
〃 自衛隊の国民監視差止訴訟の勝利をめざす集会(宮城県民会館 13時半〜)
6月14日(金) 東京都議選公示
6月15日(土) 「なくせえん罪 救おう無実の人々 関西市民集会PartY」
(大阪市 クレオ大阪西ホール 午後1時〜
6月23日(日) 福井女子中学生殺人事件 最高裁で勝利をめざす集会(福井市文化会館)
〃 東京都議選投票
6月24日(月) 大阪・大阪市「思想調査」アンケート裁判第5回口頭弁論(大阪地裁午後4時)
6月26日(木) 名張事件最高裁独自要請行動(10時に最高裁)
〃 布川国賠裁判第2回口頭弁論(東京地裁103号法廷14時〜)
6月28日(金) 袴田事件第2次再審請求審事実調べ(静岡地裁13時半から)
7月 1日(月) 自衛隊国民監視差止訴訟(仙台高裁13時半〜)