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地震・津波原発の新安全基準骨子案 「活断層との共生可能」
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投稿者 やきとり 日時 2013 年 1 月 30 日 18:40:34: GfhHtT9OcD0u.

産経新聞 1月30日(水)7時55分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130130-00000128-san-soci

 ■科学的根拠失った規制を危惧

 原子力規制委員会が29日に骨子案をまとめた地震・津波に関する原発の新安全基準。活断層の真上に重要施設の設置を禁止したが、全国に約2千本あるといわれる活断層大国の日本では「耐震設計で活断層との共生は可能」との見方も出ている。科学者らは失われた科学技術への信頼回復を目指す一方で、安全を強調するあまり科学的根拠を失った規制がまかり通ることを危惧している。

 元文相で物理学者の有馬朗人氏は25日に都内で開かれたシンポジウムで、東日本大震災でも無事だった東北電力女川(おながわ)原発(宮城県)や東京電力福島第2原発(福島県)を取り上げ、「活断層があってもどうすれば安全が保たれるか研究開発を進めればよい」と、すでに公表されていた規制委の基準骨子案に懐疑的な見方を示した。

 日本では、原発に限らず高速道路や新幹線などの重要な施設は、活断層のある場所を完全に避けることは不可能だ。活断層といかに共存し、地震に耐える構造を持つことの方が現実的な対応といえるが、規制委は活断層の存在が疑われる原発に専門家調査団を派遣し、活断層があるかないかに焦点を当てている。

 こうした規制委の対応について、東京大の岡本孝司教授(原子炉工学)は「本当に重要なのは活断層かどうかということではなく、放射性物質が漏れるリスクがあるかどうかだ。だが、その議論がない」と指摘。その上で「規制委での議論は科学とはいえず、小説の世界だ」と断じた。

 規制委が組織する活断層などの専門家会合では、これまで原発の安全審査にかかわってきた研究者などを排除している。審議の公正中立性を保つという名目はあるが、その半面、排除されている研究者の科学的な知見を遠ざけることで、より深い議論ができていないという側面もある。

 首都大学東京の山崎晴雄教授(地震地質学)は「活断層が危ないというのは風評で、原発反対運動の口実として使われている」と指摘。山崎教授は平成7年の阪神淡路大震災の直後に行った現場調査で、断層上でも家屋が特に倒壊しているわけではないことを確認した。その上で「活断層が動いても原発が大きな災害とならないよう、工学的対応を進めなくてはならない」と提言している。(原子力取材班)

                   ◇

 ■「40万年前以降」は机上の空論?

 原子力規制委員会の新安全基準骨子案は、活断層の調査対象期間を「13万〜12万年前以降」から「約40万年前以降」へと範囲を拡大した。しかし、専門家からは「古い断層を判断することは困難」との声も出ており、基準が“机上の空論”にとどまる懸念もある。

 昭和53年策定の原発の耐震設計審査指針では、活断層を「5万年前以降」に動いた断層と定義。平成18年に「後期更新世(13万〜12万年前)以降」と変更された。

 今回「40万年前」となったのは、約40万年前以降は日本列島の地層にかかる力が現在と同じだからだ。島崎邦彦委員長代理は「活断層が繰り返し動く間隔は5万〜10万年で、十数万年を超えない」と指摘。「13万〜12万年前以降に動いていない断層は40万年前以降も動いていない」と証明できる。

 検討会メンバーである鈴木康弘・名古屋大教授(変動地形学)は「国際原子力機関(IAEA)が言っている数字よりも随分大きいということでやり過ぎではないかという意見もあるが、これまでの反省に基づきこうした定義が重要」と同調した。

 しかし専門家の間では「確実に断層の年代を断言できるのは13万〜12万年前が限界」という声がある。

 徳山英一・高知大海洋コア総合研究センター長(海洋地質学)は「40万年が何を意味しているか分からない。断層学が未熟な現状で、運用できるかは疑問だ」と指摘。日本活断層学会副会長の熊木洋太・専修大教授(変動地形学)も「13万年前は(気候が)暖かい年代なので、地層ははっきりした状態で残っている。それより前になると、正直言って分からない」と調査期間拡大に懐疑的だ。

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