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2012年5月30日 掲載 日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/geino/136819
「外食チェーンで週5日、パートで働き、知人のスナックを週3日、手伝ってます」
<亜子さん>
ピンク・レディー、キャンディーズが男の子を熱狂させた70年代半ば。可愛いお色気で人気だったのが3人組の「アパッチ」だ。「家族そろって歌合戦」「8時だョ!全員集合」などのバラエティーのアシスタント、といえば思い出す読者は多いだろう。きょう登場の亜子さんは「アコ」の芸名でセンターボーカルだった。今どうしているのか。
「浅草のマルベル堂さんから4月27日、単独ブロマイドを発売したんです。誰のって、ワタシのに決まってるじゃないですか、ハハハ。撮影は4月2日にマルベル堂さんでやったんですが、スタジオ撮りは36年ぶり。さすがに緊張しましたね」
都営新宿線船堀駅近くのカフェで会った亜子さん、こういって笑った。
単独ブロマイド? スタジオ撮り?
「順序立ててお話しすると、12年前、東京ガスのサラリーマンだった主人が大腸がんで死んじゃったんです。大恋愛の末の結婚だったでしょう。喪失感がものすごく大きくて、それから2年間はひとりで買い物にも行けないほど落ち込んでました」
その後、夫が亡くなった当時、中3と中1だった2人の息子も成長し、サラリーマンに。亜子さんも心身ともに立ち直った。
「で、これからの人生、ワタシの好きなことをしようと思ったんです。その第1弾がブロマイドの発売ってワケ。これをきっかけに芸能界に復帰して、着物やアクセサリーといった中高年をターゲットにした商品のモデルやイベントのお仕事ができたらな、って考えてます」
なるほど、「ほとんど現役時代と変わらない」というプロポーションは身長163センチでスリーサイズは82・60・83。世間の53歳のオバハンとはまるで違い、実に若々しい。
さて、宮城県女川町出身の亜子さんは日本テレビ音楽学院に在学中の18歳のとき、ミッチー、ヤッチンの2人とアイドルユニット「アパッチ」を結成。芸能界にデビューした。
「すぐに『ヒット’77ショッキング!ドッキング!』(日本テレビ)、『カックラキン大放送!!』(同)、『シャボン玉こんにちは』(TBS)、『家族そろって歌合戦』(同)などのマスコットガールや、アシスタントのレギュラーになりました。中でも『8時だョ!全員集合』(TBS)はキャンディーズさんたちと一緒で、楽しかったですね」
デビュー前は都内馬込のそば屋でバイトし、住まいは風呂なし・トイレ共同の6畳一間の安アパート。それがデビューを機に浅草にあった所属事務所社長宅に間借りするようになり、月給5万円になった。
「振り付けはピンク・レディーさんと同じ土居甫さん。開脚や蹴り上げが多い過激なものだったけど、恥ずかしいなんていってられない。毎日のレギュラーをこなすのが精いっぱいでした」
木之内みどり主演の映画「野球狂の詩」の主題歌「恋のブロックサイン」など7枚のシングルを発売。しかし、所属事務所の管理の厳しさに息苦しさを覚え、5年の契約満了とともに芸能界を去り、結婚。夫を亡くしてからは江戸川区内で義理の両親と同居し、2人の男の子を育てた。
「今は外食チェーンで週5日、パートで働き、知人のスナックを週3日、手伝ってます。人と接する仕事が好きなんですよ」