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ウィーン発「コンフィデンシャル」
ウィーンに居住する筆者が国連記者室から、ウィーンの街角から、国際政治にはじまって宗教、民族、日常の出来事までを思いつくままに書き送ります。
2010年02月13日06:00
北朝鮮最高指導者、金正日労働党総書記の68歳誕生祝賀会が11日午後5時半(現地時間)から駐オーストリアの北大使館内で開催された。
雪が降る中、オーストリア・北朝鮮友好協会のメンバーたち約30人が集まってきた。その中には、常連のオーストリア共産党系労組事務局長や共産党青年部出身者たち、友好協会会長代理のクナップ氏の姿が見られた。
午後6時半からは、貴賓ゲストだけが参加する祝賀会が別室で開かれた。そこには10人余りのVIPゲストが参加した。
ゲストの中で外交官は駐オーストリアの中国大使館参事官1人だけ。ハンガリーから2人のゲストがきたが、その職務は不明だ。
VIPゲストの中には多分、初参加と思われる初老の紳士がいた。オーストリア国立印刷所(Osterreichische Staatsdruckerei )のガウシュテラー総裁( Reinhart Gausterer)だ。北大使館前でVIPゲストの面々をチェックしていた当方は早速、総裁に話しかけてみた。
同総裁によると、国立印刷所は北朝鮮の注文で主に書籍を印刷してきたという。北朝鮮とオーストリア国立印刷所は久しくビジネス・パートナーという。
数年前、オーストリアで北朝鮮紙幣ウォンが印刷されているという情報が流れた。当方が「国立印刷所で北紙幣ウォンを印刷されているのですか」と単刀直入に聞くと、「自分の処ではしていない。ひょっとしたら、連邦中央銀行で印刷されているかもしれない」という。
欧州連合(EU)でユーロが導入されて以来、オーストリア中央銀行印刷局では操業を休む印刷機が増えた。そこで外国の注文で紙幣を印刷するビジネスが盛んになってきた。同国の紙幣印刷技術は非常に高水準で有名だ。
ところで、北朝鮮のドル札偽造も良く知られている。西側情報機関筋によると、同国は30年前から同国造幣局で偽造を開始したという。その際、印刷機械は日本、紙は香港、インクはフランスから密輸入したといわれてきたが、ひょっとしたら、オーストリアの高水準の印刷技術が北側に流れたのではないか、と考えていた(駐オーストリアの北朝鮮ビジネスマンが約15年前、独製の高速紙幣鑑識機を密輸入したことが発覚している)。
午後7時過ぎになると、ゲストたちが1人、1人、帰途に向かった。当方は総裁の「ウォン印刷」の話に心が奪われて、金総書記の68歳祝賀会のことをすっかり忘れていた。
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自国紙幣は外国で刷らせ、ドル紙幣は自国で刷っているなんて面白いね。