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"A CRIMINAL HISTORY OF MANKIND"(人類の犯罪的な歴史)。
「 イエス(キリスト)の容貌描写で最古の文献とされるヨセフスの文書では、イエスは、以下のように描写されているという(上巻82頁)。
……皮膚あさぐろく、背低く三キュービット(約153センチ)ほど、せむしで、顔長く、鼻長く、両の眉くっつきたり。髪の毛まばらで……あご髭ほとんどなし。
イエスが禿に近かったとは、初めて知った。後にキリスト教徒が、この文献のイエスの描写を書き換えてしまう。その結果、改竄されたヨセフスの歴史書の描写は後に絵画とかで一般的に知られる、イエス像の容貌に書き改められている。
ローマの歴史は、暗殺・謀略・殺戮に満ちていて、現代史にまでつながる戦争と暴力の歴史の原型をすべてつくった観がある。
ガリレオと教会の対立に関しては、一般に知られているように、教会側は必ずしも学問の妨害をしようとしたのではないことがわかる。教会がガリレオに求めたのは、証明がされていない地動説を奉じるのは公正でないから天動説と両論併記にせよ、ということだったそうだ。それに対してガリレオは、教会から刊行許可がもらえていない自著の許可証を偽造して本を刊行したので、裁判に呼び出されたそうだ。
下巻168頁、精神科医のジェームズ・ブラッセルは「殺人者は殺人を通じて大きな成熟へと進歩する」と述べたそうだ。その言葉に続いてボストンの絞殺魔デサルボの事例が取り上げられる。強い性欲はあるが、女性とまともに口も聞けない内気なデサルボは、女性をレイプして殺害するおそろしい連続殺人鬼になる。しかし、その過程で会ったやさしい少女に人間らしい感情を取り戻したのか、やがてレイプはしても殺人はしない犯罪者になり、SMプレーを楽しむだけになり、だんだんまともに女性とつきあえる男性に変わっていったという。にしても、精神科医の発言は無責任な気がするが。デサルボは逮捕され、刑務所内で刺殺されたという。」