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ペットと暴力団、横流し、獣医のモラル
何年か前のことだったか、札幌の獣医師が暴力団関係者にディスポーザー(使い捨ての注射器)と、輸液セットの横流しをやって警察に逮捕された事件がある。ペットと暴力団、あまり結びつかないような話だが。
暴力団関係者は、闘犬をやる。試合に出てケガをすると、必ず医者にかかる。闘犬はすごく金になるので大事にされている。何かといえば、すぐに病院に来るのだ。暴力団関係者の人は金払いはいいので、付き合うと損はない。負けた犬を「もう処分してくれ」と言って、殺処分代に30万も出したりする。付き合いが深くなると、入れ墨をいれたり、杯を下ろしてもらうとかモラルの低い獣医もなかにはいるという。
薬の横流しは獣医のいい小遣い稼ぎになる。犬のワクチン接種など、便検査から検診までやると、高いところで2万円くらいは取る。ブリーダーや、ペット業者など100頭単位で飼っているところでは、そんな金は払えない。どうするかというと獣医に原価プラスアルファーで売ってもらう。そうすれば、1本あたり2000〜3000円くらいで済むのだ。同時に注射器も売られる。
この横流しは当然のように行われていて、暴力団関係者とまでいかなくとも、ペットショップなどとの繋がりは、どんな獣医でもないほうがおかしいという。
ペットショップも良い犬だけを売っている訳ではない。遺伝的に間接がおかしい犬や、病気を持っている犬など売っている訳だ。そんな犬を売っておきながら、お客には犬に何かあったら、○○犬猫病院に診てもらうように勧める。そうすると、犬に対する異常を訴えても、「○○ペットショップで買いました。」と言っただけで、「問題ないです。」「飼っている時に、こうしたでしょ?それがいけなかった」とか、飼主のせいにされる。例えば、素人には、ジステンパーは見分けられない。いつ感染したのか、獣医なら、潜伏期間からみて、店にいる時に感染しているのはすぐに分かる。でも、そういう関係なので、客のせいにしてしまう。
ペットショップと獣医が結託したら、飼主だけが損をするのだ。
いい加減な血統書
血統書とは、犬の戸籍みたいなもの。飼主にとっては、親や祖父がチャンピオン犬であったり、純血種であったりという、その血統書を自慢に持ちたがる。
だがそれもペットショップの人間ににとっては、領収書みたいなもの。持っていても意味がない。そんなありがたいものではないのだ。
血統書なんていくらでも作れるのだ。飼っている人間が、自分の都合で申請するのだから、ただ単に犬に付加価値をつけているだけなのだ。申請は、本当に書類上のことだけなので、人間の戸籍みたいに医師の出生証明書や死亡診断書など必要はない。血統書がついている犬同士から、オスが何匹、メスが何匹生まれたという報告を、血統書の番号と一緒に、JKC(注・ジャパンケンネルクラブ。日本最大の血統書認定団体)に請求する。ただそれだけのやり取りなのだ。 いわゆる「血統書」という響きは、ある種の格式をもって受け取られるが、現実はこんなもの。
付加価値が一番高い血統書というのは、チャンピオン犬だ。有名コンテストのチャンピオン犬の小犬というのは、ブリーダー相手にしても、一般の飼い主相手にしても、高く売れるのだ。しかしそれも大量生産が出来るのだ。
例えば、あるコンテストで優勝したことのあるチャンピオン犬の小犬が、5匹生まれるとする。それを8匹くらいにして申請する。それでも血統書は下りる。そうやって手に入れた、あとの3匹分は同じくらいに生まれた同じ犬種の小犬につけて売るのだ。一般の人相手だと、一ヶ月くらいなら犬の成長なんて分からない。これで、ただの純血種がチャンピオン犬の子になる訳なのだ。信じられない話しだが、これも平然と行われている。
また、小犬は死にやすい。5匹生まれて、死んでしまった小犬の分もそうやって、別の小犬で補充するのだ。
こうなると、犬を売っているのか、血統書を売っているのか、どっちなのか、分からなくなってくる・・・。
実際に血統書の売買さえも、一部のペットショップ同士で行われているという。
チャンピオン犬は、子供が多い。それになかなか死なない。実際は、死んでしまっても、血統書上では、1年か2年くらいは生きつづけさせ、そのチャンピオン犬の子供を作りつづけることになる。そうやって血統書さえあれば、純血種じゃない犬を純血種にもできるのだ。つまり、雑種とか、血統がはっきりしない犬に、この要領で、純血種の血統書を手に入れて、純血種の小犬として売るのだ。
例を上げると、これは、パピヨンという小型犬の話し。
同じ親から生まれた兄弟として買った犬で、育って成犬になるにしたがって、一方の犬はパピヨンの標準的な大きさなのに、一方の犬のほうは、その3倍くらいの大きさに育っていってしまった。・・・一体、どんな血が入った小犬だったのだろうか。
それでも、バレるのは非常に稀なケースなのだ。ほとんどの人は気づかずにいる。気づいても、その犬が気に入れば、もう血統書などは必要がないのだ。
実際に売り場では、同じ小犬でも、愛嬌があってお客の目をひく犬にいい血統書をつけて売っている。
大きなショッピングセンターに併設されている大型のペットショップは、もともと、犬に関しては素人の客しか買わない。・・・商売相手としては、これ以上いい相手はいない。
食用犬の輸入
儲けを考えるならば、もっとコストを下げないといけない。日本や欧米の犬というのは、高くつく。
そこでどうやってコストを下げるか、それは台湾などのブリーダーに犬を繁殖させるのだ。台湾には、技術もあって、いいブリーダーもいる。血統書さえ揃っていれば、日本の犬同士なので、台湾生まれというのも関係がない。
また、手っ取り早く儲けようとする業者は、食用犬を輸入する。
食用犬・・・、この聞き慣れない言葉は、欧米人が嫌うアジア文化のディープな部分だ。
韓国では今でも盛んに犬鍋を食べるし、日本でも、韓国系の店では食べることができる。東南アジアなどでは、中華料理のスープとして、主に小型犬が使われるという。そういう食肉関係と同じ犬専門のブリーダーが東南アジアのある国にはいる。
ペット用の犬を育てる環境ではなく、豚とか鶏を育てるような環境で犬を育てる訳だ。どんな犬でも食用だから、近親相姦も、血統も関係ない世界なのだ。股関節がおかしかったり、ちょっとした奇形だとか、素人にはよく見ないと分からない、ペット用の犬としては絶対に出荷できない犬がいる。それでも食用になればまったく関係ないのだ。
そんな犬たちを輸入している日本のペットショップもある。ダンボール一箱いくらで日本に輸出されてくるのだ。もちろん日本上陸時の検疫で、狂犬病などの検査もある。それでも、日本で同じ犬種の1匹よりも安いのだ。これらの犬たちには、もちろん血統書はない。血統書がない犬を大量に仕入れた大手のショップだと、JKCの血統書ではなく、自社オリジナルの血統書を付けて売るのだ。これが、街のペットショップよりも、安く犬を売ることが出来るカラクリなのだ。実際に、名古屋税関などでは、台湾からの犬の輸入が近年激増している。それら輸入された犬たちが、日本のペットショップで、売られているのは確実なのに、『東南アジア生まれ』と、書かれた犬を見ることは、まったくない。
大型ペットショップの実態
商売の方法がデタラメな大型ペットショップは、表こそきれいにして、犬も清潔にしているが、裏に入ればひどいもの。
「在庫」の犬はダンボールの中に無造作に入れられて、ほうっておかれる状態だ。
台湾から輸入される食用犬は、船で運ばれてくる時の環境が悪く、ダンボール一箱の中にたくさん入れられてくるので、店についてからその犬たちが死ぬことは珍しくない。週に一度くらい、店の裏から犬や猫の死体が大量に運び出され処分される。死ぬのが珍しくないのは、売ってからも同じだ。大型ペットショップだと売ってから3ヶ月以内に死んでしまった場合、他の犬と交換してくれる。電気製品と同じように商品交換という発想だ。見る人が見ればわかるというが、大型ペットショップの犬たちというのは、目がトロンとしている。店で犬たちが飲む水には、ちょっと青味がかった色がついている。その青は、抗生物質が入っているためである。環境の悪さから病気が出ることも当たり前のため、とにかく薬漬けにしておくのだ。
ひどいのは、店員たちまで注射を打っていることだ。そうすれば、店員でも薬の名前や、簡単な病気の症状なども分かるようになるのだ。
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