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UCAV 無人戦闘攻撃機 X-45 戦争指導者の判断を躊躇う要因 その抑止効果は期待出来ない事を意味している。
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投稿者 イヌリン 日時 2005 年 9 月 24 日 08:45:40: ZZuWDDWxfeBqs

■[UCAV 無人攻撃航空機 概要]


[UAV 無人航空機]
米空軍は、将来の航空兵力について、有人機の甚大な損失を回避する有効な手段として無人航空機UAV
(Unmanned Air Vehicle )の開発と導入を推進してきた。その背景には、有人機の開発コストが高騰し
また、乗員の養成に莫大な費用と時間を要し、乗員が捕虜となった場合政治的に利用され、米国民の世論
を操作される苦い経験は米国の最高意思決定者の政治生命を左右しかねない問題となっている。
今後無人機は、有人機の作戦を補完する事と、乗員の損失を極力避ける為危険な任務には無人機が投入
される。

UAVは、1980年代より国防省防衛高等研究計画局(DARPA)で研究・開発が開始され、現在では主に
偵察・索敵・目標捜索・攻撃目標の選定・攻撃目標レーザー照射・弾着観測誘導・攻撃損害評価・重要エリ
アの監視・無線中継・合成開口レーダーによる戦場監視等多岐にわたっての任務を行えるように導入され
ているが、有人機と違い時間の制約が無い為、無人偵察機から無人監視機としての運用が行われるように
なっている。 特に対テロ戦争では、国防省は国防航空偵察局(DARO)、CIA(米中央情報局)と共同で
無人偵察機(URAV)を投入し、さらに発見した攻撃目標を即座に攻撃できる武装を搭載した無人監視機を
開発している。 また、国防省防衛高等研究計画局(DARPA)は、設計段階から無人戦闘攻撃機として開
発されるUCAV(Uninhabited Conbat Air Vehicle)計画を実用化段階までに成熟させている。

[UCAV 無人戦闘攻撃機の未来]
UCAVの最大の長所は、人的損害が発生しない点である。航空機では、パイロットの養成に多大な時間と
経費がかかり、ひとたび撃墜されれば、その損害は計り知れない。また不幸中の幸いで脱出に成功し
生存しても捕虜となった場合、政治的に利用される場合があり、米国の政治指導者は、軍事作戦を行う際
世論の動向に左右される事を避けなければならなくなった。 また、救難レスキューや捕虜救出作戦等で
二次被害を被る場合も有りうるので航空機では顕著に無人化が発達している。航空機の場合は、人的損
害だけではなく、その機体の開発に時間とコストが莫大にかかる事からも無人化の方向にシフトする傾向
がある。  まず、無人化にする事で操縦席に関するあらゆる生命維持装置が不要となり、それに伴ない
機体の小型化・軽量化が図られる。 逆にその分のペイロード(積載量)を増加する事も可能となる。 有人
機では考えられない人間工学を考慮しなくてよい機体デザインと人間の肉体限度を超えた20〜30Gの
高G機動飛行と空中給油によって長時間の飛行が可能となる。 人間工学を無視した機体設計は、運用
される作戦任務に適した機体設計の自由度が広がり、ステルス性に特化した無人航空機では、主脚ギア
扉や兵器搭載倉扉、エアーインテーク等はステルス性を損なう為離陸後機体を反転させ継ぎ目や凹凸の
無い一体成型の機体上部を地上に面して飛行するステルス攻撃機等を設計可能となっている。人的損失
が発生しないUAV、UCAVでは、有人機では危険すぎるヒーローミッション、特に開戦劈頭で行われる敵
レーダー施設やSAMサイト等のSEAD(Suppression of Enemy Air Defence)敵防空網制圧作戦や
敵航空基地攻撃作戦(Strike mission)に投入される。
DARPAでは、さらに今後20年間で米国本土から2時間以内に、地球のあらゆる場所を爆撃できる無人
の爆撃機を開発する「FALCON(Force Application and Launch from the CONUS)」(*1)計画案を
発表している。 「ファルコン」計画で開発される無人飛翔体は、「Hypersonic cruise vehicles:ハイパー
ソニック・クルーズ・ビークル」(HCV)極超音速巡航爆撃機と呼称され、短時間で目標に到達する為に
空気抵抗の少ない高度3万m〜4万mの大気圏上層を飛行し、航続距離を稼ぐ為Waverider(ウェイブ
ライダー)と呼ばれる空力形態でデザインされている。
大気圏上層では、空気密度が薄くなる為IRR(Integral Rocket Ramjet)ラムジェット方式のエンジン
を使用する。IRRはロケットモーターで加速上昇した後、空いたスペースに酸素と燃料を噴射するエンジン
で、スクラムジェットエンジンとも呼ばれ最大飛翔速度はマッハ5〜8を発揮する

有史以来軍事作戦では、人間同士の戦闘が常であったが、将来型UCAVが本格的に戦場に投入される
と人的損失を考慮しなくてもよい大胆な作戦が実行可能となる。これまでは戦争による人的損失は甚大
なもので、これが戦争指導者の判断を躊躇う要因となり抑止効果が働いていいたが、無人兵器の登場は
今後の戦争において、その抑止効果は期待出来ない事を意味している。

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