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Development & History
開発
1980年代後期、旧ソ連は第4世代の次世代マルチロール(多目的)機の開発プロジェクトを始動させ、スホーイ設計局はそれに応じてSu−37フラウンダー戦闘攻撃機の開発を開始した。ちなみに、後に推力偏向ノズル付きのSu−27フランカーの発展型であるSu−37「ターミネーター」が登場するが、これとは全くの別機である。
Su−37は、Su−24フェンサーやSu−25フロッグフット、MiG−27フロッガー攻撃機の後継機として、同時にMiG−29ファルクラムなどの軽戦闘機の後継機として開発された。そのため、敵の航空脅威を排除しつつ、前線の遥か後方の敵地上部隊や施設を昼夜問わず全天候下で攻撃できる対地攻撃能力と、迎撃機・戦闘機として制空権を確保する空戦能力を併せ持つことが求められた。ただし、どちらかというと主に対地攻撃に比重が置かれているようである。
このようなコンセプトはアメリカのジョイント・ストライク・ファイター(JSF)と似ており、本機はソビエト版JSFとも形容される。
設計
Su−37はブレンデッドウイングボディを採用した滑らかな形状でステルス性が意識されている。前部にはプラス10度/マイナス70度の範囲で稼動するカナードと、主翼付け根にはLERXを有し、その下部に4分の1円の空気取り入れ口が左右に設けられている。操縦系統はフライバイワイヤー(FBW)が採用されている。
本機の特徴として高い生存性があり、その設計にはSu−25フロッグフット攻撃機のアフガニスタンでの戦訓が多分に取り入れられていると言われる。
電子機器は、ソ連が西側に立ち遅れていた分野であり、そのギャップを埋めるために特に力が注がれた。本機は対地攻撃に重点を置いた多目的機であり、そのレーダーも、対空モードの他に対地攻撃モードが強化され、超低空を侵攻できるように地形追随機能を備えている。目標追跡能力は最大10ターゲットである。レーダーの他に赤外線捜索・追尾システム(IRST)とレーザー測距装置も装備している。両主翼端にはジャマー/ECM(電子戦機器)のポッドがある。
本機の重要な任務の1つとして前線の遥か後方の敵を攻撃することがあげられるが、そのためには高い侵攻能力を有する事が必要となる。そのためSu−37は、ハイ−ロー−ハイで1500km(無給油、引き込み式空中給油プローブも装備しており空中給油も可能)もの行動半径を持つ。兵装の搭載能力も高く、18ヶ所の兵装ステーションに最大8トンの各種兵装を搭載することができる。固定兵装は右翼付け根に機関砲を装備している。
終焉
しかし、本機の開発が始まった1980年代後半、ソ連経済は破局を迎えつつあった。しかも、1991年には国家そのものが崩壊し、ロシアに移行してからも経済は悪化の一途を辿った。複座の海軍型なども計画されたが、経済の悪化には太刀打ちできず、1994年初頭、ついにSu−37の開発はキャンセルされてしまった。