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グリニッジ標準時21日19時46分:日本時間22日04時46分に打ち上げられたソーラー・セイル宇宙船「Cosmos1」は、それまでの宇宙船とは異なる画期的な特徴を備えています。
この宇宙船は、船体に巨大な帆を備え、太陽からの光子を受けて推進する、言わば宇宙の帆船です。
航行中の予想図
莫大な燃料も、巨大なエンジンも必要としないため、船体はわずか100キログラムほどしかありません。
航行のためのエネルギーをほとんど使用しないこの技術によって、いずれ非常に効率よく、経済的に宇宙旅行が実現するかもしれません。
今回は、この宇宙帆船の技術を実用段階に乗せるための実験航行とされていました。そのため「Cosmos1」航行期間はわずか数週間しかありません。航行中には地球の周囲を周回しながら様々な実験を行い、その後大気圏で燃え尽きることになっていました。
この宇宙船を宇宙に運ぶために、ロシアの原子力潜水艦から、大陸間弾道ミサイルが用いられています。
冷戦の恐怖の象徴だった原子力潜水艦の核ミサイル技術が、今や宇宙開発のために平和利用されていることも、この実験の意義を象徴しています。
さて、定刻通り打ち上げられたですが、ロシア宇宙局によると、打ち上げ後わずか2分でブースター・ロケットの動作不良のために、打ち上げは失敗、機体は地上に墜落したとされました。
"Russian Space Agency: Solar Sail Launch Failed" SPASE.com
しかし「Cosmos1」の残骸は発見されず、その所在が不明となっていたのですが、なんとはるか上空の軌道上から「Cosmos1」の信号が届いたそうです。
"Signal Reported From Solar Sail Spacecraft" washingtonpost
残念ながら現在に至っても、この迷子の宇宙帆船の正確な所在はつかめていないようです。
仮に軌道上に到達することに成功していても、予定していた実験を行うことは不可能とされていますが、ここまできたら、なんとか宇宙を航行して、宇宙旅行の夢をつないでほしいですね。