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世の中にはお金持ちと貧乏人がいる。
世の中には支配する者と支配される者がいる。
バブル後の混乱期を何とか潜り抜けたと思ったら、それまでの中間層が厚い「中産階級」の社会が「勝組み、負け組み」と二極に分化した階級社会へと変化していた。中産階級は解体され、ごく一部の勝ち組みがエリートとしてもてはやされ、その他大多数の庶民は負け組みとして収入の減少、増税での家計のやりくりに追われる。そしていつリストラされるかという不安の中で毎日を過ごすことになってしまった。
これまでは日本的な共同体を維持してきた地方が都市を支えてきたのだが、地方と都市の対立が意図的に悪意をもって仕掛けられ、都市住民の不満が地方へ向けられ、日本的な共同体の最後の解体が進行しようとしている。都市住民のやり場のない不満や不安は「地方の切り捨て」という言葉に爽快感を感じるまでになったようだ。
一部のエリートとその背後にいるエスタブリッシュメントは巧みな情報操作で搾取される大衆を階層化してお互いが反目し、結束しないように操作する。現代日本では有能なシナリオ作家の台本で、与えられる娯楽と暇つぶしの快楽の中で「自己ペット化」し、思考力と判断力を殺がれた大衆が見事に踊らされている。
数日後に迫った911衆議院選挙でどのような結末が用意されているのだろうか?
さて、この階級社会の一番上に君臨するのは誰であろうか?
かれらはエスタブリッシュメントと呼ばれる名門である。イギリスの名門は八割までが十八世紀以前からの上流階級だと言われているし、フランスでも現代の最有力家族二百のうち百六十余はナポレオン一世当時の最有力家族の血を引いているという。これは新興国アメリカでも変わらないらしい。
こうしたエスタブリッシュメントは社会の矢面に出てくることは少ない。
かれらは有能な人材を選び出し、引き立てて使うことで仕事をさせるのだ。これらの連中をエリート、「選ばれた人」と呼ぶ。こうした出自の定かでない雑草の中から優秀な株を選別し、矯正した後にとり立てて庇護し、自分たちの僕(しもべ)、使用人として世に送り出すわけである。欧米の上流階級では多少の皮肉と軽蔑の意味をこめて「選ばれた人(エリート)」というらしい。
この国ではその代表が旧大蔵省(現財務省と金融庁)のエリートたち、すなわち地方から東大へ集められ、国家上級試験で選別された人材である。ここを頂点としたピラミッドでエリートにも序列がある。
この国のエスタブリッシュメントは皇族、旧華族、財閥などなど華麗な閨閥でつながった階級はその姿はみえにくくされているが厳然と存在している。この支配階層はエリートの中から優秀なものを婿で迎えたり、娘を嫁がせたりしてネットワークを形成している。
またその一部が欧米のエスタブリッシュメントやエリートとつながって情報交換をしている。この辺りは「 萬晩報」で園田義明さんが書いている「ビッグ・リンカー達の宴2ー最新日本政財界地図」に詳しい。
だからこのエスタブリッシュメントとエリートの壁は高くて、ちょっとした才覚で成り上った金持ちや有名人などは入れてもらえない。せいぜいが「セレブ」なんて言葉で週刊誌を賑わすピエロ役がいいところだろう。あまり頭に乗りすぎると梯子を外され、階段を転げ落ちるのを何度も目にしてきた。大衆はこうした成り上がりものの転落が大好きだから、拍手喝采でその不幸を喜んで溜飲を下げる。だから大衆に不満が溜まったときのガス抜きにはうってつけなんだ。お金持ちになっても心配の種は尽きないってことだ。
この国のエスタブリッシュメント、エリートといってもそれが欧米で対等に扱われているかというとなかなかそうもいかないらしい。雲上のことはよくわからないが、欧米のエスタブリッシュメントとエリートたちは極東の属国がちゃんと聞き分けよく、主人の命令どおりに運営されるようにお目付け役、小間使い、召使を政治家、官僚、企業、知識人など各分野にエージェントとして送り込んでいる。
この辺りの事情は「ジャパン・ハンドラーズ―日本を操るアメリカの政治家・官僚・知識人たち」に詳しい。
このエージェントの過去の有名人としては昭和二十三年十二月に仲良く巣鴨プリズンから釈放されたA級戦犯、岸信介、笹川良一、児玉誉士夫の売国トリオがいるが、最近では小泉ポチ首相の懐刀、竹中平蔵センセイが有能なエージェントとして名高い。
▽ついに明らかにされた、竹中平蔵の少年時代の秘密
この記事を読んでいてとても悲しくなった。
「父親は小さな履物小売商をやっていた普通の商売人なんですが、父を見てると、世の中が不公平に見えるわけですね。父親はこれだけ苦労をして一所懸命働いてるのに金持ちになれない。もっと楽してお金儲けしている連中が一杯いるのに……。どうやったらもっと住みやすい、よい世の中になるんだろう」という正義感の強い少年が、挫折の中で悪の手に絡め取られて、その手先になる。これじゃまるでスターウォーズではないか……。
最近では少し影が薄いが、元祖売国エージェントのお孫さんがもう一人、予備軍として控えている。この人にも今後注目だろう。
▽ 安倍晋三を首相にするとウオール街のユダヤ人が儲かるワケ
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さて、あと数日で911選挙だ。
小泉ポチ首相が率いる自公が優勢だ、圧倒しているという提灯記事が本当かどうかは結果をみればよい。その通りだとしたらマスコミを総動員したプロパガンダにやすやすと引っかかってしまった同胞たちを確認できるし、逆目が出たらマスコミの情報操作の嘘が暴露される。
ただ、このクーデター解散は事前にかなり綿密に計算され、計画されたもののような気がする。
小泉ポチ首相が率いる自公の圧勝を演出し、最後で意外な結末を用意している可能性もある。かといって民主党の過半数はないだろうから、共倒れで政界混乱、ガラガラポンで何が出てくるのか?
右や左に振り回されて、冷静な判断が出来ない中で政界再編、改憲も可能な新勢力の誕生で幕切れだったとしたら……。小沢一郎の沈黙が気になるな。
ああ、属国の家畜として生きることの悲しさをこれから味わうことになるのだとしたら、投票へいくのも気が重い。