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”AEGIS”とは元々、全能の神”ゼウス”が娘の女神”アテネ”に与えた一切の邪悪を防ぐ楯の名から由来している。
1970・80年代、空母機動部隊を持たないソ連海軍は圧倒的に優勢な米海軍の空母機動部隊に対して、潜水艦、長距離爆撃機、水上艦からの異方向から多数の対艦ミサイルを叩き込むことにより対抗しようとしていた。
(まあ誰が考えてもこの方法しかない)
これに対抗し、米海軍は米国のシンボルたる空母を守るため、様々な手段を編み出した。
その中の一つが100マイル以上という当時としては驚異的な射程距離を持つ空対空ミサイル(空対空ミサイルの射程は様々な要因により上下するので一概には言えない)AIM-54を装備したF-14戦闘機と早期警戒機E-2Cとの組み合わせであり、そしてイージス・システムだ。
イージス・システムはその巨大なレーダー”SPY-1”の外観から、ハード・ウェアが主体のシステムと思われがちだが、実は中身のソフト・ウェアが本体である。対空、対水上、対水中からの多数の目標を探知・追跡し、敵味方、脅威を判定し、最適防御兵器を割り当て、兵器の管制・誘導を実施し、破壊評価を行う。
そしてその一連のプロセスをLSD(Large ScaleDisplay)に表示する。さらに様々なドクトリン(戦闘プラン)がプログラム化されており、現在の状況にもっとも類似したドクトリンを呼び出して作戦行動の資とすることにより、リアクション・タイムの短縮化を計っている。
これらのソフト・ウェアを組むのには、長年に亘るデータの収集とノウハウが必要で、これに更にミサイル等のハード・ウェアとのインテグレーションを計るとなると米海軍以外にこれを達成するのは困難であろう。
日本がイージス艦を運用できるのは、経済的な面や造船、電子機器整備の技術レベルが高いという面ももちろんであるが、イージス艦を自分の物にできる(つまりシステムとして使いこなせる)能力があるという面も忘れてはならないだろう。
(結構ブラック・ボックスな部分もあるらしいが)
その独特な形はイージス・システムを積むために作られたと言っても良いものであるが、タイプ・シップである米海軍の”アーレイ・バーグ”級と異なるのは群指揮艦としての機能を持つため、コンソールの数やLSDの数が多いことで、例えばLSDの数は”アーレイ・バーグ”級は2面であるが本級は4面あり、その分だけ艦橋が大きくなっている。
船そのものも今までの護衛艦にない数々の特徴を持っている。
徹底したCBR(化学・生物・放射能)防護、ダメージ・コントロールも本級の特徴で、艦橋構造物は全て鋼鉄製とされ、さらに重要部分はクローム・モリブデン鋼で防御されている。また4機の機関もシフト配置され被弾によって一度に推進力を失わないように配慮されている。またCIC(Combat Imformation Center)は船体内に配置され、両側に広い通路に配してスプリンター被害に対する防御性を高めている。
また船体はV字型船体を採用して船体に当たった電波を海面に反射するようになっており、艦上構造物は海面に対して傾斜させている。さらに艦上構造物には電波吸収体が貼られており、全体としての電波反射面積は漁船並みと言われている。そのためこんごう級の船が東京湾を航行すると、観音崎の海上交通センターから頻繁に位置確認の要請があるという。一部で悪評のラティス・マストであるが、あまり影響はないようである。
現状では各護衛隊群に一隻づつ配備されているが、たちかぜ級DDG3隻の代替として追加建造されるのは確実とみられ、現状から以下のように変更される。
イージス・システムを最新型のベースライン7へ変更。(これにより弾道ミサイル迎撃能力と共同交戦能力の付与)
ヘリコプタ格納庫の新設(SH-60Jを2機搭載可能)
排水量を500トン程度増加
搭載砲をOTOブレダ127mm砲からMk45Mod4へ変更。
装填クレーンの廃止により、ミサイル搭載数の増加
弾道ミサイル迎撃システムは現有の4隻もスペース・プロビジョンが確保されていると言われており、レトロフィットされるだろう。
艦名
艦番号
造船所
定係港
所属
こんごう
173 三菱長崎
佐世保
第2護衛隊群
きりしま
174 三菱長崎
横須賀
第1護衛隊群
みょうこう
175 三菱長崎
舞鶴
第3護衛隊群
ちょうかい
176 石川島播磨東京
佐世保
第4護衛隊群