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「宮内庁=悪玉」で一応の決着をみた、“皇太子ご発言”問題。しかし、そこには天皇制を政治的問題として扱いたくないという、マスコミの情報操作が……。天皇制問題にガチンコで取り組む右翼・左翼は、“ご発言”をどう考えるのか? “日本の中心で愛をさけんだ皇子”の真意は、どこにあるのか?
「雅子のキャリアや人格を否定する動きがあった」
去る5月10日、皇太子殿下は訪欧前の記者会見でこのように述べた。この“ご発言”をめぐって、マスコミはてんやわんやの大騒ぎをした挙げ句、ひとつの結論に収斂していった。それは、「雅子さまに男子出産のプレッシャーをかけ、外遊などを制限し、ストレスからくる適応障害にまで追い込んだ宮内庁はケシカラン」というものだ。
しかしそれは、マスコミによって操作された、一時しのぎの偽りの結論でしかない。マスコミは宮内庁を悪者に仕立てることで、天皇制が孕む問題を正面から扱うことを巧妙に避けているのだ。
この“ご発言”は、天皇制そのものにとってどのような意味を持っているのだろうか。
一連の“ご発言”問題は、昨年12月の「秋篠宮さまのお考えはあると思うが、皇室の将来を考えると3人目を強く希望したい」という湯浅利夫宮内庁長官の発言に端を発する。この発言について、『マスコミじかけの天皇制』などの著者である天野恵一氏は「現在の状況と併せて考えれば、『もはや皇太子夫妻は子どもをつくれないのであきらめた。ゆえに秋篠宮に男の子を』という意味にしか取れない。公的な場所で、そんなプライベートなことを言われたら、誰だって怒りますよ」と言い、新右翼「一水会」前代表の鈴木邦男氏も「『自分は子どもを生む道具じゃないんだ、人間なんだ』という、皇太子による平成の人間宣言だと思う」と述べる。
マスコミ報道も、「雅子妃を追い込んだ“犯人”は宮内庁」という論調がほとんどを占めた。
確かに湯浅長官の発言は異様に聞こえる。しかし、宮内庁の最も重要な任務は天皇の血筋を絶やさないことであり、それを口にすべきかどうかはともかく、湯浅長官の考え方は、現在“お世継ぎ”問題に悩む宮内庁の立場としては至極当然な考え方である。つまり雅子妃をこのような状況に追い込んだのは、湯浅長官個人ではなく、湯浅長官にあのような発言をさせた現在の天皇制のあり方自体なのだ。