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(回答先: カバラという字の入る「酒鬼薔薇聖斗」(神戸事件)と「小林薫」(奈良事件)をアナグラム解析 投稿者 サラ 日時 2005 年 12 月 13 日 20:59:19)
“ある少女の苦”
●今年に入ってから、縁あって、
何人かの、いわゆる、ひきこもりの人に接触することがあった。
その中で、ひとりの少女の心の内をここに私が代筆で書いてみたいと思う。
その少女は、とても文章をかける状態ではないので、
彼女のストレートな言葉の断片をここに記してみたい。
*********
◆「寝るとき、明日の朝起きたら、死んでいたらどんなにいいかと思う」
◆「全く何も出来ない。仕事を見つけることも、出来ない。
他人に関わるのはとにかく嫌だ。」
◆「昔自分が普通に出来たことや好きだったことも、
最近は何も出来なくなったし、楽しめなくなってしまった」
◆「もう自分の事が大嫌いで、自分など、この世にいなくていいと思う」
◆「少し、何かをしようと思っても、その瞬間、体がすくみ、
一気に無気力に襲われる。そんな自分を見ると惨めでしかたない。
もう生きていたくない。」
◆「他人としゃべっても、何か場違いな違和感ばかり感じてつらい」
◆「どうして、こんなことまでして生きていなければならないのか、
納得できない。納得できる答えが欲しいが、その欲しいという
気力すらもない」
◆ポジティブな考えや、宗教や、カウンセリングは全部自分には
なんの役にもたたなかった。
◆「好きなことや、打ちこめそうな事は何ひとつもない。
自分で話していることにも、白けた感じばかりする。」
◆「誰かから、いたわられたり、大切にされたいと思う」
しかし、そんな事を昔は言わなかったのに、それを言っている自分が
惨めでしかたない。
◆「誰も私を助けてはくれないし、理解もしてくれない」
◆「自分になんの自信もなく、生きて行く励みや意味もなく、
他人に迷惑がられてまで生きていたくない。
とにかくもう早く死んで終わりにしたい」
●補足●
1/この少女は、親から全く愛情を受けずに育った形跡のある人です。
身体的虐待は受けていないようですが、
思春期には、精神的にかなり追い詰められたようです。
2/恋愛も2回ほどしたようですが、いずれも、恋愛とは呼べないほど
ほとんど楽しい思い出がなく、つらい事ばかりだったと言う。
3/自分が落ちついて住める場所、自分の居場所がない。
以前には、なんとか自立したいと思っていたが、
今では、何もする気力がなく、ずっと自宅に引きこもったままで、
アルバイトもせず、ただ、毎日朝までテレビをつけっぱなしで、
朝がた明るくなるころになると寝ては、
午後をすぎてから起きるといった生活が1年以上も続いている。
テレビゲームとかはしなくて、ただテレビを見ているようだ。
4/ちなみに、私が先日書いた「愛されない者」というのは、
この少女の事が念頭にありました。
私が、いろいろと話を聞いてみたのですが、
どうも、今までの長い間、すべてを他人のせいにして、
愛情をくれない他人が悪い、理解しない他人が悪い、
と自分の心の痛みを、他人のせいにばかりしてきたようですが、
それがある時期から「どうせ自分のせいだ」という自己嫌悪へと変化して、
それから引きこもりになったようです。
5/そして、自分の事を意識するほどに惨めで、
いっそ、記憶がなくなってしまうか、気が狂って何も分からなくなるか、
そうなりたいと思ったものの、そうはなれそうもなく、
自殺未遂は、十数回あったそうですが、死に切れなかったようです。
6/一時は、自問した結果、自分は死ぬことを望んではいないとも思ったこともあったらしいですが、
最近になってまた、死んで終わりにしたいと毎日毎日思うようになったという。
7/家庭内で暴れて親に怪我をさせたり、
恋人に対して、物を投げたりテーブルをひっくりかえしたりと暴れたり、
また、首吊り、リストカット、睡眠薬などによる自殺未遂の繰り返しで
親の通報で警察ざたになった時期もあったようです。
今は、外部に感情を発散するといった行為は、やや落ちついているようですが、
その分、自殺したい、あるいは早く死にたいという思いが強いようです。
*********
わりと、かなり大勢いる、典型的なタイプの鬱状態です。
個人差はあるものの、昼夜が逆転する生活、
対人恐怖から来る心の萎縮、
社会適応に対する拒否、
慢性的に「人生の無意味さ」に心を奪われている状態、
被害妄想や、必要以上にネガティヴに物事を悪い方向に考える。
そして、
慢性的微熱、脱力感、胸の動揺、ストレス性の胃痛、慢性的な頭痛
などなど、多くの精神的、または身体的な共通性が見られます。
この少女が、一人っ子であるというのも、やや気になります。
一人っ子といっても、甘やかされたことは全くないらしいのですが、
いかんせん、やはり兄弟がいないと言うのは、子供の成長に
何か大きな損失を伴うようです。
体力などは、ちゃんとあるはずなのですが、慢性的に気力が萎えたままで、
ようするに「社会適応以前の問題」として
そもそも「生きる気力がない」「生きる意味が見出せない」というものです。
●幸いに精神科の薬は処方もされていないし、
薬はほとんど飲んでいないとのことなので、
話をしてみると、ある程度思考はちゃんとしているのですが、
一度、いわゆる「切れた」状態にスイッチオンすると、
完全に自暴自棄になるようです。
●この「生きる気力がない」という事は、無明庵では、
「ケースによっては」、非常に歓迎されるべき精神状態の転機であり、
そこから、瞑想や座禅へ移行するという道もあるのですが、
このケースでは、それが適応されないために、
こうした人には、死人禅などを勧めるわけにはいきません。
●世間で、よく言われることですが、
「なぜ生きているか、なんて、皆んなだって、考えてはいない」とか、
「働いて、とにかく、まず生きて、それから、生きている理由なりを
独りで考えられる環境をまず確保すべき」
という意見もこの少女には、説得力や効力を持ちません。
●私が見ていても、決して生きる技術や、人並み程度の社交性がないわけ
ではないのですが、仮に良いところを誉めても、ひねくれて取るようで、
こうなると、「誉める教育」も適応外。
●「考える暇もないような職種について、頭を使わない時間を持つ」
というのは、ある程度の効力がありそうですが、
たぶん、仕事が終わって部屋に戻れば、また鬱になるでしょう。
●セックスに不満はあるか?とも、ずばり聞いたのですが、
どうやら、以前に付き合っていた彼氏との間でのセックスには
問題はほとんどなかったようですので、
精神面では、つらかったようですが生理的な性的不満は抱えていないようです。
●こうなると、私が見ていても、「お手上げ度 90点以上」です。
ある程度社会的に自立して生きて、楽しみも苦しみも
人並みに経験していれば、これほどまでには屈折はしないので、
死人禅の行法といったものも、適度に時間をかけて効力を発揮します。
しかし、このケースでは、
自分で自分を助けるという気力さえ失せている状態であり、
また、どうして自分を助けたり、自分を成長させたり、楽になるようにしてまで
生きて行かねばならないのか、という思考が反復を繰り返し、
とにかく、自分は死んだ方がいい、
早く死んで楽になりたいという思考パターンが最優先されるので、
とても座禅とかを出来る状態ではありません。
●生きる意味を哲学するという確たる目的への気力もないので、
哲学という道も救いにはなりません。
●検査しても、脳内物質の障害というものは特にないようですから、
幼児期のトラウマか、ことによると何かのカルマかもしれません。
しかし、今までにかかわったカウンセラーは、
何も原因を特定できなかったようです。
★こういうケースは、
けっこう、これと同じ状態の人や、
そういう子供を持つ親も多いのだろうと思いましたので、
本人の承諾を得て、ここに記しておきました。
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