現在地 HOME > 番外地4 > 1287.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: カバラという字の入る「酒鬼薔薇聖斗」(神戸事件)と「小林薫」(奈良事件)をアナグラム解析 投稿者 サラ 日時 2005 年 12 月 13 日 20:59:19)
●「ケンカ売りの少女」● … …
あるクリスマスの夜、
寒さに一人の少女が震えていました。
少女は主人から、
「おい、小娘、今夜中にたくさん【ケンカ】を売ってこい。」と言われて、
街へと出たのでした。
「誰かケンカを買ってくれませんか?」
「どなたか、このケンカを買ってください。お願いします」
少女はそう懇願し続けましたが、
誰も少女の売っているケンカを買ってはくれませんでした。
大きな声がした家があったので、
少女は、ふと、その家の窓から中を覗いてみました。
すると、夫婦が大声で罵倒しあいながら、
「あんたなんか、死んでしまえ」
「なにー、お前こそ、早くくたばっちまえ」
と叫んでいました。
それを見た少女は
「あー、なんて、うらやましいの。私もあんな家庭に生まれたかった・・」
少女は、あまりにもうらやましくて、涙を流しました。
すると、別の家から赤ん坊の泣き声が聞えたので、
少女は、その窓を覗いてみました。
すると、家の中では、
大きな大きな七面鳥で、子供のお尻を殴っているお母さんがいました。
少女は思いました。
「あー、なんて素晴らしいおうち。
私もあんなふうに素敵に叩かれたかったわ」
外は、あまりにも寒く、心までもが悲しくなった少女は、
もっていたケンカに火をつけてみました。
すると、炎の中には、
殴り合う男たち、首を締めあう恋人たち、子供をせっかんする母親、
ののしり会う政治家たちの姿が見えました。
あまりにも幸福になった少女は、
次から次に、商品のケンカに火をつけてしまいました。
そして、とうとう最後の一本のケンカに火をつけました。
すると、炎の中には、少女の、おとうさんとおかあさんが現れました。
少女の両親は少女にそっと手を差し伸べると、
「おおー、可愛そうな娘よ。誰もお前のケンカを買ってはくれないんだね。
さー、もういいから、そんなつまらない世界を捨てて、お父さんたちの
ところへおいで」と言いました。
少女が手を差し伸べると、
少女の両親は、怒鳴り合いをはじめました。
父「だから言ったろ! お前がこの子を産むなんて言わなければ、
こんな事にはならなかったんだ!」
母「あんたが、毎晩毎晩アタイの体を欲しがったからこんなことに、
なったんじゃないのよ!」
そして、両親は、少女の方を見ると、
声を揃えて、こう言いました。
「あんたみたいな子供は、生まれてこなければよかったんだ」
それを聞いたケンカ売りの少女は、
もうこれ以上ない、魂の底から震えるような至福に包まれて、
真っ白な雪の中に埋もれてゆきました。
翌朝、少女の亡き骸の顔は、
この世のものとは思えない、天使のような微笑みをたたえていました。
その少女の微笑みを見た街の誰もが、
みな、幸せな気分に満たされました。
おしまい。
●こういうのキライですか?
基本的には
「アダムスファミリー」と同じ笑いの構造なのですが・・・