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…著者は経済アナリストですが、この本は経済書というより予言書とでもいうべき内容となっています。
…このとおりの展開にならなかったとしても、近未来に間違いなく起こると思われる内容が含まれています。【※但し“2004年末の予言”】
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2005年、日本国は破綻する。
予兆はすでに現れている。経済、財政、年金、安全保障‥‥あらゆる問題で日本は行き詰まりを見せている。不良債権処理はいよいよ大口債権の処理が本格化し、これに伴う金融機関が続々破綻する可能性は高い。財政を見ても、国債発行額は600兆円を超え、とても返済できない状態にあることは誰の目にも明らかである。2005年はいよいよペイオフが始まり、これが個人の貯金はもちろん、金融機関にも大打撃を与える可能性は高い。
超高齢社会が進むなか、年金システムの崩壊ははっきりしてきたし、イラク問題もいっこうに解決を見ない。加えて中国をはじめ東南アジア諸国に対する戦争責任も、いよいよ決着をつけなければならない気配が濃厚である。
いずれも国家の存亡を左右する大問題だが、2005年はこれらの問題が一気に噴き出してくるのである。
国家が崩壊すれば、個人の生活も崩壊する。年金に頼る老後はもはや不可能になるし、せっかく貯めた預金も、ハイパーインフレによって紙くず同然になる。なかでも危ないのが公務員や大企業のサラリーマンで、親方日の丸のもとで安閑と過ごしてきた彼らは、国家の保護がなければ生きていけない。もっとも安定していたはずの彼らが、職を失い、路頭に迷う。そんな時代が始まるのである。
時代の変わり目には、不思議なほど天変地異が続く。昭和20年の敗戦前後には、昭和19年の東南海、20年の三河、21年の南海道、23年の福井と大地震が相次いで起こった。米軍がイラク攻撃を始めた2003年には、5月に宮城県沖、7月に宮城県北部、9月に十勝沖、12月にイランの大地震と、やはり大地震が続いた。
人々の気持ちの乱れが、天変地異を起こすという人もいる。2004年9月に浅間山が噴火し、10月には新潟中越地震が起こった。また2004年の台風の本州上陸数は過去最高を数えた。これらの災害は、翌年の日本の崩壊を暗示するシグナルと考えていい。
2005年は日本が太平洋戦争に負けて、ちょうど60年になる。一説に「60年周期説」というものがあり、大きな事件は60年ごとにやってくるという。敗戦後、日本は戦時国債がパーになり、ハイパーインフレに苦しんだ。60年後の2005年も、日本はハイパーインフレで苦しむことになるだろう。
また、幕末のペリー来航から明治維新までは15年である。日中戦争開始から敗戦までも15年。何か大きな事件が起こったとき、解決にたどり着くまでには15年の歳月が必要なのである。バブルが崩壊したのは90年だが、「失われた10年」を経てなお不良債権問題は解決しない。これも15年目になる2005年に、大きな区切りとなる出来事が起こる可能性は高い。たとえばハイパーインフレが起これば物価はいまの何倍にもなる。不良債権の価値は何分の一に減り、これでカタがつくことも考えられる。
国家が崩壊するときとは、人々の心がガクンと下を向くときである。1945年8月15日の敗戦の日、日本人の心はガクンと下を向いた。地震や水害にやられたときとはまったく違う、心が折れるような衝撃である。あのとき日本人の心に大きな変化が起こった。それまでの日本が終わった瞬間である。
2001年の9・11テロも、アメリカ人の心がガクンと下を向いた瞬間だった。それは奇しくも、1941年の真珠湾攻撃から丁度60年目にあたる年だった。アメリカではこの時に何かが終わった。それが現在のイラクの混迷を招いたと言っていい。
2005年にもそんな出来事が起こる。それは年金問題か、財政問題か、安全保障問題か、ハイパーインフレか‥‥いずれにせよ心の中が真っ白になるような出来事が起こり、日本はとてつもない危機を迎える。
このとき日本を救えるリーダーはいない。いま小泉首相や日銀総裁の顔を並べて、「彼らの言うことを信用しますか」と聞いたとき、「信用する」と答える人は誰もいない。彼らはもうリーダーではない。混乱が起きたとき、収拾をつけられる人はいないのである。
国家の崩壊は、ある日突然来る。戦後のハイパーインフレでも、1年で物価は何倍にもはね上がった。いまはたいしたことはないと油断していると、突然やって来た津波に飲み込まれることになるだろう。
この10数年、日本は不良債権問題の処理に追われ、日本人は危機疲れといった状態にある。だが今度こそ、本当の危機がやって来る。いまからその危機に備えておくことである。
泣いても笑っても、もう1年しかない。2005年にさまざまな問題がピークを迎え、日本はクラッシュする。そのとき、あなたは生き残れるかどうか。それを決めるのは、この1年のあなたの生き方次第である。
UFJ問題から飛び火して金融危機が再燃
もはや、来るべき時が来たと言わなければならないだろう。とうとう国家破綻へのカウントダウンが始まった。破綻までの時間はあと1年。この1年の間に、いたるところで隠されてきた膿や病巣が噴出し、日本の社会は大混乱に陥るだろう。残念ながら、もうそれを避けることはできない。
口火を切るのは、金融崩壊だ。
3月期決算で780億円の連結黒字を予想していたUFJグループは、結局4000億円の赤字決算になり、寺西頭取以下トップが退陣することになった。金融庁は、UFJの二重帳簿や検査忌避に対して、刑事告発という厳しい対応に踏み切った。それだけUFJが行なったことが悪質だということだが、もしこれが立件されれば、銀行業界には激震が走るだろう。UFJを実質的に買収した東京三菱FGも、無傷ではすまされない。
まさに1年前、監査法人がこんな粉飾決算は認められないということで、りそなが潰れたわけだが、当時はUFJも「うちは大丈夫」と大きな顔をしていた。それから1年で急激に情勢が悪くなったわけではない。要するに問題を隠して黒字で切り抜けようとした企みが露顕しただけだ。
そもそもバブルがはじけて14年、抜本的な不良債権の整理をしてこなかった大銀行に二重帳簿、粉飾決算がないはずがない。不良債権を処理したというのは、すべて処理できる範囲内のことであり、処理できない問題はすべて隠し飛ばしているはずだ。(中略)
こうして遅れに遅れた金融大整理は、2005年4月のペイオフ解禁をにらんで大きな山場を迎えることになるだろう。
銀行以上に危ない生保の実態
生保は、バブル崩壊後、まったく何もできなかった業界である。不良債権処理や再編など、銀行のほうがまだやることをやっていたし、証券も外国資本と手を組むなど生き残りのために必死に手を尽くしてきた。
しかし、生保は弱いところが潰れただけで、結局バブル崩壊で毀損した資産はそのまま損失となっている。新規契約は減少し、既存契約も続々と解約されている状況で、生保の破綻はもう避けられない。これはバブル崩壊による天災ではない。何もしようとしない生保の体質そのものが、崩壊の原因なのだ。
金融システムのパニック、そしてハイパーインフレへ
メガバンクばかりでなく、地銀以下の地方金融機関の整理も問題だ。かねてから話が進んでいた北海道銀行と北陸銀行の統合が行なわれただけで、とくに第二地銀、信金、信組など、破綻しても国有化されそうもない銀行の整理統合はまったく進んでいない。
それでも小泉首相は、予定通り2005年4月からペイオフの完全解禁に踏み切ると明言している。中小金融機関が破綻し、そこで初のペイオフ発動が行なわれる可能性は高い。
もしそうなれば、人々は我先に銀行に駆け込み、取付騒ぎが起こるだろう。じつは、もっとも恐ろしいのが、こうした金融パニックなのである。
特に資産を持っている人は、もう日銀総裁や小泉首相の言うことを信用していない。そのため政府日銀が何を言っても騒ぎが収まらず、大混乱の状況になるであろう。
こうなると、政府が選択できる手はひとつしかない。輪転機を回してお金を刷るのである。それを銀行に殺到した人に渡すしか、金融パニックを収拾する方法はないのだ。
その結果、どうなるか。世の中にはお金がジャブジャブあふれ出すことになる。そして始まるのがハイパーインフレである。
もはや崖っぷちに追いつめられた日本
すでにハイパーインフレの兆候は、至るところに現れている。そのひとつが、長期金利の上昇だ。
長期金利と国債価格は連動しており、長期金利が上昇すると国債の価格は下落する。国債の値下がりは、国債を大量に保有する銀行や生保に膨大な損失を与えることになり、金融システムの崩壊につながりかねない。
ゆがんだ大陸プレートがその加重に耐えきれなくなって大地震を引き起こすように、これから日本では、金融機関と不良債権化した企業がバタバタと倒産していくであろう。その処理のために、数百兆円にも及ぶ公的資金が注ぎ込まれることになる。そして、それに耐えきれなくなって財政が破綻するという最悪のスパイラルに入っていく。
そこに待ちかまえているのが、狂乱物価のハイパーインフレである。失業者が街にあふれ、ものの値段があっという間に数十倍、数百倍に値上がりする‥‥日本は大パニックに陥り、経済も行政も機能停止の状態になるにちがいない。
明日の食べ物を求めて、人々が街をさまよい、イラクのバグダッド解放後のように、市民が公舎や商店からものを略奪するようになるかもしれない。
この大争乱を生き残っていけるのは、このパニックの到来を予測し、備えをし、明日のビジョンを明確に見定めた人間だけだ。あなたはどうだろうか?
断末魔の20世紀の秩序
事態は混沌としている。つくづく感じるのは倫理観の低下、モラルハザードだ。
銀行員や官僚ばかりではない。われわれ一般の人間も、倫理観を失っているように思える。象徴的なのが、最近多発する集団自殺事件である。インターネットの自殺掲示板で応募者を募り、見ず知らずの人間が集まって集団で自殺する。そこまでしてこの世におさらばしたいのかと思うと、非常にむなしい気持ちになってくる。
学校における学級崩壊、援助交際、出会い系サイト、親による子供の虐待、逆ギレ殺人‥‥目を覆いたくなるような事件が相次いでいる。どれも本質的には倫理観の欠如が原因だ。
私は、これから始まる日本崩壊は、ある意味で倫理観を失ったわれわれに対する、天からの戒めだと思っている。人のことを考えず、自分さえよければそれでいいという身勝手な考えを持つようになった私たちを神が怒っているのだ。
考え方を変えれば、これはいい機会かもしれない。われわれが自らの生き方を問い直し、本当の豊かさや幸せとは何かを考え直すきっかけとなるかもしれないのだ。
私たちは変わらなければならない。変われない人は、このままどこまでも沈み込んでいくしかない。
財政破綻は目前、もうハイパーインフレで借金を帳消しにするしかない
日本の国家財政の破綻は、誰の目にも明らかだ。財政赤字は700兆円を超え、これに財投の赤字や地方の赤字を加えると、軽く1000兆円を超える。もうこれほどの借金を返済することは不可能だ。日本は自己破産をするしかない状況である。
あきれてものも言えないが、とにもかくにも最終段階まできてしまったことは確かである。
財政破綻して日本が破産するのを回避するためには、2つの方法しかない。預金封鎖をして個人の金融資産を横取りし、国の借金を穴埋めするか、ハイパーインフレにしてお金の価値を暴落させ、実質的に国の借金を帳消しにするかのどちらかである。
預金封鎖を行なって財産税などをかけ、財政赤字を穴埋めする方法は、国民の大反対にあうであろう。暴動さえも起きかねない。官僚や政治家は、自分が責任をとるのをもっとも嫌う人種である。自分に汚点を残すような政策をとるとは思えない。
そうなると、残された道はハイパーインフレしかない。ハイパーインフレなら経済的要因なので、責任を問われることもない。それで国の借金を帳消しにできれば、万々歳である。彼らは、ハイパーインフレによって国民の預金がゼロになり、財産を失うことなど何とも思っていない。自分の資産さえ守れれば、国民の痛みなどどうでもいいのだ。
泣いても笑ってもあと1年、あなたはどうする?
もはや、どちらを向いても経済破綻、そしてハイパーインフレは不可避の状況になってきた。泣いても笑っても、タイムリミットはあと1年である。
残された1年をあなたはどうやって過ごすだろうか?
なんとかなるさとたかをくくって、何もせずに安閑と過ごすか。それとも、来るべき再生のときに向けて、いまから準備を始めるか。それによって、あなたの未来が決まるといっても過言ではない。
大きな変革の意味が理解できる人だけが、新しい未来を築くことができる。大きな変革が起きるということは、既得権益を握っていた守旧勢力が駆逐され、新しい勢力が新しい社会をつくるということである。
この大きな流れのなかで生き残るためには、変わらなければならない。古い価値観に縛られて何も変わることができない人は、守旧勢力とともに時代の流れに押し流されてしまうだけだ。
あなたにとって、一番大切なものは何か。お金か、地位か、名誉か、それとも家族か、友人か‥‥真剣に考えてみていただきたい。そして、あなたの一番大切なものを守るためには、どうすればいいか考えてほしい。
すべてはあなたの考え方ひとつにかかっている。この大混乱、大変革の時代を受難のときととらえるか、新しいよりよい社会を築くために必要な破壊であるととらえるか。あなた自身の生き方、信念が問われる時代がいままさに訪れようとしている。
金利の上昇によって生活が破綻する人たち
物価の上昇は、やがて金利の上昇へとつながっていく。これまで「ゼロ金利」「史上最低の金利」などと言われてきた日本の金利だが、りそな銀行が破綻した直後の2003年6月を底に、ゆっくりと上昇を始めている。
金利の上昇は、その国の経済や社会にただならぬ影響を与える。(中略)
金利が上がると大変なのは、国や自治体も同じである。すでに国も自治体も借金漬けで四苦八苦の状態だが、金利が上がるとさらに大変なことになる。
国や自治体は国債や地方債を発行し、これを民間に買ってもらって資金を調達しているが、新規に発行される国債や地方債の利回りは金利に影響される。金利が上がったときは国債や地方債の利回りも上げなければ、誰にも買ってもらえない。資金を調達するには利回りを上げざるをえず、その結果、返すべき借金はさらに膨れあがってしまうのである。
加えて国債については、危ない動きが始まっている。国債の引き受け手は本来、大企業である。ところが金利が上昇すると、ほとんどの大企業は経営が苦しくなる。とても国債を引き受けている余裕などない。新規に発行しても引き受け手がいないのでは、財政が回らなくなってしまう。
そこで国が新しく売り出したのが「個人向け国債」である。個人でも購入しやすいよう購入最低額を従来の5万円から1万円に下げ、さらに固定金利から半年ごとの変動金利に変えて、利回りも従来より高く設定した。企業がだめなら個人、それも条件をよくして何とか買ってもらおうというのである。
これはお金に困った人が「金利はいくらでも払いますから、お金を貸してください」と言っているようなものである。借金をしている人がこんなことを言い出したら要注意である。
誰しもお金を借りるときの金利は、低ければ低いほどいい。金利が上がってきたら、できるだけ借金を控えるものである。ところが国の場合、金利が上がってきているのに、なおかつ借金を増やそうとしている。もはや常識など言っている場合ではなく、とにかくお金を借りようとやっきになっているのである。
石油の値上がりがもたらすドルの大暴落
イラク戦争に端を発する石油の値上がりは、為替にも大きな影響を与える。なかでも影響を受けるのがアメリカのドルで、おそらくドルはこれから大暴落するだろう。石油の値上がりによって、アメリカの経済は非常に疲弊している。輸入額はますます増加しているのに、輸出するものがない。貿易収支の赤字が拡大する一方なのである。もちろん財政赤字もいっそう悪くなる。
アメリカの証券会社ゴールドマンサックスによると、アメリカの経常収支の赤字を支えるにはドルが3割下がる必要があると言う。たとえば、いま1ドル=110円として、3割下がると約70円である。すなわち1ドル=70円にしたいのがアメリカの本音で、アメリカはこれから激しいドル安・円高攻勢に打って出るはずである。
アメリカの財政は火だるま状態
アメリカ経済の失墜は、60年代半ばごろに、工業、家電、自動車など古き良きアメリカを代表していた産業すべてが衰退していったことから始まる。そして現在は壊滅といっていい状態で、輸出するものが何も見当たらない。
輸出が翳る一方で、生活を維持するために輸入を重ねた。その結果、無理な借金を続けたため膨大な貿易赤字が積み重なり、まさに国家全体が火の車という状態になった。
たまりにたまった赤字。こうなるとアメリカの打つべき手は一つしかない。不況から脱出するため自国の通貨を暴落させようとすることである。これは国家が経済に行き詰まったときに使う常套手段である。アメリカは起死回生の一打として、究極のドル安政策を行なうのである。(中略)
日本は約80兆円ものアメリカ国債を持っているが、アメリカが最終的な手段に出れば、これらはすべて失われるだろう。
世界各地の異常気象が意味するもの
2004年、日本は数々の異常気象に見舞われた。春の気温は過去最高の水準、夏になると真夏日の日数が多くの地域で過去最高を数えた。本土を直撃する台風も過去最高となり、あいつぐ水害により農作物の値段は急騰した。野生生物も食糧に困り、クマが人里に出没する件数が激増した。さらに10月には新潟中越地震が起こり、特別災害対策予算が組まれた。
こうした天変地異が起きているのは、日本だけに限らない。たとえば、アメリカでも中西部が400年ぶりの激しい旱魃や水不足に遭遇し、農業はもちろんのこと、一般の人々の生活にも大きな影響が出た。さらには大型ハリケーンも数多く襲来し、フロリダなどの地域に甚大な被害をもたらした。
こうした現象を目の当たりにすると、明らかに世界中で異常気象が増えていることがわかる。異常気象についてはいろいろな考え方があると思うが、これまでのような自然の循環が狂ってきていることは確かである。
異常気象の多発は、すでに20世紀の考え方や価値観が限界に達したことを示している。20世紀、世界は石油を燃やし、エネルギーを得ることに成功した。また、森林を伐採し灌漑することで、耕作地に変えていった。そうしたやり方に、地球が悲鳴を上げているのだ。
いま以上にエネルギーを得ようと石油を燃やせば、より多くの二酸化炭素が出る。二酸化炭素が増えれば、地球は温暖化する。
地球温暖化の問題で、いまもっとも懸念されているのが、中国とインドの経済発展だ。中国の人口が14億人、インドが10億人、合わせれば24億人である。経済発展のなかで、この24億の人間がエネルギーを消費し、自動車を使うようになったらどうなるか。二酸化炭素の排出量は莫大なものになり、有害物質も大量にまき散らされることになるだろう。(中略)
異常気象はいま以上に増加し、それは食糧生産にも甚大な影響を与えるに違いない。食糧生産の不安定化によって、深刻な食糧不足に直面することになるだろう。
農作物の不足を補うため、農耕地を増やせばいいというものではない。地下水をくみ上げる灌漑農業を展開していけば、やがて地下水脈は枯れてしまう。大地は塩を噴いて、農作は不可能となる。さらに山は乾燥して、樹木は枯れてしまう。
もう20世紀のやり方では、巨大に膨れあがる世界人口を養えない。異常気象は「早く新しいやり方に切り換えろ」という、天からの啓示ではないのか。特にエネルギーと食糧について、われわれは早急に新しいやり方を模索する必要がある。
預金も借金もすべてがゼロになる!
これから、日本はどうなるのか。
その答えは簡単明瞭である。金融危機、財政危機が表面化し、ロシア危機のような強烈な経済破綻が起こる。
経済破綻が起きるとどうなるか。これも答えははっきりしている。とにかく、紙幣を刷って刷って刷りまくる。それしかない。(中略)
その結果、何が起きるかは明らかだ。猛烈なハイパーインフレが日本を襲うのである。
預金、年金、保険金、財政、企業救済、個人の生活の救済など、このとき政府が支出しなければならない金額は、数百兆から1000兆円を超える可能性がある。
政府がそれほどの借金を背負うということは、後の世代に相当な痛みを残すのではないかという意見もあるが、そうはならない。ハイパーインフレになれば、預金の価値も減少するが借金の重みも減少する。1000兆円の借金を背負っても、100倍のインフレになれば、実質的には10兆円しか借金が増えていないことと同じになる。
中途半端な借金では後の世代の重石となってしまうが、新札を刷って莫大な借金をすればハイパーインフレを引き起こし、実質的に借金を目減りさせられる。そうなれば借金をリセットして、まっさらなものを後の世代に引き継ぐことができるのである。
しかし、国民の生活には重大な影響を及ぼす。ハイパーインフレになればなるほど、借金は限りなくゼロに近づくが、同時に預金も限りなくゼロに近づいていくのである。
キャッシュを稼げる仕事に就いている人はいいが、もし失業でもすると大変なことになる。なにしろ、モノの値段が一晩で何倍にも跳ね上がってしまうのである。明日の米にさえ事欠くようになるだろう。
ロシアの経済危機では、多く人が食べ物を求めて街をさまよっていた。日本でもそのような光景が随所に見られるだろう。
公務員と大企業のサラリーマンに訪れる地獄
これから経済破綻を迎える日本では、いくつもの企業が倒産することになるだろう。大企業も例外ではない。そのような時代は、会社の人脈よりも、会社の外側で築いた横のネットワークのほうが重要になってくる。
ところが、「親方日の丸」のもとで安閑と暮らしてきた大企業のサラリーマンや公務員は、そのことがわからない。会社以外にネットワークを持っていないので、いざ会社や国が破綻してしまうと、頼れるものが何もなくなってしまう。ハイパーインフレでいちばんひどい目にあうのは、こういう人たちだ。
また、年金生活者にとっても厳しい時代がやってくることは確実だ。ハイパーインフレになれば、年金だけでは暮らせなくなる。そのときに備えておく必要がある。「年金生活に入ったからもう引退だ」と思っていたら大変な目にあう。「老後はのんびり過ごしたい」と思っていた人にはつらい話だが、これが現実なのである。
「学の時代」に何を学ぶべきか
では、個人の資産防衛はどうすればいいのか。おそらく、そんな疑問をお持ちの方も多いのではないだろうか。
これまでの私の主張を真摯に受け止めてくれた方には、答えはおのずとわかっているであろう。資産を増やす、あるいは資産を防衛するという発想自体が、もう過去のものなのである。
これから始まる大変革は、既成の勢力が瓦解し、新しい理想的な世界をつくるために必要な崩壊である。古い金融システムは崩れ、まったく新しい形のシステムが構築される。そんなときに、古い金融システムのお金を死守することがそんなに大事なことであろうか。
質問に答えるとすれば、資産を守る方法などどこにもないと答えざるをえない。では、このまま円が紙くずになっていくのを黙って見ているしかないのか。いや、それは違う。金を増やそう、金を守ろうという発想から脱却すれば、どうすればいいかが見えてくる。
新しい時代に必要なのは、金ではない。個人の志と新しい社会を建設するときに必要となる能力である。そうであるならば、いま持っている資産を死守しようとするのではなく、自分自身の能力を見つけるため、開発するため、磨くために使うべきであろう。それは混乱の時代を生き残る、あなたの力強い武器になってくれるはずである。
ただし、ここでいう「学」とは、既存の学問を学ぶことではない。現代はもはや「西洋の学問を学べば成功する」という時代ではない。権威を得るための勉強など、何の意味も持たない。必要なのは、その人の実力。真の実力を身につけるためには、自分がいいと思うこと、おもしろいと思うことを学ぶことである。
時代を先取りして、ひとつ付け加えるなら、それが世の中のためになることであれば、なおいい。2005年から始まる大崩壊の後、新しい国づくりに向かって社会が動き出す。そのときに、個人や特定の組織の利益ではなく、社会全体の利益から物事を考えられる人は、必ず社会から求められる。
いずれにしても、ここまできたら泣いても笑っても、古い時代はあと1年で終わる。それまでに、どれだけ能力を身につけ、再生の時代のために準備をしておくか。明暗はそこで分かれるだろう。
おわりに
注目の米大統領選挙は、今回も大接戦の末に現職のブッシュ大統領が勝利を収めました。(中略)
もしここでケリーが当選していたら、確かにブッシュ陣営は悔しさの中で退陣したでしょうが、歴史を潰した張本人として後生に語り継がれる汚名は着なくてすんだはずです。でも神はその選択肢を選ばれなかったのです。なぜなのでしょうか(中略)
神は、いまものすごい勢いで最後の振り分け、最後の審判を行なっておられます。ますます凶暴性と貪欲さを丸出しにしたリーダーが活躍すればするほど、そういう精神的傾向をもった全世界の人々の遺伝子にスイッチが入り、そういう人々が声を上げて彼らに声援を送り、彼らを支持し始めます。ここで声を上げて彼らを支持し、彼らについていく人こそ、神が淘汰されようとしている人なのです。
これから先の時代に神が許さない気質を持った人たちを次々にハーメルンの笛吹き男が群集の中から引っ張り出して、永遠にどこかに連れ去っていってしまう、それが今まさにここで起きていることなのです。すべては他人事ではありません。すべては一人ひとりにとって極めて現実感の高い神劇なのです。
この神劇を見て、あなたはどう思いますか、あなたはどうしますか、ということがいちばん大事なことであって、ニュースに乗るようなすさまじい悪をなす人も、反対に素晴らしい善をなす人も、彼らは単に神劇の俳優です。この名優たちの演技をみてあなたはどう思いますか、どう行動しますかということを、神は一人ひとりチェックされて、いまだ本心が現れなければもう少しきつい神劇を突きつけて、思いと行動をチェックされているのです。
そして次々と神劇を繰り出す中で、神は人々に改心を迫ります。くどいくらい何度も何度も改心を迫ります。改心ができればそれでOK、しかしできなければある日突然、ハーメルンの笛吹き男がやってきて、永遠に帰ってこれない旅に出てしまうのです。
これからの時代、愛なること、善なることを求め、愛と善に基づいて行動している人にはまさに輝かしい希望の時代の到来です。人類、地球そして宇宙全体の黄金時代の到来だと言っても良いと思います。そしてそれに反対している人には徒労と悲劇的な結末が待っているだけです。
もうすでに最終地点での世の中の決着はついています。たとえ今のあなたがどんな悪人でも、心改めて愛と善の道に進むことで、希望に満ちた素晴らしい世の中を生きていくことができるのです。すべてはあなたの選択ひとつなのです。どうぞこの混乱の時代の本質を決して間違わないように注意されて、素晴らしい未来を手にしていただきたいと思います。