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はざみ山古墳に1億円もの抵当権が付けられていることがわかり、古墳は競売にかけられた。
もともとは建設業者など4社の共同所有であったが市が9億円で買い取り、国が4億円、府が4000万円を補助した経緯がある。その後、同市在住の女性が土地の4分の1に抵当権を仮登記していた事実が判明。女性は既に亡くなっており、現在建設業者は倒産して行方不明に。女性の相続人に対し、市は和解調停の拒否で臨んだという前代未聞いわく付きの物件である。競売対象は濠の部分の1154平米で柵・フェンスが取り囲んでいる。古墳そのものは5世紀に築造。長さ103メートル、面積1万5000平方メートルの中型であり、応神陵など古市120基の中央に位置する。もとより現今の史跡というものは文化財保護法で開発が規制されており、経済的な利用価値はゼロだという。市は売れるはずはないとたかをくくるポーズを通してきた。それでも利権を目的に土地を落札し、分割して配当を狙う事件屋の介入が懸念されはしていたのである、それどころか、この件は背景が深く、事件屋の手に負えるトラブルではなかった。実のところ事件屋の動きを匂わせたのは市側の一計、煙幕であり、そのせいか業者の反応は鈍く、土地取得に冷ややかなのであった。他方、市側の真の狙いは、同じ土地への2重払いを避ける形で相続人と和解し、所有権の一部を相続人へと確実に譲渡するところにある。そのことで、搬出できないでいる新宮の儀の祭具、いわゆる橡の勾玉を移管させることができるというわけだ。さて古墳といえば十二支図の戌と卯を描いたとされる部分の、青竜図の運び出しが記憶に新しい。壁画を通気性のない袋に入れ、トレーに載せて仰々しく搬送したのである。その一方で、内部環境が変化する影響をさほど色濃くは受けはしないものの、政治的に移動することもままならない埋葬品が1点だけ残されていたという次第なのである。