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‥‥記憶がゴッチャでも、お許し願いたい。
もう10年ほど前か、ダイエーの噴水広場で、
例の五島氏の、ヒトラー云々の話を読んだ。
どうせ人に貰った本だろう、しかし、なんだか
夢中でね。そうか、最終ビジョンは、人類の
2極分化、それが遺伝子にも反映されるのか。
もしかすると、闘病し、引きこもりになって
うだつのあがらなくなった俺も、これからの
戦国の乱世で才能を発揮できるかもしれない、
と思った。まあ震災の様な地獄は困るだろうが。
ところが、その巻頭では、怪しげな人物から情報が
齎されており、三島の証言も真偽が定かじゃないようだ。
その頃だったか、金融恐慌についての見開きの
記事が有って、旨く預金を移せば、取り付け騒ぎに
巻き込まれなくて済むと思った、これで勝ち組だと。
テレビでは、サティアン付近の山に入って、ロシアからの
ヘリ購入の話をしていたと思う。しかし、そこまで探られて
敵対勢力(日米国家群)を壊滅させることが出来るのか。
こうして金融恐慌も、ヒトラー逆襲の兆候も無かったし、
神戸地震のあと、ハルマゲドン(空中散布やオウム
大地震)は起きなかったようだ。優秀な人間が
信じた夢(悪夢)は、とりあえず潰えたと思う。
これからも、何か起きるかもしれないし、起きないかも
しれないし、起きるといって起きなかったカルトは多いだろう。
人間3度だまされたら、充分じゃないか、俺は他力本願ではなく、
自分で確実に出来ることをしようと思った。俗に“次の時代など、
来るのではなく、作るしかない”というようなことかもしれない、
もう、あんな本に小躍りすることもないだろう。俺は失意の中で、
ちょうど都合のよい藁に縋っただけ、信じたいものを信じたに過ぎない
はずだ。そして、夢が消える度に、ブラ下がった最後のサムライは死ぬのだろう。