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渋谷川(東京都渋谷区東)で男性が倒れているのを近所の人が見つけ、交番に届け出た。すでに死亡しており、所持品から同区内在住の英会話講師(米国人36)とみられている。警視庁は司法解剖で死因を調べる。また千葉県茂原市の3階建てマンション1階の会社員(33)方で、害虫駆除中の建設会社作業員(32)が床板を剥がしたところ、ミイラ化した遺体をコンクリート上に発見し、茂原署に通報した。
渋谷署の調べでは外国人男性は幅4メートル、発見時の水深10センチの川にうつぶせに倒れ、顔には裂傷が有った。護岸は斜面で、川底から2メートルの高さに男性のものとみられる帽子が発見されている。この英会話教師は亡命したバイオ化学者である。ヒトDNAデータベース構築計画に関与したことが判っている。計画はジェノグラフィック・プロジェクトといい、先住民族などの血液から10万人規模のデータベースを構築して祖先の移動経路をトレースする計画である。だが先住民の権利保護団体は、商業利用などを重く見てプロジェクトへの不参加を訴えている。また米国の野生動物保護協会(WCS)は、新種の猿の命名権をオンライン・オークションに出品、オンラインカジノ(カナダ)が65万ドルで落札し、ゴールデンパレス・コムと名付けられた。この広告猿はDNAのデータベースで合成したアミノ酸によって構成されている新種である。さらに、このバイオ化学者は同技術を移転し、馬の傷病治療に、その馬自身の脂肪組織から抽出した幹細胞を利用して成果を収めている。単純な頭脳流出ではなく、入国後は本国の支援団体とも頻繁に連絡を取り合っていた。その際、無制限通話プランを巧妙に活用していたため、経費を節減できるとともに盗聴も免れていたのである。この無制限通話プランについては米国東西海岸に暮らす遠距離恋愛カップルが、通話状態にしたまま眠るなど1ヵ月間の通話全記録をブログで公開して話題を呼んでいる。ところで、米国の研究機関が中国政府によるネット検閲について、多数の政府機関と数千人のスタッフが稼働している実態を発表した。ユーザーに気づかれずに基幹ネットワークからネットカフェまであらゆるレベルで行なわれているという。この中国政府機関が無制限通話プランの尋常でない悪用を捕捉して米側に通報、米国経由で公安当局に情報提供されたが、すでにバイオ化学者は何者かに処分されていたのである。警察発表(署レベル)では、男性が川沿いのフェンス(高さ2メートル)を乗り越え、7メートル下に転落した可能性を指摘している。他方、ミイラ死体のほうはIT技術者であり、自動操縦の宇宙船DARTの事故に関与していた。飛行中にミッションを中止した米航空宇宙局の無人宇宙船は、実はランデブー相手の人工衛星に衝突していたのである。ランデブー及びドッキングを自動化するこのNC技術は、多額の経費と人的リスクを伴なう有人ミッションに代わるものと期待されていた。結局、自動操縦技術の実証は達成できず、調査委員会を設置して事故原因を究明するというが、分散プログラム(ケイオス)を使って妨害されたのは明白である。ケイオスは一般的なウィンドウズ機において未使用の処理能力を使う分散プログラムである。リモートのリナックスをハードディスクに干渉する事なく、メモリベースで実行する。例えば30台を使えば、熟達したクラッカーでも一月を要するパスワードの解読が1日で可能となる。ちなみにIT技術者は、昨今では恐怖心を煽ると専ら不評の、天体衝突リスク評価システム(トリノ・スケール)創設の功労者でもあった。しかし、現在は合法ウイルスの開発者であるため、その線で身の危険に晒されていたのである。英ソフォス社は、音楽の違法交換に対して制裁するウィルスNopirが見つかったと発表した。標的はウィンドウズで感染時にはパソコン内のMP3ファイルが消去される。これは成長市場の帰趨を決しうる一大技術である。この事案も米側からの要請に従って初めて警察が確認したもので、IT技術者を支援していたNPOスタッフは、突然警察に踏み込まれた際、咄嗟にこの技術者を床下に隠し、その事実を黙秘していた。同署としては、死体遺棄の疑いも視野に入れ、身元確認を急ぐとともに司法解剖で詳しい死因を調べるとしているが、事実関係は既に本庁が把握しているのである。遺体は年齢不明で目立った外傷は無く、着衣の状態で発見された。1989年に建設されたこのマンションは、床下30センチ以下。側面に有る通風口から入り込むのは困難という。もともと千葉県は気候風土から遺体の保存状態が良く、しばしばミイラ化に至った段階でコンクリートの上などで発見される。なお米IBM社とDNAシステムを共同開発したナショナルジオグラフィック協会には、このIT技術者も登録されている。