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石笛の起源は今から約五千年前の縄文時代中期にまで遡り、飛鳥時代に仏
教文化の一部として唐より伝来した雅楽をも更に三千数百年も遡ります。
古来«音霊:おとだま»を司って神霊を呼び迎え、現在も一部の神道系流派に
伝承される、有り難くも不思議で神秘的な«穴のあいた自然石»は、人間が手
を加えることの一切を拒絶する自然界の名匠が創り上げた«究極の楽器»です。
そしてその奏法の奥義は«感覚的幽玄の世界»にあり、«吹禅»«一音成仏»と言
う究極の精神世界を極め、その響きは悠久の時間と空間を超えて縄文の時代
から現代に蘇り、聴く者の心に得も言われぬ安らぎと、感動を与えてくれます。
更に、指穴すらも無い単なる穴明き石で、1オクターブ以上の音程と旋律を
吹き分けるその業(わざ)は、無から有を生み出す錬金術師の様でも有り、聴く
人にとっては正に神業とも映るようであります。
そしてその音は 心地良い自然界の波動や法則であり、日本人の遺伝子に組み
込まれた魂を、そして心の奥底をも強烈に揺さぶり動かす強力な土着の気を秘
め、東洋思想の«身土不二»«一物全体»に通ずるものを内在して、そこに遥か
遠い昔の懐かしい故里の匂いや情景を思い起こさせてくれるのであります。
その中でも貫通型の石笛は現代に伝承される[能管]の響きを彷彿とさせ、とり
わけ五音階を好み、中でも陰旋法・都節音階を特に好む傾向は«日本音楽の
原点»の一つであることをことさらに強く印象付けるものであります。