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京都地裁昭和44年11月5日決定
司法巡査が容疑者を『現行犯逮捕』したのは、犯行時よりわずか20数分後であり、その逮捕場所も犯行現場からわずか20数メートルしか離れていない地点であったのであるが、逮捕者である司法巡査とすれば犯行現場に居合わせて被疑者の本件犯行を目撃していたわけでもなく、またその逮捕時において被疑者が犯罪に供した凶器等を所持しその身体、被服などに犯罪の証跡を残していて明白に犯人と認めうるような状況にあったというわけでもないのであって、被害者の供述に基づいてはじめて被疑者を本件被疑事実を犯した犯人と認めえたというに過ぎない。
以上からすれば、司法巡査が被害者の供述に基づいて被疑者を『現行犯逮捕』した時点においては、緊急逮捕をなしうる実態的要件は具備されていたと認められるが、現行犯逮捕ないし準現行犯逮捕をなしうるまでの実態的要件が具備されていたとは認められない。【有斐閣 刑事訴訟法判例百選 28頁】
例の現行犯逮捕事件を上の決定の基準で考えれば現行犯逮捕の要件を満たしていなかった!?
そうすると、国会法33条の『現行犯罪』を刑事訴訟法213条の『現行犯人』と考える限り、同法および憲法50条に違反する逮捕だった!?
逮捕の違法性・違憲性は勾留質問において審査されるので、本件においては、上の問題点はもはや法的審査を受けることはない!?