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誤りを認める勇気
とうとうブッシュ大統領は自らの誤りを認めた。12月14日、ブッシュ大統領はワシントン市内で行った演説の中で、大量破壊兵器情報が誤りだったと認めた上で、開戦決定について「大統領として責任がある」と表明したと報じられている。
もちろんブッシュ大統領は、その後で「イラク戦争の遂行は正しかった」と自らの行動を正当化する姿勢は崩していない。しかしブッシュ大統領がフォックステレビのインタビューに答えているように、「独裁者を除去しなければならなかった。(大量破壊兵器を持っていなかった事がわかっていても)もちろん攻撃した」などという事をあの時主張していたならば、おそらく世界中の反対にあってさすがに開戦まで持ち込めなかったに違いない。
その事を最もわかっているのはブッシュ大統領であろう。今更攻撃が間違っていた事までも公然と認めることは出来ない。それを明示的に認めることは大統領の職を辞することを意味するからだ。だからせめて、「大量破壊兵器はなかった」ことを認め、「間違った情報に基づいて戦争を行った」責任を認める形にして、ブッシュ大統領はあの戦争の間違いを認めたのだ。
これで世界の主要国のすべての指導者がイラク攻撃は間違いだったことを認めたことになる。すでに英国のブレア首相もイタリアのベルルスコーニ首相も、あの戦争には反対であった、ブッシュ大統領を必死に止めさせようとしたけれど成功しなかった、などの事実をさまざまな機会で明らかにしている。 仏、独、ロシアの大統領や首相は当初より米国の単独攻撃に反対した。
今となっては皆があの戦争の誤りを認めたのだ。
そんな中でただ一人、最後まで誤りを認めない男がいる。それが日本の小泉首相だ。ブッシュ大統領の発言についてコメントを求められた小泉首相は、15日、「日本は国連決議に沿って判断したわけですから」、「イラクが大量破壊兵器はないと証明すれば戦争は起こらなかった」などと弁解にもならない事を口走っている。一体どの国連決議があの時の米国の軍事行動を容認したというのか。ブッシュ大統領は、「大量破壊兵器を持っていなくても攻撃した」と14日のテレビインタビューで答えている。イラクが大量破壊兵器を持っていないと証明しても攻撃されていたのだ。
小泉首相の代弁役をやらされている安倍官房長官にいたっては、「彼らが大量破壊兵器を持っていると米政府が考える合理的な理由があった」などと、頼まれもしないのに米国を弁護する発言をしている。しかもブッシュ大統領自身が「大量破壊兵器を持っていたと認識したことは間違いだった」と認めたばかりであるというのにである。
見ているがいい。イラクの混乱はこれからが本番になる。日本はますますイラクの混乱の当事者にさせられていく。もっと早い段階で間違いを認める勇気をもっていれば、日本はとっくの昔に、こんなおろかな戦争から足を洗えたはずなのである。日本とは何の関係もない中東の政治に中立でいられたのである。
間違いを認める勇気を持たない独りよがりの男のために、日本全体がどんどん、どんどんとつまらない方向へ迷走することになった。そんなことで本当にいいのか。