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朝日新聞からhttp://www.asahi.com/international/update/1215/007.htmlより引用
米大統領、大量破壊兵器「情報誤り」 イラク戦は正当化
2005年12月15日19時25分
ブッシュ米大統領は14日、イラク情勢についてワシントン市内で演説し、旧フセイン政権の大量破壊兵器(WMD)に関する機密情報が間違っていたことを認めた上で「旧フセイン政権を打倒したのは正しい決断だった」と語り、イラク戦争を改めて正当化した。
大統領は「機密情報の大半は結果的に間違っていた」と認め、さらに、「イラク戦争に踏み切った決断に責任を持っている」と述べ、開戦の決断は正しかったと強調した。機密情報の間違いについても情報機関改革などを通じて改善することを改めて約束した。
発言は、イラク戦争開戦の最大の根拠としてブッシュ政権が掲げたWMD情報の取り扱いに関して政権の責任を認めたものではない。情報機関の判断の誤りにもかかわらず、開戦を決断したブッシュ政権の決断自体は正しかったと開き直るものだ。
ブッシュ大統領は同日、FOXテレビとの会見で「当時、フセイン大統領が大量破壊兵器を保有していないとわかっていたとしても侵攻したか」との質問に「まったくその通りだ」と答え、WMD情報の誇張疑惑などを追及する野党民主党の動きや、イラク侵攻は不必要だったとみる米世論の高まりを牽制(けんせい)した。
米ホワイトハウスのマクレラン報道官も会見で「開戦の決断責任」発言について「新しい発言とは思わない」と述べ、政権としての対応の誤りを認めた発言ではないことを確認した。
大統領は演説の中で、「我々が今日イラクに駐留しているのは、独裁者の除去以上のものを目的として掲げているからだ」とも語り、15日の国民議会選挙を前にイラクで民主化を進める意義を改めて強調した。
ブッシュ氏は、選挙後の情勢について「不安定な日々がくるかもしれない」と述べ、選挙結果の確定までの間、ある程度の混乱が続くとの見通しを示した。
民主党側は「大統領の演説は、任務完了に向けた戦略について米国民に何の洞察も与えなかった」(リード上院院内総務)、「彼(大統領)が決断した時期、やり方で米国が戦争をする理由はまったくなかった」(ケネディ上院議員)などと強く批判した。
ブッシュ大統領の演説は、国民議会選挙を前に、政権の対イラク政策の正当性を訴える連続演説の一環で、11月下旬以来、今回が4回目。同選挙に向けてこれが最後の演説となる。