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H.ブリクス:ひとつの戦争という代償が払われたローマのスキャンダル(レップブリカ紙)〜ニジェール疑惑
http://www.asyura2.com/0510/war76/msg/815.html
投稿者 kamenoko 日時 2005 年 12 月 11 日 22:58:26: pabqsWuV.mDlg
 

ニジェール疑惑 ひとつの戦争という代償が払われたローマのスキャンダル(レップブリカ紙)

 スェーデン人ブリクス氏;「素人の工作、もしくは計画的犯罪。
 ブッシュの選択の根拠となった偽造文書」

 元国連査察委員長;「米情報局をどう信頼しろというのか?」

ハンス・ブリクス、元スェーデン外相にしてIAEA委員長。 2000年〜03年まで
国連監視検証査察委員会(Unmovic)委員長を務め、イラクの査察に携わる。
サダムのニジェールでの買い物の’嘘’に最初に耳を貸すべきべきだった人物
として、”ニジェールゲート”における特別な証人といえる。 耳を貸さな
かったブリクス氏は、今こう述べる。「ニジェールのイエローケーキに関する
イタリアの文書は、イラク戦争正当化に利用された最も派手な証拠。 鍵と
いってもよい。なぜなら、ウランを濃縮する遠心分離機に使われるアルミ管を
イラクが購入したとの情報と組み合わされて使われたからだ。 
イエローケーキに関するイタリアの文書は、ブッシュが03年1月28日の一般教書
演説で口にしたあの有名な16語(*)の根拠となる情報だった」。 

 (kame注:一般教書演説和訳より
      ’英国政府もフセインが最近アフリカから相当量のウランを
      入手したことを突き止めた。我々の得た情報では、フセインは
      核兵器製造に使える強化アルミニウム管も入手しようとした’)
 こちらからお借りしました http://eritokyo.jp/war-env/bush-speech-2003.1.htm

Qブッシュ氏の演説では、ニジェールに関する言及は、英国から得た情報となって
います。

「異議があることは知っている。 03年の1月、米政権はイエローケーキの情報が
嘘であることを知っていた。 それが公になったときのリスクも意識していた。
そこで英国発の情報とする選択をしたのだ。 こうすれば、少なくとも、言おうと
している事の責任を分担できる」。

Q米政権が03年1月にニジェール情報が嘘であると知っていたと確信されている理由は?

「私には遍く実証されているように思えるが、02年2月終盤から始めると、米政権は
ニジェールのウィルソン元大使の任務報告を耳に入れていた。ウィルソン元大使は
イラクがニジュールとウラン購入契約を結んだという仮定に何ら説得力を見出さ
なかっただけではないのをご存知か? それどころか、証拠をありえないことと
否定するまでしている。 ブッシュがウィルソンの仕事を耳に入れていたか
どうかは知らない。 彼が知っていた正確な情報など存在しないのだから、耳に
入れていたかどうかは断言できない。 しかしStephen Hadley国家安全担当補佐官
(当時はライス氏の補佐官)がブッシュの演説にウランの一件を挿入した政治的
責任をとったことは知っている。 ウィルソンが探し出せなかった事を、政権内の
誰かが自覚していたことも知っている。
その後起きたこと、03年6月にウィルソンが実態と自分の仕事を漏洩したことが
米政権の気に食わなかったことも知っている。 CIAゲート(プレイムゲート)と
呼ばれる一連の事件のひとつひとつに、米政権の不誠実さを見出している」。

Qニジェールのウランについて、あなたは米国が英国と共に’カヴァーした’と
おっしゃる。 つまり英米はイタリア文書に含まれていた情報を共有していた
という意味にとれる。

「その通り。英国はイタリア文書に含まれていたのと同じ情報を持っていた」。

Qしかし英国は、ニジェールについての結論は複数の情報局の証拠書類と別ルート
から得たものと主張しています。

「この英国人の主張は、ひとつの単純な主張だ。 実際は、”これがニジェール
ウランの別の証拠”などと言えるような証拠は全く存在しない。 この”別の証拠”
をロンドンは机上にも載せなかった。 とはいえ英国人がイタリア文書に含まれる
情報を有していたことは、これまで否定していないという単純な状況が事実で
あることを示している」。

Qあなたがニジェールウランのニュースを最初に耳にしたのは、いつ、どんな状況下
 でしたか?

「日付は正確に記憶していないが、02年秋にウィーンのIAEA事務所で目にした。
しかし自分の反応は完璧に覚えている。 冗談に違いないと思った。 我々は
イラクが長い時間をかけてイエローケーキの顕著な量の備蓄を行っていたことを
正確につかんでいたし、とりわけ濃縮化が可能な段階にはないことを知っていた。 
つまりニジェールの話には全く論理的根拠がなかった」。

Qニュースはどんな表現で伝わりましたか?

「表現は十分に正確なものだった。 私が聞かされたのは、IAIEが米国から
イラク・ニジェールのイエローケーキ供給契約の存在を教えられたというもので、
それを鑑定するためにJacques Baute が源文書を探しているが入手できずに
いるとも聞いた」。

Qそのニュースはイタリアに言及していましたか?

「イタリアに関する言及はなかった。 ローマから文書のオリジナルが出たのは
03年の春だったと思うが、IAEAが文書の虚偽を宣言した以降のことだ」。

Qオリジナル、および偽造工作責任、文書の流布についてお考えはありますか?

「私は確認された事実に固執する。 文書が出てきた、そしてローマで組み立て
られた事実。 イタリア人がそれを流布した事実。誰のために? 最終的にどこに?
誰との共謀で? これらは答えが待たれる疑問であり、それに基づき様々な仮定が
表明できる。 しかしひとつだけ確かなのは、これらの疑問はたった2つの可能性
しか迎えられないこと」。

Q それは?

「ローマで生まれ英国経由で米国に到達したと見られるこの話が、もし金銭目的の
詐欺だったなら、地球上で最も整備された西側情報局の幾つかを騙すことが可能
だった。
つまり我々はシークレットサービスの未熟さ(素人芸)に直面していることになる。
これは良いニュースとは言えない。 反対にもし詐欺でなかったなら、誰かが故意に
やったことになる。 しかしそれなら、その誰かの正体はこの話の代償がひとつの
戦争となった時点で表ざたになるはずだ」。

Qイタリア政府と情報局は、陰謀の背後にフランスがいると告発していますが。

ブリクス氏 微笑 「その仮定の詳細は知らないが、率直に言うと煙がみえる。
情報局員というのはしばしば、情報というより偽情報を提供すると思われる。
これも問題と言えるだろう。 ひとつだけ確かなことがある」。

Q それは?

「誰も後の祭りの告発しようとしていない。 なぜなら”ニジェールゲート”の
責任の所在を語るとき、みなが忘れていること もしくは忘れたふりをしている
根本的な状況に言及しないからだ。 エル・バラダイがイタリアのイエローケーキ
文書が虚偽であることを表明した03年の3月7日は、まだ開戦前だった。 その
時点で止めることもできたのに、誰もそうしなかった理由は? 
今日あの’証拠’の偽造を公に認識している国々は、なぜ起きつつある事を公に
告発しなかったのか?
ニジェールゲート・スキャンダルは、スキャンダルの表現を強調しておくが、
まさにこれなのだ。 3月7日の翌日に何も起きなかったことが、スキャンダラス
なのだ。 あの時期、誰もイラクの大量破壊兵器配備に疑問を呈することすら
しなかったように見える。 そして、そうした者は代償を払わされた」。

Qあなたが”ニジェールゲート・スキャンダル”と呼ぶものに戻りましょう。 
前から示唆されていたことへの回答がいまだ見つけられずにいる事実に対し、
進言があるとすれば?

「2つの考察を進言する。 一つめ、これから米国が ’狼だ、狼だ”と叫ぶ時、
どう信じればよいか? イラクのあの話のような証拠をもたらした情報局から、
有益な情報を引き出す可能性は? ひとつ例を挙げよう。 もし今、米情報局が
押収したコンピュータに、イランの非民間利用目的の核プログラムの証拠があった
と主張したとする。 よろしい、私にこの類の情報の信憑性はわからないが、
こう自問する 自分をどう納得させようか?」

Q 2番目の進言は?

「”ニジェールゲート”は情報局の政治化を物語っている。 西側情報局は
開戦前夜に各国政府が聞きたがっている情報を提供したと聞く。 そしてそれが
後にも先にも悲惨な効果をもたらした。 もし診断を間違えれば治療もでたらめな
ものになる。
今イラクで起きているのは、まさにこれなのだ」。

 05年12月9日

http://www.repubblica.it/2005/j/sezioni/esteri/nigergate/blix/blix.html

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